ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
6pt
35年にわたってパキスタンとアフガンで人道支援にあたった中村哲医師の生涯をたどりながら、その生き方、考え方を伝える。
アプリ試し読みはこちら
Posted by ブクログ
伝記として、戦争と平和を考える資料として、地球温暖化を考える資料として、宗教を理解する資料として、地理や政治を考える資料として、大きくSDGsを学ぶ本として。何度でも読み返したくなる本です。
アメリカがつくるB1爆撃機は一機で2000億円するそうで、それは、重症の新型コロナウイルスの患者を救う人工呼吸器が1万台も買える値段になるそうです。 戦争は一部の人たちだけがしているのであって、ほとんどの人たちが関係ないことは、自分の国で起こったことで知っているはずなのに、他国のことになると、一般...続きを読む的に流れるニュースの内容だけで判断してしまっていた自分が、本当に恥ずかしい。 アメリカのナショナリズムにしても、湾岸戦争にしても、アフガニスタン問題にしても。 私が、アフガニスタンのことを、もっと知りたいと思うきっかけになったのは、小林豊さんの絵本、「せかいいちうつくしいぼくの村」でした。 そこに描かれていた自然や夕焼けの美しさに、何か共感できるものを感じ、世界は繋がっているんだなと思ったのが、印象深いです。 本書で取り上げられる中村哲先生の、アフガニスタンにおける活動は、施しなどの一瞬で完結するものではなく、そこで生きていかなければならない人びとの目線に立った敬意と思いやりをもった、人びとが自立できるようにするための活動でした。 それは、用水路を建設して農地をつくり、食べ物や仕事を確保することで、貧困の回復に加え、生活するために武装集団に入らなくてもよくなったり、農業や技術を教える学校の建設に、自分たちだけでも継続できるような配慮を感じ、更にマドラサ(イスラム社会で伝統的な学校)の建設には、人びとの文化や誇りを回復させることの大切さ、古くからある、その国の人たちにしか分からない伝統文化を重んじる姿勢を感じました。 また、砂漠を緑化して農地をつくる考えには、アフガニスタンだけではなく、地球環境全体の未来にも関わることで、改めて、今後の自然と人間の関係を教えてくれましたし、堰の土木工事に、蛇籠と、川端にヤナギの木を植える日本の伝統的工法である、『柳枝工(りゅうしこう)』が使われていたのは、やはり世界の繋がりを感じさせられ、こんなに離れた場所で日本の伝統が役立っているんだなと、表現が適切か分かりませんが、誇りに思いました。 そして、何より最も印象的だったのは、中村先生のアフガニスタンの人びとに対する姿勢で、どこか先進国の見下したような行動(武力行使や制裁)ではなく、それこそ古くから日本人が持っている、他人の気持ちを推し量る、人情や優しさ、思いやりの姿勢で接しておられることに、真に頭が下がる思いがいたしました。 何者かの銃弾に倒れたという事実には、ひどく哀しい思いをしましたが、アフガニスタンの人びとの心には、永遠に中村先生の気持ちは残ると感じました。 それは、アートロードが中村先生の業績を称える壁画を、カブールとジャララバードに描いたことや、生まれてきた赤ちゃんに「ナカムラ」と名づけたことや、WESAの運動場を「ナカムラ運動場」と名づけたことなどからも分かると思いますし、食べ物をあげたのではなく、食べ物をつくる方法を与えた中村先生の支援は、半永久的に繋がっていくものだと思うからです。 最後に、中村先生の生き方を実感させられたようで、とても印象深かった、アフガニスタンの詩人、ルーミーの詩を掲載します。 この方の詩、もっと読みたいのですが、ネットで探しても見つからないんですよね。 さあ、行くがいい、そして助け手となれ あなたの助けを必要としている者がいる 案ずるな、時は常にあなたに味方しよう 時は決して恩を忘れたりしないだろう 全ての者がいつかはこの世から立ち去る 富も財産も、あの世へはもっては行けない あなたもいつかはこの世を去る日が来る その時の、現世の置き土産には富よりも たった一つの善行のほうがはるかにまさる (西田今日子訳)
忘己利他 自分の損得や幸せになりたい気持ちは置いておいて、他の人が幸せになって得をするように努めなさい。
中村医師の活動の解説と平和について 日本はアメリカの属国と言われるような状況で、親米国以外からの日本の評価を伺えて勉強になる。 ただ、映画「荒野に希望の灯をともす」を観て中村医師の言葉や生き様に触れようとした自分にとっては、もっと生き方について書かれていることを期待してしまった。
小~中学生を対象にしたであろう平易な文章で、故・中村哲医師の功績と現代の政治への憂いが書かれている。中村さんの活動について詳しいことは全く知らなかったので、とても勉強になった。また、アフガニスタンがどうしてこのような状況になったのかについての歴史的背景が、分かりやすく説明されているのも良かった。私も...続きを読む人のために生きるということがしたい…。 ただし、女性の人権問題への言及がほぼない(この論点を問題視していない)のと、現代の政治についての語りが長めなので、★マイナス。あなたの意見に興味はなくて、中村さんの功績だけでいいのよ。
レビューをもっと見る
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新刊やセール情報をお知らせします。
武器ではなく命の水をおくりたい 中村哲医師の生き方
新刊情報をお知らせします。
宮田律
フォロー機能について
「ノンフィクション」無料一覧へ
「ノンフィクション」ランキングの一覧へ
アメリカ・イラン開戦前夜
アメリカのイスラーム観
イスラムがヨーロッパ世界を創造した~歴史に探る「共存の道」~
イスラム10のなぞ 世界史への招待
イスラム超過激派
イスラム潮流と日本
イスラムに負けた米国
試し読み
イスラムの人はなぜ日本を尊敬するのか
「宮田律」のこれもおすすめ一覧へ
▲武器ではなく命の水をおくりたい 中村哲医師の生き方 ページトップヘ