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太平洋を航海しながら寄港先で興行を行なう移動サーカス団〈サーカス・クイーン号〉。団長の不可解な死を皮切りに、サーカス団員たちは災難に巻き込まれていく。マニラから乗船することになった大学教授のハントン・ロジャーズ教授が事件解決に乗り出す。
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Posted by ブクログ
本作は大学教授を探偵役に据えるシリーズ作品の第八作目。既翻訳本の「ミステリ講座の殺人」はそれの二作目にあたるとのこと。特にシリーズ通しての繋がりはないようなので安心です。 舞台は世界を航海しながらサーカス巡業を行う<サーカス・クイーン号>。その団長がゴリラの檻にて死んでいました。 誰しもが事故だ...続きを読むと思っていました、事故以外の可能性を捨てていました。 しかし巡業先で曲芸師の一人が演劇中に大怪我を負い、船内に潜む悪意を感じ取った探偵役達は団長の死が利権狙いの殺人だったのではないかと動き始めます・・・。 汚点ばかりというわけではないのですが色々と淡々としています。 まず登場人物の台詞に難あり、普通の会話はともかく何かを説明するときの機械的な言動がひっかかる。 短い掛け合いはそれでそれで読みやすい時もあるんですけどね。 世界を廻りながらの事件なので事件と事件のスパンが長い。登場人物もかなり冷静で緊迫感のようなものはあまり感じられません。 本作は1940年刊行ということで普段読むミステリとは色々と違った趣を感じられました。 今世紀、世に出回ってるミステリがトリックの大胆さ精緻さ、技巧と装飾を競っているのなら本作は評価に値しないでしょう。 私がこれを読んで感じたのは本来の捜査や推理ってこういうのが普通だよなぁ と、はなから密室殺人や動機のない殺人(交換殺人等)を考慮して動くのは小説の中だけだよなぁ と、・・・これも小説ですが。 一方で事件に並行してある男女の悶着が起きますが、その男女の想いの揺れの描写は今も昔も変らないようなのがまた面白いのです。
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