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3.11からの10年、福島の詩人が詩作と対話と日々の随筆から求めたカタストロフとの対峙の記録。
東日本大震災で被災した福島の詩人は破壊への恐怖と、不条理への怒りに言葉で抗った。ツイッターから放たれた言葉は「詩の礫」と名付けられ、多くの共感を得た。あれから10年――。現在も福島に暮らし、高校教師の職と並行しながら詩人として活動する和合亮一氏はこの歳月を克明に言葉に刻んでいる。本書はその十年記の書である。2011年3月11日から10年となる今年。和合氏は1月1日から犠牲になられた方々にとって最初の祥月命日となる1月11日まで祈りのように連日の詩作を試みた。第一章の「貝殻詩篇」はその結実である。10年の歳月を、その折々の出来事と思いの変遷を綴ったエッセイ集成「十記」。ASIAN KUN-FU GENERATIONの後藤正文氏批評家の若松英輔氏と共に『詩の礫』がこの歳月に何をもたらしたのかを語る「対話篇」。そして「おわりに」のかわりに書き下ろされた新作詩「OVER」を収録。和合氏の言葉は、被災したまち、そしてこの世界の未だ来たらぬ未来に向けて放たれた光の矢となる――。
<目次>
はじめに
第一章 貝殻詩篇
第二章 対話篇
後藤正文氏(ASIAN KUN-FU GENERATION)
時代の異常な速度感から外れてみる
第三章 十年記
第四章 対話篇
若松英輔氏(批評家)
死者と共に在ることが未来をつくる
OVER (「おわりに」にかえて)
Posted by ブクログ 2021年06月03日
何度も涙しながら読んだ。感想として、書くべき言葉が見つからない、というか、書くのが怖いだけか。
本書で、震災にもコロナにも反応せず、作品でも表現してこなかった詩人について、著者が違和感をもっていることを何度も触れています。それも自分に向けられた言葉のようで。。。
ていうか、なんでこの本、こんなに...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月26日
「震災を忘れないために」という言葉を見かけるが、それは忘れてしまえる人のためのフレーズだと思う。絶対に忘れられるわけがない。
と著者は語っている。その言葉通りだということを、この本を読んで感じ、思った。
“忘れてしまえる人”と”忘れられるわけがない人”がいる。私は前者。だから、この本を読んで、被災...続きを読む
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