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『智恵子抄』に描かれない智恵子像――天才芸術家である高村光太郎の陰で、その秘められた才能を花咲かすことの出来なかった妻・智恵子。天真爛漫な少女時代、平塚らいてう等と親交を深める青春時代、光太郎との運命の出逢い、そして結婚、発病……。一心に生きた智恵子の愛と悲しみを余すことなく描いた、芸術選奨文部大臣賞受賞の傑作長編。
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Posted by ブクログ
とても吸い込まれる話だった。とてもよかったけど、終盤に近づくにつれ、とても辛かった。 母に借りたが、出会えてよかった本である。 扇子をおいていって、という場面が好き。 吉本隆明の書く、高村光太郎を読んで見たい。
このふたりのことを知ったのは寺山修司「さかさま文学史黒髪篇」だった。 だから高村光太郎にはいい印象を持っていなかった。 また風貌から幼児的な父のイメージを持っていたらしい。 だがこの本を読んで知ったのは、むしろ光太郎は父に負い目を感じ続けた息子であって、 智恵子を抑圧したというよりは智恵子を芸術家の...続きを読む同志として迎え入れた。 が、完全対等とはならなかったことに悲劇がある。 制作意欲も、家庭内の位置も、性格も、弱者は強者の割りを食う。淫靡に権力関係が浸透してくる。 男女として。夫婦として。実家の没落。父母きょうだいの心労。色覚障害?ゆえの芸術活動不首尾。もちろん更年期障害。性格。薬。 狂気の原因はひとつに帰することはないと思うが、どうにも痛ましかった。
光太郎と智恵子の物語を読む。 千恵子が、頭がおかしくなったと 言うことはしっていたが、どのような要因で、 そうなったのかは、知らなかった。 少なくとも、芸術家同士が、 一緒に生活すると言うことは、やはり大変なこと だったんだということがわかった。 ただ、それは、芸術家だから大変だということでない、...続きを読む もっと「直截な問題」が横たわっているんだと思う。 私の生き方を考えると、 やはり光太郎がひょっとしたら、 原点かもしれないと思った。 青年の時に、かなりインパクトのある影響 を受けていることを知った。 智恵子の生まれ落ちた背景、 そして、酒屋としての隆盛、・・・ 長女として、一目置かれていた。 平塚明子そして、らいてう 青踏社 田村俊子 そして一番大きな出会いとしての高村光太郎 デッサンは上手だが、色がうまく表現できない。 ふたりの関係は、やはり、光太郎の詩によって、深く理解される。
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