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私たちの親が信じたのは、オウム真理教、エホバの証人、統一教会、ヤマギシ会だった……。ごく普通の家庭にカルト宗教が入り込んだとき、子どもはどんな影響を受けるのか。教団のなかで、家庭で、何が起きているのか。カルトの子どもたちによる壮絶な証言の記録。
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Posted by ブクログ
20年代に発刊された本なのかと思いきや本ルポが発刊されたのはなんと20年前だという。それでもこの我々が見落としてきた事件の数々と犠牲になってきた子供たちの姿は何なのだ。 マスコミは一時的な熱狂によって報道はするが、その後を報道しようとしない。結局、スポンサーありき、注目ありきの事だからなのだが……。...続きを読む 閑話休題。 カルトによって人生を奪われた二世の人生は壮絶で大きな悲しみに溢れている。このようなルポが注目を集めて国を動かしてもいい。新興宗教の動向が注目を集めている昨今、重要な一冊である。
オウム真理教、エホバの証人、統一教会、幸福会ヤマギシ会、ライフスペースの子供たちを取材した本。 カルトに出家した親に同行した子供たちは社会から隔離され、暴力によって支配されるか育児放棄される。栄養状態も悪い。それらの弊害が学力不足、平均以下の体格、そしてとりわけ深刻な情緒面の不安定さとなって表れる...続きを読む。カルトで隔離されて過ごした期間は子供たちにとってトラウマとなる。対人関係がうまくできず社会に出ても孤立しがちで、学力がないから低賃金の職業にしか就けない。そもそも社会に出られず引きこもってしまうケースもある。 子の欲求に親が応えるのが通常の親子関係だとすればカルトの親子関係は親の欲求を子供が満たす逆転したもの。常に犠牲となるのは弱い者だ。エホバの証人と幸福会ヤマギシ会における虐待の実態には胸が悪くなる。我が子がこんな目に遭っているのに洗脳が解けない親は救いようがないがそのまま覚めない方が幸福なのかもしれない。 自分の家庭を崩壊させたり家族を不幸にしたりしている人間が世界を救うなんて笑止千万という気持ちにもなった。
米本氏の体を張ったであろう取材に、 緊張が伝わってきます。 エホバの証人 ヤマギシ会 統一教会 宗教2世の実態を知りたくて読み進めましたが、 親の見解と判断が弱さであるとするならば。 虐待をも良しとするエホバの証人やヤマギシ会、 そして、結婚の自由や金銭を奪う統一教会により、 親を人質にとられ...続きを読むた選択を強いられる子どもは 普通の子どもとはいえるのでしょうか。 読んでよかったし、親族にもエホバの証人に誘われた事があった人がいたことを思い出す。 子どもへのいかなる暴力は許されない
表紙を見てギョッとしたが、とても興味のある分野だったため手に取った。 どの章も読んでいて胸が痛んだ。カルトの子が背負う現実はあまりにも想像を絶するものだった。本来、子どもが誰しも持っている権利がどこにもない。そして暴力が正しいとされていることが何より怖かった。目の前にいる自分の子どもへ愛情を注がずに...続きを読む、神や楽園、幸福など目に見えないもののために必死になる。それが私には信じられない。 でも実際にその渦中にいたら自分もそうなってしまうのだろうか。正義が逆転していても違和感を感じなくなるのだろうか。 たくさんのことを考えさせられた。子どもが受ける暴力の中に宗教が関係している場合もある、ということを知ることができた。この本で取り上げている宗教は、私は全く理解ができない。だが理解はできなくても知ることはできる。視野を広げて子どもの声を聴くことができる。 時間を置いてまた読み返したい。
私がここに書かれている宗教の「カルトの子」当事者だからかも知れませんが「もしカルトの子に生まれてくると分かっていたら生まれてきたかっただろうか」という文章に関してはあまり感心しないというか、同意できるものではありませんでした。 他人に対して「不幸」を勝手に定義するのもどうかと思うし、更に「不幸な...続きを読む子供は生まれても来ない方が良かった」という考えは危険な香りさえしました。 個人的には、なんだかんだ、生まれてくればこっちのもんだと思っています(笑)。もちろん、そう思えるようになったのは、他のスピ系の本や、般若心経、荘子、スピノザといったものに出会えたからかも知れません。私はラッキーだっただけとも言えるので、他の「カルトの子」は全員そうもいかず、今ももがき苦しんでいる人がいると思うといたたまれない事は確かです。それこそこの本を読んで、「やっぱり生まれてこない方が良かった」なんて思いを強くしてしまう人がいるのであれば、それこそが一番不幸かなと思ったりしました。あ、私も他人の不幸を定義してしまったわ(苦笑)。 そんな風に著者の一文に自分自身の存在を否定されて心が傷つけられながらも、この著者は比較的中立の立場でルポを書かれているので、一定の安心感があります。世間の人から理解されないという無力感には慣れているところもあり、私の場合は、そういうのを差し引いて読む必要がありましたが、少なくとも私の出身宗教に限って言えば、実情をよく取材されて向き合って下さったなと思います。
