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天皇は古代より連綿と代を重ねてきた。壬申の乱、承久の乱、南北朝動乱などの激動を乗り越え、その系譜は千年以上にわたって続いている。皇位継承はどのように行われ、どう変質をとげたのか。時の権力との関わりはいかなる推移をたどったのか。記紀に記される初代神武天皇から平成の天皇までの百二十五代と北朝天皇五代の生涯と事績を丹念に叙述する。皇統の危機を論じた新稿を収録し、巻末の系図・年表を更新した決定版。
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Posted by ブクログ
日本史学んでいる人で天皇をマスターしたい人にオススメ 中公新書の中で一番好きな本です 系図、年表も載っているので便利です
本書は、ある親戚の方のお宅にあったものをお借りしていたが、書店で増補版が発行されていると気づき、あらためてそちらを購入したもの。 神武天皇以降、今上天皇に至る歴代の天皇についてそれぞれの事績等がまとめられている。日本の歴史を最初から現代まで一通りおさらいする感覚にもなるし、一方で、知識として知っ...続きを読むていた以上の内容も得られたものと思う。 もちろん、日本史の授業などで知識はあったはずだが、次の皇太子や天皇の決定をめぐっては、皇族だけではなく、時代時代の権力者たちが強く介入してきたのだということが、あらためて読み取られた。イメージとしては、時の実力者たちの影響で天皇が実質的に交替させられたり、または皇位を得んがために権力者にへつらう皇族たちがいたというのはショッキングだが、ある意味そうしたことが可能であったからこそ、天皇という存在自体は変わらずずっと存在し続けてきたということなのかもしれない。 著者は、継体天皇の章など古代では、別の王朝に置き換わった説があることも示唆していたし、道鏡などの危うい例はあったのかもしれないが、それでも、血統という正当性なしに皇位を簒奪し得た者がこれまでいなかったというのは、興味深いことだと思った。史実を述べている本なのでその必要はないはずだが、読んでいて皇位の継承が危うくなりそうになるとなぜか少しはらはらするような感覚があった。 また、女性天皇も江戸時代以前には少なからず実例があり、また女性天皇の即位には、時代に皇位を継承するためのいわば中継の役割というのか、実際上の必要性があったものと思われた。 天皇をめぐっては色々な意見や議論があるものと思われるが、どのような考えを持っているにせよ、本書をつうじて天皇という存在の独特さについて、その一端でも理解できたようにも思う。本書は、いわば天皇制をキーワードに日本の歴史を概観しており、観点がばらついていない分、理解がしやすかった。
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歴代天皇総覧 増補版 皇位はどう継承されたか
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笠原英彦
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