ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
かつて村は「人間の集団」を意味する言葉であった。それが現在のように「土地」を意味する言葉に変わったのは明治半ばのことである。だが、その転換の起源は、秀吉の天下統一構想にまでさかのぼり、さらにその背景には地球上の土地を分割し囲い込もうとするような世界史的な転換があった。この間に起こった都市化・新田開発・分散知行、さらに廃藩置県・地租改正・地押調査から「明治の大合併」まで、村をめぐる土地と人の支配の紆余曲折を概観しつつ近代化の意味を再考する。
アプリ試し読みはこちら
Posted by ブクログ
かつて村は「人間集団」を意味する言葉であった。しかし、それが現在は「土地」を意味する言葉に変わったのは明治の半ばのことである。本書は、人間が帰属する村から分割され囲い込まれた村への転換を、豊臣秀吉の天下統一構想(分権から中央集権へ)まで遡り、位置付けようとする試みである。秀吉の構想の背景には16世紀...続きを読むにおける世界史的な認識の変化(地球は有限であるという認識とそれに基づく領土観の変化)があった。つまり「村の近代化は世界史と地つづきであったといえる」(p.11)というのが、本書の見通しであり、「村の担い手」の視点からではなく、「統治の客体」としての村という視点から村の「近代」300年の歴史が叙述される。構成は以下の通り。 はじめに 序章 村概念の転換 第1章 村の近代化構想ー織豊政権期 第2章 村の変貌と多様化ー幕藩体制期 第3章 村の復権構想とその挫折ー明治初期 第4章 土地・人・民富の囲い込みと新たな村の誕生—明治中期 終章 「容器」としての村 種々面白い論点が提示されていて最後まで興味深く読んだが、とくに第2章では石高と実高の乖離問題を最近の経済史研究の成果(主として岩波の「日本経済の歴史」など)を踏まえつつ、なお幕藩体制下の生産量を過小評価している可能性を拭えないとしている点など、根拠も含めて示唆的である。また第3章の廃藩置県と村の復権構想が挫折に至る叙述も重要であると思う。 惜しいのは最初に提示されていた「村の近代化は世界史と地つづき」という視点が、後半少しわかりにくくなった点かもしれない。
レビューをもっと見る
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
新刊やセール情報をお知らせします。
村の日本近代史
新刊情報をお知らせします。
荒木田岳
フォロー機能について
「ちくま新書」の最新刊一覧へ
「学術・語学」無料一覧へ
「学術・語学」ランキングの一覧へ
▲村の日本近代史 ページトップヘ