教育は変えられる

教育は変えられる

1,265円 (税込)

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3.7

「みな同じ」の一斉教育から、「みな違う」を前提とした、子ども一人一人にカスタマイズされた、「みんなを伸ばす」教育へ。明治以来の教育システムを根本から変える、本当の意味での「これからの教育」。その基本的な考え方と、具体的な実現方法を、著者による東京都杉並区の取り組みを通じて提案する。

「教育は、変えられる」――今、私は、そう確信しています。
「そんなこと、できるわけがない」
こう言うと、すぐにそのような反応が返ってくることが予想できます。
けれど、考えてもみてください。
広がる学力格差。増加するいじめ。減らない不登校。拡大する特別な教育ニーズ。そうしたことの総体として機能せずに荒れる学級……。教員の過酷な労働の原因にもなっているこうした教育の問題がいまや限界に達していることは、誰にも否定できないはずです。
では、どうすればよいのか。
私は、杉並区教育委員会のスタッフの一人として、ある、「そもそも」を問い直すことから始めました。
「そもそも、教育は何のためにあるのか」
その答えは、とてもシンプルなものです。
「自らの道を拓く『自立』と、誰もが共に生きる『共生』のため」
「自立と共生のための『学び』を、『すべての人』に届けるため」
自立と共生は、「支え合い」の関係にあります。誰もが共に生きられる世界があればこそ、すべての人が自分の道を拓くことができます。自分の道が拓かれていく実感の中でこそ、すべての人が共に生きることのできる世界の大切さが分かります。
そう、教育には、公的な機関が携わることで、すべての人が学びの機会を確実に得られるようにし、一人一人が自らの道を拓けるようにする意味と、みんなが共に生きられるようにする意味があります。この二つの意味を、分かつことなく支え合うようにして満たすこと。それが、教育の目指すところなのです。
(「はじめに」より)

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教育は変えられる のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年09月30日

    後半の方にいいことが書いてあった
    残っている内容としては
    ・学校建築という概念
    ・美意識、美的センスがこれからは重要
    ・既存の規則の中でできる自ら気づき学ぶ授業

    の3点

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    Posted by ブクログ 2021年04月23日

    一人ひとりに合った教育を学校で。
    予算も人員も限られている中で、生徒や保護者、先生のニーズを満たし、義務教育の最低限の学力を保障する。

    「探究」や「共同」を中心とした授業づくりのヒントになれば。

    0

    Posted by ブクログ 2021年01月31日

    苫野先生が繰り返し述べている、
    自由の相互承認、学びの個別化•協同化、一般福祉
    という原理的思考を徹底的に貫いて教育行政に携わっていることが伝わる本です。

    哲学的なだけではなく、エビデンスを取りながら今の教育の現状を分析し、どうあるべきかも説いています。

    学びの個別化•協同化が単なる方法論として...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年01月24日

    「みな同じ」の成れの果てから、「みな違う」をつくり出すためにどうしていくことができるのか。杉並区の具体的なチャレンジが記されている一冊です。

    0

    Posted by ブクログ 2021年01月25日

    苫野一徳先生の本かと思うくらい、苫野先生のことがたくさん出てきますが、苫野先生の紹介がないのはなぜ・・・?苫野先生の本の内容を具体化している内容だと感じていますが、いかんせん内容が多い上にピンとこない。

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2021年02月16日

    <目次>
    はじめに  教育は変えられる
    第1章   自分の物語を生きるための学び~「一斉・一律」から<多様性と一貫性>へ
    第2章   生かし合う人材と組織~「依存と孤立」から<協働>へ
    第3章  求めに応える施設・設備~「定型・無味」から<応答性>へ
    第4章   引き受け支え合う行財政~「無責任」か...続きを読む

    0

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