姉の島

姉の島

1,899円 (税込)

9pt

85歳超えの退役海女たちは、後進の若者のために潜った海の海図作成に余念がない。カジメやアワビ、海底に突き刺ささる戦時の沈没船、水産大学校出の孫や嫁からきく天皇海山列と春の七草海山……円熟した作家による老女と潜水艦の異色冒険小説。

...続きを読む

姉の島 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年05月15日

    海の中を自分も潜っているような気になる不思議な小説。おばあさんの独り言で語られるのだが、退屈するどころか、リズムもよくてどんどん読み進められる。漁村の狭い集落が舞台なのに、主人公の若い頃の回想、戦争のこと、今はもういない人たち、友人、孫の妻などとの交流が描かれ、時間や空間を超えたスケールの大きさを感...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年12月22日

    長崎の離島で暮らす海女の物語。75歳を超えた海女は、畏敬を込めて、それからは年に2歳ずつ歳をとるという風習がある。75歳になった主人公の独白のような形式で物語が進行するが、日々の暮らしの話、海の底で見る幻の話、戦争の話、天皇の話など、多岐にわたる話が絡み合い、独特の雰囲気を出している。北の湖にある海...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年12月14日

    あまりこのジャンルの作品は読まないのですが、村田喜代子さんの作品は特別。
    今作は、八十五まで海女をやり切った者だけがなるという倍暦の海女たちの話。
    海の中の壮大な世界、戦争の遺したもの、年老いた海女たちが若い世代へと繋いでいくもの等が描かれている。
    倍暦海女の目線と言葉で綴られる、静かで力強い独特な...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年08月30日

    村田さんの作品を読むのは初めて。今まで読まずにきたこと、とっても損していたんだなーと慌てたような気持ちになった。
    アワビ漁の海女をしている85歳のミツルおばあちゃんのお話。小さな世界しか知らないようなおばあちゃんなのに、実は思いもかけない大きな世界へとつながる準備はもうすでに出来ていて、その扉がゆっ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年06月26日

    舞台が五島列島で主人公が老婆といえば『飛族』を思い出しますが、老いた体で両手を羽根にして飛びたたんとする幻想的な鳥踊りの『飛族』の世界に対し、この『姉の島』はひたすらに海中へ潜って行く物語です。
    主人公の雁来(がんく)ミツルは85歳。相方の小夜子と共に、この春に先輩のシホイ・千夏と同じ倍暦海女になり...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2023年04月08日

    パラレルワールドに飛ばされてその世界で住んでいるような気持ちで読んだ。
    九州の島で海女をやっていた女性。その島では海女は85歳を過ぎると倍歴といって、年を倍で数える。85歳は170歳だ。そして姉さんとして尊ばれる。
    姉さんたちは月に2回集まり、海図に情報を追加していく。どこでアワビがとれるか、どこが...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年10月02日

    年寄りの海女の生き様を孫に嫁に語るその想い。
    迫力を感じられる。
    海とともに生涯を過ごす。
    ラスト…海底につきささる潜水艦は、夢か幻か。。
    海に生かされ海に死す、ともいうべき凄みがある。

    0

    Posted by ブクログ 2021年08月30日

    85歳から海女は倍暦で数えるという。ミツルは仲間の小夜子と引退せす海女を続ける。彼女達が見せてくれる五島列島の島の生活や海の世界。沖に沈む遣唐使船から世界大戦の潜水艦や駆逐艦などの幻想の世界。二つの世界が混ざり海の世界がミツルの意識を飲み込んでいく。独特の語り、リズムと共に村田ワールド全開だ。

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2021年07月29日

    『飛族』に続いて島に暮らす海女の老婆により語られる本書。また老婆に魅せられた。
    85才ミツルに導かれて見た海の中は、地上と同じひとつの世界だった。
    海の底の山々に名前があることも知らなかった。古代の天皇の名前がつけられた天皇海山、春の七草海山や秋の七草海山には草や花の名がつく。海の中に咲く花、なんて...続きを読む

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2021年10月09日

    八十五歳を過ぎると「倍暦」になり170歳ってことになるとはね。
    海女のミツルばあさん、小夜子ばあさんのやってることもすごいけど。
    出てくる世界(海底の山脈とか沈んでいる潜水艦とか)もスケール大きすぎ。
    あと、孫のお嫁ちゃんの美歌、水産大学を出て海女になるのもすごいが、現代っ子ぷりもいい。

    0

姉の島 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

無料で読める 小説

小説 ランキング

村田喜代子 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す