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鎌倉時代の歌会の記録であり、裏面が万葉集の書写に利用された「春日懐紙」。現存の史料を綿密に調べ、利用法の詳細を解き明かす。
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Posted by ブクログ
冒頭の解説がとてもありがたい。「和歌懐紙は、歌会に出席した人たちが与えられた歌題に従い、自分の歌を書き記して会に持参したものである。歌会が終われば、使用済みになるので、その紙の裏を他資料の書写に利用したと考えられる。」こんなことさえ知らないままこの本を読み始めたわたしには、どれほどこの文が役立ったか...続きを読む! ここをスタート地点として、春日懐紙とは何か、表面の和歌の筆者はどういう関係者かといった文学史的な事から、裏面の万葉集写本の連続性から表面は筆者毎にまとめられていたようだ、裏面を利用するにあたって用紙を濡らして叩いて再利用しやすくするがその際に転写(「墨映」)されることで未発見部分の歌が判明する、などなどと、芋づる式に面白いことが引き出されてきます。 研究っていろいろあるんだなあ、面白いなあ、と思わせてくれる良い本でした。ありがとうございました。
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田中大士
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