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ロケットマンがロス五輪の会場に降り立ち、「未来」が「現実」となった一九八四年の夏、世田谷では僧侶が伴侶を日本刀で斬りつけ、火が放たれ、盆踊りの終わった夜空を真っ赤に染めていた。三十二年前の放火殺人事件を探るうち、わたしは家族の秘めごとやおのれの不甲斐なさを思い知らされる。シリアスで、ちょっと熱めの長篇小説。
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Posted by ブクログ 2021年02月14日
会話の間合いが小気味良く、何度か吹き出してしまった。夏祭り、鰻重、瓶ビールと焼き餃子。音や匂いを感じながら、なぜか懐かしさに包まれる読後感がとても気持ち良い作品。
Posted by ブクログ 2021年02月05日
盆踊りで炭坑節、フレーズが流れると今でも踊れる(笑) 昭和感の懐かしさが、まだ今でも残る日常にほっとする。 登場する人がすべてユニークで憎めない。 祖母のまだら呆け具合がかわいく、呼び込みのお兄さんも最高です。
Posted by ブクログ 2021年03月27日
大きな秘密を抱える認知症の祖母を軸にストーリーは、ゆるゆる進む。何でもない日常の風景に抗いがたく引き込まれる。鮮明な過去がある一方で、スッポリと抜け落ちている過去があり、さらには忘れたくて燃やした過去もある。それらがこんがらがって渦を巻く。周囲の者は頭を混乱させないように話題を変えたりしながら静かに...続きを読む向き合う。当の本人はどこ吹く風。曰く「厭なことは火にくべて燃やせばいい。そうしたら、すべて灰になって消えてしまう。」と恬然としている。凄惨な事件も軽やかに昇華してしまう。緩やかな流れが気持ちを温かく癒してくれる。
Posted by ブクログ 2021年01月28日
結婚も仕事も思うようにいかない主人公とまだらぼけの祖母とその家族。そして昔あったお不動さんの放火殺人事件。事件を紐解くうちに祖母の過去の苦労を知り自身のふがいなさが見えてくる。嫌なことは燃やせばいい。そうかもしれない。
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