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物書き松重豊、誕生! 軽妙洒脱な筆致で描かれる演者の心象風景。 連作短編小説12編+エッセイ25編を収録!!
『孤独のグルメ』『ヒキタさん!ご懐妊ですよ』『きょうの猫村さん』などさまざまな映画、ドラマで注目を集める著者の初の書籍。書き下ろし連作短編小説「愚者譫言(ぐしゃのうわごと)」と週刊誌「サンデー毎日」の連載エッセイ「演者戯言(えんじゃのざれごと)」の2種を収録。演者だからこそ描くことができた心象風景を、独自の軽妙洒脱な筆致で表現。「サンデー毎日」連載時から人気を呼んだ旭川在住のイラストレーターあべみちこによるイラストが彩りを添える。
【目次】愚者譫言/バスの中 「プロローグ」/取調室 「第一話」/ガベル 「第二話」/酒場 「第三話」/伴走 「第四話」/土の中 「第五話」/かさぶた 「第六話」/オペ室 「第七話」/仇討ち 「第八話」/日当 「第九話」/独房 「最終話」/鯖煮 「エピローグ」/演者戯言/設定を変えてしまうほど自白に影響を与える食べ物の存在/昨日ニンニクさんざ食った奴の臨終に立ち会う気分は如何/脳に詰まった起訴状がカレーに追い出され睡魔が襲う午後/異国で異教徒になった日の寿司と浴槽その冷たさについて/沈黙するポテチ片手の羊たちその記念写真が手許に無い件/背が伸びる秘訣をと問われたらとりあえず牛乳と答えるよ/坊主頭の中学生はレゲエとパンクの間で揺れ動くのだった/覚えられないのは茗荷の所為なのよと可愛い文字で書いた/オムレツもエッグベネディクトも便座にしゃがんだあとで/神に見守られた美しい雪隠で考えるのは今宵の夕飯の献立/定食屋の奥に並ぶ宇宙人の眼差しにライス大盛りを完食す/東京特許許可局なんて実際には存在しないものじゃぞ隆景/けして孤独ではないチーム孤独は彼の下で円陣を組むのだ/餃子耳にはなりたくない相撲好きの柔道家の下手な素振り/大晦日紅白の真裏で独り年越す方々と共に食さんと欲する/鬘をとって風呂上がり万願寺唐辛子の甘さを教わった夜に/最初はグーだが皮膚はカタカナよりも漢字を求めたのだった/言っとくけど演者はドットで出来てるわけじゃ無いからね/アンドロイドは博多やわやわうどんの夢を見ていたか否か/折角結婚祝にすき焼き鍋を贈ったんだから別れないでくれ/待ち時間にはカメラに向かって無意味な下ネタを連呼する/師曰く汝が隣人即ち友と限らず写真は撮られる側と限らず/組事務所で咄嗟に噓をつく心のブレに補正は可能だろうか/根気良く注射を打ち続け魔の手から逃れる方法を信じるか/星空にたき火を囲んで人生を語る場を僕が作ってあげよう
【著者略歴】1963年生まれ。福岡県出身。蜷川スタジオを経て、映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍。2007年に映画『しゃべれども しゃべれども』で第62回毎日映画コンクール男優助演賞を受賞。2012年『孤独のグルメ』でドラマ初主演。2019年『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』で映画初主演。2020年放送のミニドラマ『きょうの猫村さん』で猫村ねこを演じて話題に。「深夜の音楽食堂」(FMヨコハマ)では、ラジオ・パーソナリティーも務めている。
Posted by ブクログ 2023年07月04日
そうだ京都、行こう。
今の時節、なかなか旅行も行けない。
この本を通して、京都の太秦映画村、楽しんでは。
近くにある広隆寺、弥勒菩薩で有名。
実は中は空っぽで、軽くして、火事などの時にはすぐ持ち出せるとか。
俳優も、自分を空っぽにして、その役になりきる。
松重豊さん、
個性派の名バイプレイヤーの...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年04月21日
「孤独のグルメ」で井之頭五郎役を演じる松
重豊氏の初の著書です。
前半が小説、後半がエッセイという構成です。
いずれも俳優業という視点から描かれた世界
観があり、「なるほどなあ」と普通では感じ
ることができない視点からの考察が新鮮です。
残念ながらグルメに関する記述はないですが、
十分に楽しめ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月02日
前半は夢十夜のようなショートショート。
10篇あるからやはり夢十夜をモチーフにしたのかも。
気がつくとある演劇の現場にいて、その場で自分なりに察した想定で演じるが、実は…という構成。
前後のプロローグ、エピローグの弥勒菩薩とのやり取りが色を添える。
後半のエッセイもだが、どうにも「孤独のグルメ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月01日
松重さんを見ると、仕事ついでに訪れた街のなんてことのない定食屋でラーメン屋で、旺盛に時間を忘れて食べるあの姿が浮かぶ。でも、実際は少食で撮影前日は食事を摂らずに本番に臨まれるとか…。
今日は腹の空かした営業マン、明日は謹厳実直な検事、ある時は不妊の原因を抱える若妻を娶った夫、その前は警視庁マル暴刑...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年01月30日
前半はフィクション、後半はエッセイというお得な1冊。松重豊さんは俳優として大好きなので先にエッセイから読んでしまった。おもしろかった。そして前半の小説。連作短編なんだけれどコミカルさと奇怪さが独特で、荒削りさは感じるけれどとても好きでおもしろかった。松重さんの書くものをまた読みたい。光石研さんとの会...続きを読む
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