「グランズウェル」では、ソーシャルメディアを使って企業がどのように顧客との接点を築くのかがポイントであった。
「グランズウェル」の続編にあたる本書では、ソーシャルメディアを使った顧客とのつながりから何を得るかへと課題が変化している。前作から3年半後に上梓されているわけだが、その間にソーシャルメディが
...続きを読むが世間に普及すると共に企業活動の内部にまで取り込まれている事が伺える。
企業からみるとソーシャルメディアを使って多くの顧客に影響を与える、マスコネクターやマスメイヴンが存在するのは特別な事例を出すまでもなくうなずける。本書で面白い点は、ソーシャルメディアを使いこなし、影響度が大きい従業員が企業内にいるということと、その扱いをどうするかという議論である。
本書では、その様な従業員をHERO(High Empowered and Resourceful Operatives)と命名している。
この成果は出すが取り扱いにくいHERO的存在はどこの企業にもいると思う。しかしこのHEROをいかにして生かし、「力を持った個人」を活用するかが重要であるとしている。この様なHEROなくしては、昨今の様な環境変化が激しい時代に企業が生き残っていくチャンスがないのであろう。
ソーシャルメディアによって個人が力を持ち、個人が企業を変えることすら出来るというのは、極論をすればソーシャルメディアが”力”の民主化をしたということになる。
自分がHEROになれるチャンスもあるし、またHEROを生かすマネジメントを行うチャンスもある。ソーシャルな時代にイノベーションを起こす為には、読んでおいて良い本だと思う。