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東京からカラフトに向かう〈紅緑丸〉船上で発見された変死体(「人喰い船」)、山中を走るバスから消えた五人の乗客の謎(「人喰いバス」)、谷底から消えた墜落死体(「人喰い谷」)、密室から消えた凶器の謎(「人喰い倉」)――昭和初期を舞台に、放浪する若者二人――呪師霊太郎と椹秀助が遭遇した六つの不可思議な殺人事件を描く、鬼才による本格推理の傑作! (解説・大森望)
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Posted by ブクログ
山田正紀の本格ミステリ・デビュー作なのだそうですが、めちゃめちゃ面白いです! 意図的に古臭い探偵小説の体裁で始まる連作短編集。事件の解決は法によって裁かれることはなく、何故そうしたのか人間心理に興味があるだけ、という魅力的な設定。短編では描ききれないのでは?是非長編も読んでみたい。 女囮捜査官の...続きを読むときも凄いと思いましたが、メタフィクションなど、仕掛け満載。 山田作品は、後々まで印象に残るシーンだったり、イメージが多いような気がします。それが崑崙遊撃隊とか宝石泥棒や最後の敵、女囮捜査官だったりするのですが、なぜなのでしょう。不思議な作家。
内容や文体から、相当昔の作品のような雰囲気があるけれど、それほど古い作品ではない。旧作ではあるけれど。 「連作の最後の章に待つ大仕掛けにあなたは必ず驚愕する」というコピーに期待したけれど、驚愕とまではいかなかった。もしかすると、仕掛けをきちんと理解できていないのかもしれない。本格好きの方にはお勧めだ...続きを読むと思う。
短編連作の形を取った、影の山田正紀のターニングポイント的作品。SFだけじゃなくて良質なミステリも書ける作者の懐の広さが素晴らしいです(笑
小樽好きにはたまらないミステリーだ。小樽は古い建物や歴史的建造物が数多くの残る街。北海道の中でも人気の観光地だ。この本はその小樽を舞台にした6つの短編からなる小説。時代は鬱屈とした昭和初期、軍国化への道を進む暗い時代だ。山田正紀は『神狩り』でデビューしたSF作家。若かりし頃は良く読んだが、内容はほと...続きを読むんど覚えていない。著者のミステリーは初めての体験。 『人喰いー』というタイトルが暗示するように、何が人には言えない秘密を共有するようなストーリー。主人公は20代なかばの若者2人。樺太行きの客船に乗り合わせ妙な親しみを覚え行動を共にする。船の中で、降り立った小樽の街で、2人は殺人事件に出くわす。6つの章は独立した内容かと思いきや最後の章でひとつひとつ繋がっていたことが明らかになり思いもよらぬ展開をもたらす。昭和初期の出来事が若者2人の人生を変え、現代に繋がる。過去の秘密と現代が交差した時、老いた2人に由来したものはなにか? 終始、暗い雰囲気が覆う小説だが、この時代設定は嫌いではない。
この時代の日本って好きだなあ。外見は決してクリーンじゃないんだけど、内面がクリーンって感じがして。もちろん時代が時代だけに腹黒い人はたくさんいるから『正直』って意味のクリーンではなくて、何と言うか『病んでない』感じのクリーン。 そんな時代が舞台だから、こんな小説が成り立つんだろうな。 現代社会だと彼...続きを読む方此方に予想外の穴ができすぎて話が立ち行かなくなりそうだ。
著者の名前だけ見てあらすじ読まずに買ったけど、私のなじみ深い町小樽、しかもばあちゃんがよく話していたころの時代のミステリ。実際見たわけじゃないのにああそうだよなーと納得できるような描写ばかり。 まさか終章があんなふうになってるなんて思わなかった。第一章の「人喰い船」で引っかかっていた部分がああいう形...続きを読むで消化されるなんて。
個人的には好きな部類。作中作に込めた思いとか言われてもわからんし、時代設定すれば多少の事は書いても問題ないでしょ的な発想も好きではないけど、書きたかったストーリーはわかる。
うちの祖父母が生まれた昭和のはじめの北海道が舞台。 じいちゃんが生まれた頃の日本ってこんな感じなのかぁと思いながら読んでました。 …北海道しか出てこんけど
小説の題名が衝撃的なので読んでみた。「人喰い・・・」ってなんだ、時代背景が昭和初期であること、そして事件の現場が北海道小樽という現在においては過疎の町であること、なんだか横溝正史っぽい匂いがする。どれだけ人が喰われるのか熊に食われるのかと期待したが、そんな話ではない、人喰いってこの時代の比喩で使わ...続きを読むれてるだけらしい。多少がっかりしたがそれなりに面白い、最後には現在に話を戻し当時の謎を・・・星3つ半
戦前の北海道を舞台にした連作ミステリー…と思いきや最後の短編ですべてがひっくり返され青春ミステリーへと変貌する。しかし、青春ミステリーとするにはいささか老成すぎて、にんともかんとも。ぼくの感覚が青臭いだけなのか。
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人喰いの時代
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