まさに著者らとは生きている「コンテクスト」が違うので、全面的に理解して、同意することはできないが、本書の随所で、私の問題意識が発火した。
本書は決して奇をてらったものではなく、制作＝何かをつくることの王道を収めたものだ。
学び続け、変わることを自分に要請する者にとって、読むこと自体は苦痛かも知れ
...続きを読むないが、それに見合った実りももたらしてくれる本である。
・創造性は原則と想像力の間の緊張状態から生まれる。
・私が何を望んでいるのか分からない、と学生たちはよく言うが、私が望んでいるのは、問いに対して、彼らが自分で考えることだ。自分で考えれば、この時点で答えより問いのほうが多くなり、私には思いもよらない場所に、彼ら自身がたどり着くだろう。
・アートの実践においてテクスト性の過大評価を疑問視することは、まさに２０世紀のいくつかの前衛芸術の肝だった。
・デューイ：つまり詩とか絵画は、正確な描写的記述という次元ではなく、経験そのものの次元で機能するのである。散文は命題の中で述べられる。これに対して、詩の論理は命題を超越している
・労力と価値を同一視しないように
・アート作品の意味が限定されることはめったになく、解釈によって意味が蓄積され続ける。教育における進歩主義では、そのようなモデルの場合、単に学習者が受け取り蓄積するだけではなく、知覚者が経験によって意味を構築することが確認されている。デューイ：なぜなら、知覚するためには、見る人は、自分自身の経験を〈創造〉しなければならないからである。
・ポスト・デジタル現象。私たちはデジタルファイルに慣れてしまったが、逆に加速し続けるイノベーションの中で、「モノ」へ回帰し、モノそのものを評価しようとしている。
・デニス・ダットン：アートはDNAに組み込まれた人間の必要性であり、私たちの美の知覚は、文化よりも進化の影響をはるかに大きく受けている。
・ロバート・ヴェンチューリ：判断を遅らせることで、その先の判断がよりきめ細かなものになる
・イノベーションを起こすには、想像したこともないものについて考え、同時に行動しなければならない。その挑戦は、矛盾と逆説を障害としてではなく、対話の、そして願わくは行動の基本とすることだ。 
まさに著者らとは生きている「コンテクスト」が違うので、全面的に理解して、同意することはできないが、本書の随所で、私の問題意識が発火した。