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地球上の資源は無限にあるわけではありません。今を生きる私たちは、限りある資源を偏りなくいかに分配するかということが問われています。「効率」「衡平」「公平」という考え方をカギに、人の福祉にとって望ましい社会のルール、経済システムのあり方について論じます。
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Posted by ブクログ
センのcapabilityの理論、パレート効率など幅広く網羅されているのがとても良かった。 巻末の参考書籍が豊富でポイントが書かれていてとても良かった。センの理論については、巻末にも記載されていた原著の福祉の経済学が、簡潔でわかりやすかったが、この本は周辺の理論についても述べてくださっているのが、位...続きを読む置付けがわかって良いと思った。
これはめっちゃ面白かった! 厚生経済学と呼ばれる初歩的な領域に触れられる良書! 経済学に使う基本的な数学の知識があればオススメ。 6章までは一般的な経済学の説明ともとれるが、その土壌の上で展開する7章が新古典派経済学に慣れきった一般的な経済学徒の脳に電撃を放つ。 そして8章から最終章に到るまで、哲...続きを読む学(倫理学)的でもあり数学的でもある経済学が平易な言葉で説明されており、求めていた経済学ここにアリ!という感想。 これは経済学を既に学んでいる人に是非とも読んでほしい一冊。
本書は一橋大学経済学部教授で厚生経済学や社会選択理論を専門としている蓼沼宏一氏の書いた本である。 内容は、効率と公平(本書では“衡平”という言葉で言い表している)を鑑みて、最善の経済のあり方について模索する際に考慮に入れるべき様々な考えを、主に厚生経済学の視点から提供したものである。 多くの人に...続きを読む取ってこの本は興味深いものだと思う。なぜならサンデルのハーバード熱血教室で議論している正義の話と本質的には一緒であるからだ。サンデルは政治哲学の観点からだったのに対し、本書はそれを経済学の視点で説明・考察したものと言ってよい。 このような、いわゆる「正義」に対する考察を、経済学の視点からこれほど明瞭にまとめたものは今までないのではないだろうか。確かに厚生経済学の教科書はたくさんある。しかし最近人々の興味関心のある、効率と公平にフォーカスをあてて、小難しい厚生経済学をまとめあげたという点で、経済学をやっていない人にとってもとっつきやすい内容であると思う。 とはいえ、内容自体そもそも難しいから、いくら簡潔に書かれているとはいえ、難しい事に変わりはない。おそらく一回では完全に理解できないだろう。 また、説明が所々わかりにくい部分があることも確かである。これは経済学をやっていないと理解しにくい部分もあれば、経済学をやっている人にとって逆にわかりにくくなってしまっている部分というのも存在することを意味する。 しかしながら、総合的な評価としては、とても内容の優れた本と言う他ないのではないだろうか。なにより重要なのは、正義の議論をする際に政治哲学のみならず、厚生経済学からの視点もはずすことはできないことを印象づけていることである。経済分析の強みは、言葉では説明しにくいものを経済学独自の方法で説明を可能にする点である。そういう意味で、政治哲学では説明しきれないところを説明しているという点で、厚生経済学の視点から著した本書は価値あるものだと思う。
宮崎哲弥氏が、その著書とか雑誌とかで、折に触れて本書を進めているのを見て、そんな凄いものなら、と思って入手。あと、タイミング的に経済学への興味が高じている昨今なんで尚更。個人の性格やら生い立ち、生活環境まで考慮に入れると、皆が同じように幸福になる平等性は、なかなかに得難いって話。それを理論的に可視化...続きを読むして見せた内容、っていうところか。それによって、腑に落ちるようにはなっているけど、でもまあ当たり前っちゃ当たり前と思ってしまった。
「ー」 これが中高生向けなのに驚く。内容は極めて高度だが、書き方は読みやすい。中高生の学習意欲を刺激するだろう。 PS福祉指標は初めて聞いた概念だった。が、日本とブータンの幸福の違いを表すのに使えそうだ。とても面白い考え方。 ”効率”はパレート効率で無くてはならず、誰かが損をするのでは意味がな...続きを読むい。それこそまさに最大多数の最大幸福だ。著者はそれを否定する。
経済学の入門的な本で、「効率」と「衡平」をキーワードに、ひとの福祉とは何か、人々の福祉を高めるために望ましい社会経済システムとはどのようなものなのか、興味深く読めた。
厚生経済学の入門書ということだが、経済学というもの自体に疎い私には相当難しかった。 効率と衡平という視点と経済システムは人々の福祉を高めるためにあるというのは新鮮でおもしろかった
幸せを観点とした経済学の入門書。 幸せに関する研究のサーベイが紹介されているので読書案内もぜひ読みたい。 再読したい
中高生を対象とした、厚生経済学の初歩の解説本だと思って、舐めてかかったら、想像以上に内容が濃い本。アマルティア・センが提唱した「機能(functioning)」、無羨望配分、平等等価といった、公共経済学の入門書で必ずしも明示的に扱われることが少ない概念に触れることが出来て、なかなか新鮮な体験だった。
効率と衡平のバランスをいかに取るのか。 福祉指標としての、消費・労働情報、機能の情報に基づく比較と、比較の順序としての選好順序、評価順序があること、パレート効率性、マキシミン原理などの考え方を知り、経済学、社会的選択理論やメカニズムデザイン等を紹介し、福祉の向上という観点から経済システムや公共政策を...続きを読む評価し立案する力を磨いていくことを示唆する。
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幸せのための経済学 効率と衡平の考え方
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