誰がために医師はいる――クスリとヒトの現代論

誰がために医師はいる――クスリとヒトの現代論

2,860円 (税込)

14pt

ある患者は違法薬物を用いて仕事への活力を繋ぎ、ある患者はトラウマ的な記憶から自分を守るために、自らの身体に刃を向けた。またある患者は仕事も家族も失ったのち、街の灯りを、人の営みを眺めながら海へ身を投げた。いったい、彼らを救う正しい方法などあったのだろうか? ときに医師として無力感さえ感じながら、著者は患者たちの訴えに秘められた悲哀と苦悩の歴史のなかに、心の傷への寄り添い方を見つけていく。同時に、身を削がれるような臨床の日々に蓄積した嗜癖障害という病いの正しい知識を、著者は発信しつづけた。「何か」に依存する患者を適切に治療し、社会復帰へと導くためには、メディアや社会も変わるべきだ――人びとを孤立から救い、安心して「誰か」に依存できる社会を作ることこそ、嗜癖障害への最大の治療なのだ。読む者は壮絶な筆致に身を委ねるうちに著者の人生を追体験し、患者を通して見える社会の病理に否応なく気づかされるだろう。嗜癖障害臨床の最前線で怒り、挑み、闘いつづけてきた精神科医の半生記。

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誰がために医師はいる――クスリとヒトの現代論 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    薬物依存に対して、今までの理解が根本からひっくり返った。依存症当事者のもつ寂しさにも触れられるような気がした。

    0
    2024年05月27日

    Posted by ブクログ

    まごうことなき良書。
    松本先生の著書は何冊も読んでいるが、本書はそれらの総集編であり、アディクション臨床のスタンダードと言っても差し支えないのではないだろうか。軽妙な語り口ではあるが、その中に数多くの至言が散りばめられている。

    0
    2023年12月04日

    Posted by ブクログ

    薬物依存症患者の治療を専門とする精神科医である松本氏による著書。
    薬物依存症の真の姿を知る意味でも、また、人間としての医者を知る意味でも、とてもよい本だと思います。

    覚せい剤や大麻よりも、アルコールの方が薬物として悪質、というのは、みんなが知っておくべきことだと思いました。
    この本にもある「世界最

    0
    2023年03月05日

    Posted by ブクログ

    松本医師とはほぼ同世代なので経験してきた事が似ていることにまずはびっくり。我々が中学高校生の頃はお酒も煙草もハードルが低くて、「嫌煙権」なんて考え方すら無かった事を考えると世間の評価も変われば変わるもの。たしかに、事件、事故を引き起こす頻度や直接の死因となればクスリよりもお酒の方がはるかに危険なのか

    0
    2022年12月16日

    Posted by ブクログ

    アディクションの対義語はコネクション。薬物依存よりアルコール依存の方が深刻みたいなのだが、なぜ合法なのかしら。

    0
    2022年11月06日

    Posted by ブクログ

    学術書みたいだしみすずだし難しそうだったが
    すごい面白い

    よい薬物悪い薬物はない
    よい使い方悪い使い方があるだけ

    コーヒーやアルコールも客観視して
    ドラッグとして見る本に触れたことはあるが
    精神科医からの視点で見るととても説得力がある

    日常生活で役立つかというと
    そうでもないけど
    マスコミが薬

    0
    2022年09月06日

    Posted by ブクログ

    一気に読み終えた。著者が悩みながら、自身も依存症を自覚しながら、薬を処方する立場の精神科医としてどう患者と対峙しているのかを赤裸々に綴っている。素晴らしい一冊。

    0
    2022年06月24日

    Posted by ブクログ

    依存症(特に覚せい剤依存)治療への尽力を続けている、松本俊彦先生が、その考えやその考えに至る経緯を綴った本。

    なぜ精神科医が薬をたくさん処方してしまうのか。古来の精神医学の中心疾患であった統合失調症への対処の基本が薬物療法であるところに端を発し、患者の薬効を求める思いと、医師の面倒を回避したいとい

    0
    2022年04月29日

    Posted by ブクログ

    伊藤先生の本から、松本先生の事を知りました。
    依存症の家族がいたので、関心があり、率直に、飾らずにお話される様子や、患者さんの目線に寄り添っている感じがして、記事やテレビを拝見していました。
    ご自身の人生を振り返って書かれていて、読んでいて、たまらず泣いてしまう所がいくつかありました。(どうしても、

    0
    2022年03月31日

    Posted by ブクログ

    本当に素晴らしい本。すべての人に読んでほしい。
    辛い状況にいる人は、こういう頼りになるお医者さんがいることが、心の支えになる。
    辛い状況の人が周りに一人もいない、見たことも聞いたこともない、って人はいないと思う。(ニコチンやカフェインやアルコール含む)に依存しないと生きていけない人と接することはある

    0
    2022年04月23日

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