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Posted by ブクログ 2022年05月15日
海の中を自分も潜っているような気になる不思議な小説。おばあさんの独り言で語られるのだが、退屈するどころか、リズムもよくてどんどん読み進められる。漁村の狭い集落が舞台なのに、主人公の若い頃の回想、戦争のこと、今はもういない人たち、友人、孫の妻などとの交流が描かれ、時間や空間を超えたスケールの大きさを感...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年12月22日
長崎の離島で暮らす海女の物語。75歳を超えた海女は、畏敬を込めて、それからは年に2歳ずつ歳をとるという風習がある。75歳になった主人公の独白のような形式で物語が進行するが、日々の暮らしの話、海の底で見る幻の話、戦争の話、天皇の話など、多岐にわたる話が絡み合い、独特の雰囲気を出している。北の湖にある海...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年12月14日
あまりこのジャンルの作品は読まないのですが、村田喜代子さんの作品は特別。
今作は、八十五まで海女をやり切った者だけがなるという倍暦の海女たちの話。
海の中の壮大な世界、戦争の遺したもの、年老いた海女たちが若い世代へと繋いでいくもの等が描かれている。
倍暦海女の目線と言葉で綴られる、静かで力強い独特な...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年08月30日
村田さんの作品を読むのは初めて。今まで読まずにきたこと、とっても損していたんだなーと慌てたような気持ちになった。
アワビ漁の海女をしている85歳のミツルおばあちゃんのお話。小さな世界しか知らないようなおばあちゃんなのに、実は思いもかけない大きな世界へとつながる準備はもうすでに出来ていて、その扉がゆっ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年06月26日
舞台が五島列島で主人公が老婆といえば『飛族』を思い出しますが、老いた体で両手を羽根にして飛びたたんとする幻想的な鳥踊りの『飛族』の世界に対し、この『姉の島』はひたすらに海中へ潜って行く物語です。
主人公の雁来(がんく)ミツルは85歳。相方の小夜子と共に、この春に先輩のシホイ・千夏と同じ倍暦海女になり...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月08日
パラレルワールドに飛ばされてその世界で住んでいるような気持ちで読んだ。
九州の島で海女をやっていた女性。その島では海女は85歳を過ぎると倍歴といって、年を倍で数える。85歳は170歳だ。そして姉さんとして尊ばれる。
姉さんたちは月に2回集まり、海図に情報を追加していく。どこでアワビがとれるか、どこが...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年07月29日
『飛族』に続いて島に暮らす海女の老婆により語られる本書。また老婆に魅せられた。
85才ミツルに導かれて見た海の中は、地上と同じひとつの世界だった。
海の底の山々に名前があることも知らなかった。古代の天皇の名前がつけられた天皇海山、春の七草海山や秋の七草海山には草や花の名がつく。海の中に咲く花、なんて...続きを読む
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