秋山恒星(あきやま こうせい)、小学6年生。
野球、サッカー、勉強――どんな分野でも他を圧倒する「神童」として名を馳せた彼は、次なる挑戦として囲碁の世界に足を踏み入れます。
しかし、彼を待ち受けていたのは、彼の才能すらも凌駕する“5人の天才”たちでした。
圧倒的な敗北。
初めて味わう挫折。
自分には才能がないと思い、囲碁から遠ざかってしまうのですが、高校生になった恒星は、偶然の再会をきっかけに再び碁盤に向き合うことに。
かつての自分を超えるために、あの5人にリベンジするために…彼の執念の物語がはじまります。
囲碁のルールはご存知ですか?
正直、私は知りませんでした。ですが、ルールが解らずともぐいぐい物語に引き込まれますし、恒星の思いが胸に刺さります。
かつて神童と呼ばれた少年が圧倒的な才能に打ちのめされ、自身が何者でもなかったと思い知り、そこからの再起をはかる物語かと思いきや、この物語は若干異なります。
囲碁教室で働く岡野環(おかの たまき)の言葉を借りるのであれば
「日本トップクラスの野球の才能を持つ少年が入った近所の野球教室に大谷翔平が5人いたら、その少年は自分に野球の才能がないって思うんじゃないかな」
恒星自身も決して凡人ではなかったというところに注目していただきたい。
そうなんです、恒星にも決して囲碁の才能がない訳ではなく、才能があった。
しかし、周りにそれ以上の存在がいた…!!ということ。
天才が天才であることを知らしめるためにリベンジをはかる物語なのです!!
スーパーサイヤ人しか出てこない物語じゃないか!! 思わずツッコミを入れたくもなります。
傲慢で自信家だった少年が、敗北を経て謙虚さと覚悟を身につけていく姿は、まさに“主人公の王道”。
彼の目に再び火が灯る瞬間は、鳥肌ものです。
さらに、囲碁の静けさと対局中の心理戦の激しさを、人物の表情や大胆な構図で描いており、試合中のシーンは圧巻です。
かつて彼を打ち砕いた5人の少年少女たちがどういった囲碁スタイルと背景を持っているのか、次は誰と闘うのか!? 気になります!!
恒星はあの頃の無敵感をもう一度取り戻すことができるのか!?
まさに囲碁マンガの新境地! 静かなる熱狂をご堪能ください。