親でなく、カルトの子どもという立場を取り上げて書かれているので内容は読んでいてすごく辛かった。 自分が幼い頃、近所にはエホバが。就職してからは職場近くにヤマギシがあった。 どちらも宗教団体と分かっていたが、こんなに子どもがつらい思いをしている場所と言うことをこの本を読むまで知らなかった。 安倍さんの...続きを読む事がきっかけでこの本を読んだのだか、知らない事を知るというのは大切だと思う。
カルト集団(オウム、エホバの証人、統一教会 ヤマギシ会)に入信した信者の子供たち(二世)の環境をレポート。 親が入信する中、子どもには選択肢はなく、入信となる。 親は、教団の教えが最優先、次々と教団の最優先の事項に対応し、子どもに構う暇はない。 子どもには本来の親のような愛情がなく、場合によって...続きを読むは隔離されたりするか、激しいしつけをされるかなどそれぞれの環境は過酷。 エピローグに記載があった以下フレーズが印象に残る __ ところが、これまで見てきたカルトの親子関係は、親の要求を子どもが満たすという歪な関係になっている。 カルトが入り込むと、子どもより世界救済(オウム)、地上の学園(エホバの証人)、地上天国(統一教会)、全人幸福社会(ヤマギシ会)の方が絶対になるから、親子関係が逆転する。この逆転した関係を子どもが従順に受け入れ、親に合わせた生き方をすれば立派なカルト二世になっていくし、拒否すれば親子関係は「断絶」する。 ある日突然、自分のことを絶対だと思っていてくれたはずの親がカルトに入る。子どもの眼に、親はどう映るのだろうか。 __
エホバの証人って何者?と知るのであれば本書よりふさわしいものはないだろう。今はデザイナー的な仕事(間違ってたらすみません)を行っている著者は9歳から母親が信者になったことで運命が決まり、家族の価値観全てが証人の世界となって大人になり、そしてある日電撃的啓示を受けて証人のマインドコントロールから抜け出...続きを読むすこととなる。 とりあえず本書から知ったこと、感想を列挙 ・エホバの証人は他の新興宗教系からイメージするものとは違い、本当に真面目で、誰か教祖的な存在が信者から金を巻き上げるものではない。なにせ学歴を否定して、信者には信者を増やすための活動をするためには新聞配達などの自由な時間が持ちやすい(しかし金にはならない)仕事がいいと勧めるからだ(今違うらしい、本人は本部の方針転換に後に怒っている) ・エホバの証人にとっては彼らが考える「聖書に提示された行動規範」より正しいものは存在しない。恣意的な解釈であることも明らかなのだが、そのせいで子どもたちは母親にお尻をムチで叩かれることが多い。 ・その行動規範の中には例えば性行動の否定もあり、婚前セックスなど全くありえない価値観である。ロックも駄目なら映画も基本的には駄目。文化的にはかなりお寒くなるため、信者同士の会話は信仰をどう守るか、守れないのはサタン(そう悪魔がいるのよね)の仕業だという内容に終始することとなり、非常に中身が薄い。 ・良い点を挙げるとすれば、世界中に張り巡られた信者ネットワークである。従って信者は世界中どこに転居しようとも、そこにいる信者たちの歓待を受けられる。そのために、付き合いも家族くるみとなり、現代の通常の生活ではありえないほどの知人の数を持ち、しかもその付き合いが基本的に有効的。これは見知らぬ町で新生活をスタートするにあたって大きな安心感となるだろう。当然信仰生活を守るという点があってこそだが。 上記知ることができただけでも本書は秀逸であり、実際この体験談を通じて証人生活を脱退する人も多いらしい。 私個人的にはキリスト教の学校で育ったので、もともとエホバへも知識と偏見と両方あったのだが、非常に興味深かった。とはいえ、「聖書」って人が書いたもので、かつ福音書とか矛盾だらけですからね。なんというかその「人が想像で書いた書物」を信仰することへのナンセンスになぜ皆思い至らないのか、とは思ってしまうんですよねえ。それと著者の信仰廃棄のきっかけが江原智之のスピリチュアル世界だったりするので、あぁ科学的思考とかじゃないんだ?とちょっとその点気がかりではありました。 「霊的なるもの」から逃れられない記述が目立つのでその点で星4つ。
非常に興味深かったです。 オウム、エホバの証人、統一教会、ヤマギシ会で生まれた子供達の当時の生活、そこから抜けてからの今。 宗教に関わらず、親のある強いイデオロギーが子供に与える影響を知れる。
名前だけ聞いたことがあり宗教団体だということしか詳しくは知らずにいましたが読んでみたら深く考えさせられた。
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米本和広
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