鴨下信一のレビュー一覧

  • 誰も「戦後」を覚えていない
    戦後の社会の状態をなましく語っている。食料を買出しに出かける都会の人たちの乗りつける列車の殺人的な込み合いかた、手入れする警察の杓子定規であることによる応用の利かない無様な姿。美空ひばりの歌が、アメリカ的なリズムで出来ていたとの指摘など、社会の関心事がどの辺にあったかが、具体的に解かる。戦後の混沌...続きを読む