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1940年、アメリカ。小さな町のお嬢様ヴィヴィアンは、大学を辞め、NYのショーの世界に飛び込んだ。華やかで刺激的な毎日。だが、それは突然終わる。彼女の過ちが、街中を騒がす醜聞になったのだ。恋人も友達も居場所も失い、彼女は初めて自分と向き合う
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Posted by ブクログ
ヴィヴィアンという90歳近い主人公が、アンジェラという女性に手紙を書く形で物語が語られる。 この2人の関係が、最後のほうまで謎だったが、そこがいい仕掛けになっていると思った。 ヴィヴィが一番馴染めない堅物のオリーヴ。でも彼女の行動力や格言が、大事な転換点になっていたのも興味深い。 「名誉の戦場は痛み...続きを読むを伴う場所なの。」 心に刻んでおきたい。
登場人物がもれなく全員素晴らしい。人間味にあふれていて魅力的で、1番好きな人を決められない。 私はもちろんこの時代を知らないし、NYという街も知らない。なんとなくSATCを思い出した。ちょっと違うけど。でももっとうんと前の時代の話ってことは、なんて前衛的なんだろう。 なによりも、世界は”ただそこ...続きを読むにある”。 そのことを描いた作品に出会ったのはこれが2回目。私はそういう世界の捉え方をする物語が大好きなんだよな〜。 物語の大筋とは別に、日本の真珠湾攻撃がアメリカ側の視点で、しかも戦場の話ではなく一般市民の目線での戦争の影響が語られるのもなかなか考えさせられた。カミカゼについては描かれるが、原子爆弾については一切触れない辺りも興味深い。もちろんカミカゼはストーリーに関係あるが、原子爆弾は関係ないので出す必要がそもそもないけども。
控えめに言っても最高な一冊。 どうして2021年になるまでこの本が存在しなかったのかと責めたくなるほど、これは女として生まれたからには避けては通れないバイブルのような一冊だ。 嫌悪する人もいるだろうし、うんざりする人もいるかもしれない。でも目を逸らせないだろう。 だって、ヴィヴはわたしたちが目を背...続きを読むけたものをすべてから目を逸らさず、そして思うままに生きている。 取り返しのつかない失敗を経て、彼女はようやく自分になれたのかもしれない。 あの時代にこんな風に生きた人がいるなら、それならば、21世紀に生きる私たちが日和ってる場合ではない。 曲がった世界で、自分を見つけて自分の人生を生きていかなくては。 叶うことならヴィヴと友人になってみたかった。
ものすごくよかった。今年のベストワンかもっていうくらい。とっても好み!! 1940年代のニューヨーク、素行不良で女子大から追い出されたヴィヴィアンは、ニューヨークで劇場を営む叔母ペグのもとで暮らすことになり、衣装係をしながら、ショーガールたちなどと自由奔放に遊びまわり、やがて大女優エドナがやってきた...続きを読むことではじめた新しいショーが大当たり。前半のこのあたりは、ニューヨークの話で、ショービジネス界の話で、個人的に好きな要素がたくさんなのですごく楽しく読んだ。新作のショーがだんだんつくりあげられていく過程にわくわくして、いよいよ初日の幕が上がるとき、舞台裏で脚本家兼演出家のビリーがするスピーチに感動した。「観客を先に愛せば、観客はきみたちを愛してくれる」。まるで自分もその舞台裏にいるような、そういう舞台裏を知っているような、暗い舞台袖とかまぶしい照明とかが見えるような気さえした。 そういうキラキラした話が続くのかと思っていたら、でも、そうではなくて、そこにちょっと驚いた。まさに青春のきらめきのなかにいたようなヴィヴィアンが、スキャンダルを起こして困った立場になり、逃げるように実家に帰る。 このときのエドナの言葉がひどかった。「あなたは絶対にひとかどの人間にはなれない。あなたがどんなに苦労してたいせつなものをつかもうとしてもけっしてうまくいかない。あなたは何者にもなれない」。