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どん底でも押し潰されずにもちこたえるための算段。読売新聞の人気連載「人生案内」から71の名問答を厳選。回答を裏打ちする人生作法「二枚腰のすすめ」は書き下ろし。付録は、自身の二枚腰の人生を描いた写真満載の自筆年譜と全著書リスト。
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Posted by ブクログ
鷲田先生の人生相談という内容。 ちょっと軽い感じの話かなと思ってよみましたが。 自分自身の状況が、現在岐路にあるということも あるのかもしれませんが。 ほとんどの内容が心に響き、背中を押してくれる 内容でした。 自分にとっては、いろいろ珠玉の言葉や、お話し。さらに 大切にしておきたい言葉や内容を読ま...続きを読むせてもらいました。
悲しみが皺をつくる。 哲学とは問いの立て方と、考え方の道筋。 二枚腰とは、ひとつ堰が崩れても背後にもうひとつあること。正反対のふたつのことがひとつところにあるということ。ひとは対立するふたつのものに引き裂かれているということを、きちんと認識しておくこと。 ひとは傷ついたひとをみると自分も傷ついた顔...続きを読むする。でも傷ついたひとを見ると、自分のことを後回しにしてでも優しくわらう……。ひとの弱さもろさがそれゆえにつよいのだと知るような本。
「相談」への「答え」がどのように出てくるのか、ドキドキしながら読みました。 予想通りの回答もあれば、「その角度から応答されるのか!」と新鮮な驚きに包まれる回答も。 「コンプレックスは強さのしるし」 「まずは応援にきちんと応える」 「苦労は取り除くべきものではなく、分かちあうもの」 など、今の自...続きを読む分に響く言葉との出会いもありました。 読むタイミングによって異なる気づきが得られそうな問答集でした。
著者の豊かな人生経験から出た回答も良かったが、何より最後の章の二枚腰のすすめがこころに響いた。生きること全てに人の助けが必要な遠藤さんを例にして、弱さをさらけ出すことで踏み出すことの出来るものがある。物事を1つの方向からだけでなく、いろいろな方向から見ることで見えてくるものかある。歴史の中で、社会の...続きを読む中で、自分の立ち位置を知り、その中で自分が何をすべきか、何が出来るかを学ぶ、それが学ぶことの意義だと言う。その通りだと気付かされた。
鷲田清一『二枚腰のすすめー鷲田清一の人生案内』(世界思想社)は人生相談の質問と回答をまとめた書籍。正直なところ、読み始めた時は抽象的な悩みを抱えている人が多いと感じた。たとえばマンションだまし売り被害者は、切実で具体的な問題に直面している。そのような問題は人生相談に出そうとならないので、本書に出てこ...続きを読むないことは当然である。これは悩みを抱えている人に言ってはいけないことであるが、逆に本書のような悩みが最大の悩みならば、それなりに幸せと言えるのではないかという考えも出てきかねない。 社会の人間関係が悩みの原因になっている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19; coronavirus disease 2019)対策でStay Homeが推奨された2020年1月から4月までの自殺者数は過去4年間の自殺者数よりも大幅に減少した。これは家にいて職場や学校に行く機会が減り、悩むことが少なかったことが原因と分析されている。非接触の新しい生活様式を推進した方が日本社会の生き辛さは減少するだろう。 一方で同居家族が悩みならば、それだけでは解決しない。逆に家にいる時間が長くなって深刻化する可能性がある。これもSocial Distanceが解決になる。本書も「どちらかが実家やホテルから通勤し、週末に合流」を提案している(103頁)。
"人生にも仕事にも、これをやったら終わりという瀬戸際があります。跨いではならない敷居といってもいいです。小さな過ちをくり返しているうちに、この敷居の意識がだんだんと鈍ってきて、ついにそれを跨ぎ越したことにすら気づかなくなります。" 65ページ "ずっと同じ列車の...続きを読む同じ席に並んできたと思っている夫婦が多いが、本当は同じ速度で並行して走っている別の列車にたまたま乗っていて、ずっと車窓の向こうに同じ顔があっただけのことだと言ったフランスの哲学者がいます。" 93ページ "ある感情は別のもっと強い感情でしか押し退けられないものです。" 133ページ 人生相談の回答は直接的には自分と同じ悩みではないのだけれど、大変参考になった。 それのまとめともいうべき最後の「二枚腰のすすめ」は、生きる指針になると思う。まぁなかなかそううまくはいかないのだけれど。頭でわかっていても実践はそう簡単ではない。 「アングルを手前に退く」「自分と自分の置かれた状況を俯瞰する」「別の視点を持つ」「弱さを強さへと裏返す」 こう並べて書いてみると、そう目新しくもないけれど、何度でも確認しておきたい。
二枚腰というのは面白い考え方だし、如何にも鷲田さんらしい。一つのものの見方があれば、当然反対のものの見方がある。人生の「はずれ」といわれていることも、一つの見方でしかなく、「はずして」見てみるというほかの視点が大事になるということだな。
新聞へ投書する悩み相談とその回答が本になったもの。いろんな人生のひとがいろいろな悩みを抱えて生きてるんだなと思えるし、全然立場が違うひとの悩みでも、なんか全部じぶんに通ずるところがあるようにも思える。 悩んでる状態って、とても視野が狭くなって自分のことしか見えなくなってる状態でもあるんだなと思った。...続きを読むいちど深呼吸して、自分から意識を離したり、自分を取り巻く周囲のひとたちの立場で考えてみたり、問題の切口を変えることで見えてくるものがあるのかな。
新聞のコーナーに寄せられた相談に「乗って」返した言葉と書き下ろしエッセーを載せた一冊。今悩んでいる人が読んでもすぐには役には立たなそうな回答が続くが、それを辛抱して読み進めてからの巻末のエッセーは深い内省を呼び起こす。読み通して再度頭から読み直すとまた違った風に読める。そういう意味でもまさしく二枚腰...続きを読む構成になってると思う。
読売新聞掲載の人生相談を抜粋したもの。読売新聞は時々ホテルに置いてあるのを読むぐらいだけど、新聞の相談って面白いよね。何やってる人かと思ったら、哲学の先生だった。でもデザインのこととか、いろいろやってきた人だということは最後のを読んで分かった。その最後のやつが面白くて、紹介されてた遠藤さんという障害...続きを読むを持った人の話がとても印象的。「こんな夜中にバナナかよ」と似たような感じだけど、この映画見てみたいなぁ。NHKのロッチと子羊も哲学の番組だけど、私は実は哲学も好きなのだと改めて思う。生きるにあたり、何も考えずに暮らすことはできず、それは哲学なのだ。しかし、自分の弱さをさらけ出して人とつながって生きていくというのは、コミュ障の私にはハードルが高いと思っちゃうけど、生きてるだけで誰かの世話になっているというのは事実なのである。この先私が誰かの役に立つということはあるだろうか。身内以外の人とのつながりができるといいなとは思う。
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