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第34回講談社エッセイ賞受賞作家こだま
場所と記憶をめぐる、笑いと涙の紀行エッセイ
「俺はたった今刑務所から出てきたんだ」
私たちは「えっ」と発したまま固まった。刑務所と監獄博物館のある街特有の冗談だろうか。膝の上に載せた「かにめし」に手を付けられずにいた。(中略)
別れ際、おじさんが「これやるよ、餞別だ」と言って渡してきたものを広げてみた。それは首元や袖口の伸びきったスウェットの上下だった。
第34回講談社エッセイ賞受賞のエッセイストこだま、待望の新作は自身初となる紀行エッセイ。
どの場所でも期待を裏切らない出来事が起こり、そして見事に巻き込まれていくこだま。笑いあり、涙あり、そしてドラマチックな展開に驚く内容も。
網走、夕張、京都などにとどまらず、病院や引っ越し、移動中のタクシーなど「自分と縁のあった場所」について全20篇を収録。
Posted by ブクログ 2022年06月01日
こだまさんの旅にまつわるエッセイ
色々あっていま少し心がだめになっているので読書なんてとても無理だと思っていたけど、こだまさんの文章には癒しとか元気づけとかはない(と私は思ってる)のにするすると体に沁みるので問題なく読めてしまった。もっとゆっくり読むつもりがページを捲る手が止められなかった。
「凍え...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月06日
人間関係に疲れていました。
そんな時、以前の仕事繋がりで知り合った方から
勧めてもらった本です。
いくつもの、著者のエピソードを描いたエッセイ。
読んだ後、「なぜ、自分ばかりが不幸なのだと自惚れていたのだろう」
「自分の捉え方で人生っていくらでも明るく見えるんだ」
そう思いました。
この本をきっ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月01日
待ちに待ったこだまさんの新刊。
読んでいる時間は、たまらなく幸せな時間だ。
書き下ろし以外のエッセイはサイトで読んでいたけれど、やはりスマホで読む横書きの文章と、紙の本で読む縦書きの文章では、自分の中に入ってくる感じが全く違う。こだまさんの文章は絶対に紙で縦書きでじっくりと味わって読みたい。
相...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年02月17日
前作「いまだ、おしまいの地」でこだまさんの文章に惹かれ本作も手に取る。
『場所と記憶をめぐる、笑いと涙の紀行エッセイ』の説明通り、クスっと笑えるものから、胸が詰まる哀しいエピソードまでが丁寧な筆致で描かれている。
大人になってから自分の両親と三人で様々な場所へ旅するこだまさん。
良いな、羨まし...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年03月21日
旅を通して見た風景、そこから過去へ未来へと派生していくのがただの旅エッセイではなくて面白い。
あのときは分からなかったこと、許せなかったことが月日を経て溶けていき、あのときは何でもなかった瞬間が自分にとって大切な記憶になっていくのが素敵。
ただ生きてここにいる。
それだけで誉めてあげたい気持ちにこだ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月11日
個人的に旅は退屈になりがちだ。
ガイドマップに載っている名所を巡るのは情報を消費しているだけに思ってしまうし、
かと言って全然知らない路地に行って何か発見するほど感性が研ぎ澄まされているわけではない。
というのは極論かもしれないけど、まあそんなような事を思っている。
そういう意味では本作「縁もゆか...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月21日
サイン本だったので思わず買ってしまった。
ユーモラスな言い回しにも関わらず、一貫して曇り空の冬の海辺のような、鬱々とした筆致なのが面白い。
旅にでることを自分探しとよぶことに、ずっと疑問があったのだけど、何もかもは、過去も未来も、自分という存在をハブにして繋がれていくものなのだと素直に思えた。
...続きを読む
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