劉裕作品一覧

  • 王朝晦冥なり
    3.0
    1巻1,210円 (税込)
    農民の生まれであった劉裕は晋の武将として仕えていたが、戦乱のさなか晋王朝を滅ぼし、新たに宗王朝を築く。そこから続く六十年に満たない宗王朝の短い歴史は、王族間の生々しい争いに溢れていた。 病に倒れた劉裕(武帝)の後即位したのは、皇帝としての自覚の足りない、劉裕の長子劉義符だった。政治に興味のない劉義符(少帝)は、皇帝の立場だけを利用し、好き勝手に遊び回っていたことで、劉裕に仕えていた徐羨之や傅亮によって殺されてしまう。 劉義符が殺された後、皇帝となった劉義隆(文帝)は、十年以上の間、国を治めるが、自身の二人の息子、劉劭と劉濬に計られ、殺されてしまう。劉劭は父・文帝を殺した後、自ら皇帝となろうとしたが、文帝を殺された多くの臣下に恨まれ、弟の劉駿に討たれてしまう。その後即位した劉駿(孝武帝)だったが、帝となったとたんに残酷な性格を表し、多くの臣下を苦しめた後、酒に溺れ、三十五歳という若さで亡くなった。 孝武帝が死んだ後、まだ幼い長子劉子業(前廃帝)が即位したが、本質的に凶悪な心の持ち主であった彼は、在位して僅か一年足らずで多くの臣下を殺し、見かねた叔父の劉いくによって討たれてしまう。 劉子業を討った劉いく(明帝)は元々温和な人柄であり、始めは自身が在位したことにすら戸惑いを感じるほどであったが、やがて、皆が自分の思うように動くことに満足感を覚え始め、横暴な性格になっていく。その後、太っていたこともあって体調を崩した明帝は、臣下達に自分の後を継ぐ長子劉いくが、劉子業と同じようにならないよう面倒を見てくれと遺言を残し、そのまま崩御した。 明帝の後に即位した劉いく(後廃帝)は、まだ十歳の少年だった。明帝が心配した通り、彼もまた、劉子業と同じく残虐な人物に成長してしまい、明帝の臣下であった蕭道成によって討たれることとなる。その後、弟の劉準(順帝)が即位するが、明帝の頃から仕えていた家臣の一人、蕭道成という武将によって帝位を剥奪した。そして彼は「宗」ではなく、新たに「齊」王朝を建て、宗王朝の歴史に終止符を打ったのだった。

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  • 中国人の宗教意識(中国学芸叢書)
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【内容紹介・目次・著者略歴】 六朝隋唐期の中世600年に及ぶ時代を対象に、人々の日常に息づく「罪の意識」に光をあて、幅広く多様な中国人の宗教意識を見事に描き出す。儒・仏・道の三教に亙る広範な文献を渉猟しつつ、罪意識と贖いの儀礼を通して、中国社会に通底する宗教の深層構造を初めて本格的に明らかにした問題作。 【目次より】 序章 『後漢書』楚王英伝から I 静室 懺悔の場 一 静室の諸相とその展開 二 静室内のしつらえ 三 静室における儀礼 四 精舎と静室 五 請室と静室 俗から聖ヘ II 罪の懺悔 一 罪目 二 道教徒の懺悔 とくに王義之の場合 三 仏教徒の懺悔 とくに沈約の場合 四 王微の「告霊文」 III 償債と謫仙 一 輪廻応報の思想 二 禅録のなかの償債 三 『高僧伝』のなかの償債 四 道教における償債 五 謫仙 六 『高僧伝』神異篇 七 全真教の場合 IV 宗教に傾斜する心性 一 漢代人の遺言・遺書と沐並の「終制」 二 遺言・遺書のなかの仏教 三 皇侃の『論語義疏』 四 出家の動機 注 あとがき ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。 吉川 忠夫 1937年生まれ。東洋史学者。京都大学名誉教授。専門は中国中世思想史。 京都大学文学部史学科卒業、同大学院文学研究科を単位取得退学。 著書に、『劉裕』『王羲之』『侯景の乱始末記 』『六朝精神史研究』『中国古代人の夢と死』『秦の始皇帝』『書と道教の周辺』『古代中国人の不死幻想』『三余録』『中国人の宗教意識』『読書雑志』『顔真卿伝』『侯景の乱始末記 南朝貴族社会の命運』『六朝隋唐文史哲論集I 人・家・学術』『六朝隋唐文史哲論集II 宗教の諸相』『三余続録』など、 訳書に、『魏晋清談集』班固撰『漢書五行志』(共訳注)『弘明集 広弘明集』范曄『後漢書(全10巻)』(訓注)慧皎『高僧伝 全四巻』(共訳注)ジョゼフ・ニーダム『中国の科学と文明 第2・3巻 思想史』(訳者代表)などがある。
  • 劉裕 豪剣の皇帝
    3.5
    “史上最強”皇帝を生んだ下剋上! 1000人をこえる叛乱軍をたった一人で殲滅した稀代の剛勇の一代記。 貴族政治が民衆を苦しめた四世紀末の中国・東晋に歴史を激変させる男が出現。 その名は劉裕、貧しい家の出で食うために軍へ入った博徒だ。 戦地では先頭に立ち強敵を次々撃破。 出世すれども学はなく、政治に無関心。 規格外の男が剣の腕だけで切り拓いた道とは。 町の無頼漢から頂点へ。史上最強皇帝の一代記。

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