若者に向けて言うこんなにひどい言葉がある? こんなこと言われたら生きていけない、と読んでいてものすごくショックで、読みながらずっとあとをひいていて、いつか和解する場面とかがあるのかも、と祈っていたけどそれはなく、それもなんだかショックだった。どんなに悔やんでも時が経っても許されないこともある、癒されない傷もあるってことなのか、と。だいたい、エドナ、なんでそこまでに怒る?って気もするんだけど……。 敬愛するエドナにそこまで言われ、大好きだった劇場を出て、恋人も友人もなくしたヴィヴィアンは傷つき深く落ち込んで、しばらく実家でまわりの人の言うなりになって無為な暮らしを続けるんだけど、やがて叔母ペグが迎えにきてニューヨークに戻る。戦時中ということもあってそこからは地道に生活して、そのうち友人とウェディングドレスをつくる仕事をはじめる。 前半のショービズだニューヨークの夜だっていうキラキラ感もよかったけど、後半の、ヴィヴィアンが堅実に仕事をして自分の生き方をつかんでいくっていうところがすごく好きだった。淡々と静かでしっとりした感じがあって。 そもそも、ニューヨークで自由に生きていく、とかいうと、やりたいことがあって情熱があって邁進する、みたいなイメージだけど、ヴィヴィアンの場合は、やりたいことも計画もなく、むしろなにをしたらいいかどうやって生きていったらいいかわからない感じで。ウェディングドレスをつくる仕事をはじめるのも友人に誘われてのっかる形でうまく進んでいって、正直うらやましいと思ってしまった(笑)。そういうのも才能とか人格とかなんだろうか……。 自由に生きる、っていう意味をすごく考えさせられた。それはよく口にされるけど、そう簡単なことではないと思っていて。自由に、ってどういうこと? 自分の好きなことだけしてなににも縛られず、ってこと? それですごく心に残ったのが、「臆病者だろうが酒浸りだろうが不誠実だろうが信用できなかろうが、どんなに欠点があっても、それがなに? それになんの意味が? なんの意味もない、そういうものだというしかない」。というヴィヴィアンの言葉。自由に生きる、っていうのはそういうことかなと思ったりした。そしてなんだか勇気づけられた。そういうことをめざして生きていけばいいのかな、とか。もちろん、そういうものだ、って思えるようになることが最高に難しいんだけど。 この小説、年をとったヴィヴィアンが、ある人の娘に向けて過去をふりかえって手紙を書く、という体裁になっているんだけど、その「ある人」、娘の父親はだれか、っていうのが謎になっていて。だれのことだろう、どういうことだろう、と思って読んでいくのもよかった。予想しなかった展開になって、予想しなかったような人物が出てくるところがおもしろかった。 あと、わたし、普段はキンドル派なんだけれど、この本の装丁の色合いとか表紙のニューヨークの街角の絵とかがすごく好きだと思って紙の本を買った。この絵ほしい。。。
パワー・オブ・ザ・ドッグの凶悪な犬の力に続き、ブロークバック・マウンテンから吹きつきける荒々しい風が私の心をものすごい力で持ち去ってすっかりカラッポにしており、正直に言って今はニューヨークの気分なんかじゃ全然なかったのですが(もっとカウボーイくれ!という気分だった)、しかし他に読むものがなかったので...続きを読む、しぶしぶ気持ちを切り替えて読んだ。 でもこれも良かった! ★ひとつマイナスなのは、たぶんまだブロークバック・マウンテンの世界をちょっとだけ引きずっているせいで、ラストの方で主人公が長々と語る性衝動の「闇」に対する記述がいかにもこの著者らしく説明過多で嘘くさくてちょっとカンに触ったからで(この著者は性衝動に対して罪悪感があるのか、いつもくどくどと説明し過ぎるところが難点)、もし違う時期に読んでいたら、★5つの本だったかもしれない。 いろんな人が現れては消えていく話なのだけれど、その中で、ペグの夫ビリーと、完璧な兄のウォルターの二人の描写がとても良かった。エドナの最後の冷たい仕打ちの描写も良かった。 著者は、仲良しの関係よりも、一筋縄ではいかない相手にすり寄っていって拒絶されるところを描くのが非常にうまいと思った。 自分が人生でそういう苦い経験をした時に作家の目で観察しているんだろうか。 お兄さんとの関係は特にリアルに思えた。私には完璧な兄はいないので、本当にリアルかどうかは分からないんだけれど。 最後の方の 「みずから招いた災難しか知らない人は幸いなり」 という文に、ドキリとした。 私もそうだわ、と思った。 過去ひどい目に遭ったと思うことはほぼ全部、自分のウカツさが招いたことだと思う。たぶん。 そうか、それは幸運だということなのか、と改めて思った。 最後の訳者あとがきで、この本を書いているときに著者の周辺で起こったことが短く述べられていたが、それはまるでまったく別のCity of Girls話をもう一つ読むようだった。ちょっと驚いた。 古い時代だけじゃなく、今の時代にもいろいろと語るべきことは尽きないなぁ、と思う。
怖い物知らずの若い時代。失敗と後悔と恥。誰の人生も真っ直ぐではなく全てが不公平だ。でも本書の登場人物たちは、みんな生き生きと自分らしく生きている、その姿に勇気付けられる。
びっくりした。最初のほうはバブリーでキラキラでイケイケの酒池肉林で、正直、どこまでこれに付き合わされるの〜?!とちょっとウンザリ気味だったけれど、後半からのこの濃密さはなに。人生の楽しさ、喜びと、苦しさ、切なさ。その両方があっての重さ。そう、「この世界はまっすぐじゃない」。
1940年代の米国、地方の裕福な家庭に育ち有名女子大に進んだヴィヴィアンは大学を退学になり、ニューヨークで劇場を経営するペグ叔母さんの元へ放り出される。売れないミュージカルを劇場に住み込むダンサーたちと上演しながら、自分たちの思うままに暮らす叔母さんたちと仲間たちに魅了されヴィヴィアンはニューヨーク...続きを読むを奔放に遊び回る。祖母から受け継いだ裁縫の腕を活かし、舞台衣装を作成の才能も開花させる。裕福な劇場ではないが、仲間と愉快に華やかに過ごしていたが、英国に帰国できなくなった有名舞台女優が転がり込んできたことからペグ叔母さんの劇場は一変し、ヴィヴィアンはスキャンダラスな世界へ引き込まれていく。 全体は、2010年に80代になったヴィヴィアンがアンジェラという女性にアンジェラの父親との関係について語る長い長い手紙、という形式になっている。現代でもヴィヴィアンやその仲間たちの行動はすごいのですが、第二次大戦の頃と思うとただただ驚かされる。 最後に出会ったアンジェラの父親との関係は、心穏やかにさせてくれる。そして、さまざまに影を落としている戦争の、そして対戦相手としての日本の存在を忘れてはならない。 最後の方の説明で、どう考えても誤植がありちょっと戸惑う。早川書房の校正でも見落としはあるのか!
煌めくショービズの世界にすとんと嵌まり込む田舎出の娘。やりたい放題の生活にも何かしら自分への正当性を主張してる。ある出来事さえ、男は咎められないのに何故女性だけが?と他人を傷つけた事より現状の生活を疎んでる。ここからどんな共感が得られるのかと思ったが‥前半の眩しい位の煌めきと後半の地道な生き方のコン...続きを読むトラストが見事だった。勝手にハリウッド女優を当てはめながら読んだ。
雑誌「VERY」のシスターフッド特集の中で紹介されていた1冊。 読み始めたら止まらない。特に中盤からぐいぐいひきこまれる。1940年代のニューヨークを舞台に、自らが世界の中心であることを証明するように、嵐のような生活をするヴィヴィアン。若さゆえの自分本位の言動に居心地の悪さを感じる前半。しかし、あ...続きを読むるスキャンダルにより二度と癒されない傷、取り戻せない信頼があることを知った彼女。自分を見つめなおし、彼女を愛する周囲の人々との生活のなかで培った、彼女らしい生き方考え方に元気づけられる。 ヴィヴィアンが、自分を責めるフランクに対して「あなたが役立たずだっていうのが事実だったら、それがなんだっていうの?」「それって重要なこと?」と言い放った言葉が印象的。世界はまっすぐじゃなく、だれもがそれぞれの業を抱えて生きていて、いろんなことが人生に降りかかる。公平じゃないことも、人生に降りかかる。でも、だからなんなの?と言い切れる彼女の強さ、潔さはとても清々しい。
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