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子どもにとって大人は有害である! ――大人は有害である。いじめ、閉じこもり、不登校……子供問題は、世間を気にし、教えたがり、試したがる大人に問題がある。子供は、大人の充足のためのものではない。新人、ルーキーだ。「これから何をするんだろう」「いつ化けるかな」と、大人は緊張し、楽しみに見守るサポーターになろう! 心がほぐれ、元気の出るユニークな子供論。
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Posted by ブクログ
中学1年生の娘が、40代の母親を刺し殺した事件があった。なぜか、暗澹たる気持ちになる。 子供たちの置かれている状況が、いじめ、ひきこもり、不登校などの問題がある。子供の問題である。 ところが、五味太郎は、大人問題が大きな問題だという。 五味太郎が、「まじめな子どもにふまじめな大人が説教する」と指...続きを読む摘し、もっと「子どもから学ぶべき」という、提起をしている。たしかにそうである。 とにかく、大人たちは、疲れきっている。どんな時でもわかったような顔をしている。他を落とし込めて優位に立ちたい人がいる。世間を気にしている。義務と服従が好きな人がいる。どうも、大人には、うんざりしているのが子供たちなのだ。 子供に文句をつけることはできるが、大人はどうしたらいいのかわからないでいる。 たしかに、今の子供たちを縛り付けている現状をどうかえていくのか。 子どもを自由にのびのびと生活させるために何をするのか。 わからないまま、今のやり方ではダメだといって、いるだけでは成り立たない。 「子ども」という不思議な存在を、大人の立場から論ずるのではなく、子どもの立場から、論ずることが必要なのである。 何事もほどほどに、バランスが大切。 私たちがこれまでがんばってきたのは、誰のためだと子供に説教をする大人。 服装の乱れは、心の乱れと訓示を垂れる大人。 「命令をきかない子」「みんなと一緒にやらない子」などとレッテルを貼る。 世の中はしていけないことが多くあって、していいことが少しある。 自分のしていることがしていいのかどうか、ちょっと子供は心配だという図式なのです。 子供を成長過程の人間であるとして、人格をきちんと認めるのが大人の作法なのです。 子供を未来の視点から、誉めてやることが一番大切なんだね。 子供の問題にしないで、子供のことを大人の問題にすることで、視野が広がる。
美しい色彩の楽しい絵本をどっさり描いている著者が、子ども抜きで子どものことをああだこうだと仕切る大人たちについて、冴えた頭と良く見える目と平易な言葉で展開する大人有害論。 分かりやすい言葉で書かれた読みやすい本。 私は「一生懸命」書いちゃう人だ…。
大好きな本。 同調圧力、足並み揃えて、◯◯ねばならない、世間の目 などに心底ウンザリしている私の指南書。 個性などと言ってるけど出る杭は打たれるし(友達からも先生からも)、 みんな同じじゃないといけない学校が嫌だったので、 五味さんみたいな先生が近くにいてほしかった。 自分の子供にも読んでもら...続きを読むいたいな。 というか、学校の先生にもぜひ読んでほしい。
大人こそが、社会が抱えている諸問題の根源である。こどもの問題は大人の問題。そんなメッセージで溢れている。 河合隼雄先生の「こどもの宇宙」と、なんとなく通ずるものがあるように感じた。
目の前の子どもの問題をつきつめていくと、どんな時でも権力や政治のおかしさにぶつかる…と言ったのは、確か辛淑玉さんだったか。 子どもの問題=大人の(が)問題 考えてみれば当たり前のことなんだけど、常にそう意識してないと忘れてしまう。 未成年が犯罪を犯したとき、その子の性質や性格などに焦点が当て...続きを読むられ、厳罰に処せという意見が必ず出てくる。 ああいう輩はぜったいに更生しない。だから一生檻の外に出すな、と。 事件が起こるたび、思う。 果たしてそれで本当に解決するのかな。 少年の再犯率が高いのは、更生して出てきても、社会がそれを受け入れる仕組みになってなくて、再犯せざるを得ない構造になっているからではないのかな。 そもそも事件の背景に「大人の問題」がないわけがない。 それを改善せず、加害少年の生まれつきの性質だけを原因と断定して、罰して解決せよという考え方は、あまりにも短絡的というか、むしろ解決策を見えにくくしているような気がしてならない。 ……なーんてコトを、五味太郎さんの本を読みながら思った。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ダメな親ほど、子どもにとって親は絶対必要だと思っているようです。たとえば「二親が揃っていないから、この子は曲がった」などという言い方をよく聞きますが、三親いても四親いても曲がるやつは曲がります。(p.25) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 被害少年の家庭がシングルマザーで、子どもに目が行き届かなかった。… 確かにこれも、事件の要因の一つだろう。 でもね、シングルマザーで、4人も5人も子どもを抱えながら、子らを飢えさせずに生活を維持していくのって、どれだけ大変なんだろう。 正直、私には、できない。 だから、このお母さんは、本当にすごいと思うし心底尊敬する。 そう。 片親が原因で事件が起こった、のではない。 片親が、家族を守るために、子どものうちの一人が何の問題を抱えているか気づけないほどの時間を割いて働かなければ生きていけないことが、問題なのだ。 そして、このお母さんと同じ状況に置かれたら、私だって子どもの異常に気づいてやれる自信はない。 たぶん、大多数のお母さんたちも同じだと思う。 今現在私など、子ども一人しかいないのに、夫の帰りが遅くて全部自分がやらなくちゃいけない、わああーーーー!!もう限界っ無理っ!!ってなってるもん。 子どもは親のもの っていう意識が 根強くあるのが日本。 だから、子育てが「孤育て」に なりやすい。 もっと 子どもは社会全体のもの っていう意識が広がるといいのかもしれない。 やっぱり子育てって母親だけでやるもんじゃないしね、そもそも。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー …実はそういうシステムがアフリカのマサイ族にあると聞いてびっくりしました。マサイ族の少年は社会人になる前に、5年間ぐらい放浪するんだそうです。仲間数人とあっちへ行ったりこっちへ行ったりと草原で暮らし続けるのだそうです。そして、その子どもたちがやってくると、どこの家でもごはんを食べさせて泊めてあげる。必要な物は揃えてあげる。そうやって人生の勉強をしたのち、村に帰って、今度は彼らが村を守る人になるというわけです。実力がつくんですね。 それだけのことをする価値が子どもにはあると思います。10歳までにたっぷりときちんと物事を見る、そのことを怠ると、人生なんとなくやせてしまうような気がします。(p.196) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 以前も書いたけど、子どもにとって、いろんな大人との関わりがすっごく大事なんだってこと。 私は「斜め上の大人」って呼んでるけど、そういう存在がぜったいに必要だと思う。 (2015年3月11日のブログ記事再掲)
子供にとって大人は有害である!大人に対する怒りと毒を含んでつづったエッセイ。 大人は「すっかり疲れきっている」「子供を試したがる」「義務と服従が好きである」などをテーマに、大人の理不尽な考えや行動をばっさばっさと切っていきます。共感できるものそうでないものがあるものの、絵本作家という立場の裏で、子供...続きを読むの視点からこんな想いを抱えていたのかと驚きます。 大人の都合で扱いやすい“枠”に子供を当てはめてはいないか、子供のことを真に考えて行動できているだろうか。親という立場である方はもちろん教育現場で働く方など、普段の子供への接し方を見直すきっかけになります。
[by azukiko]くるみさんからプレゼントいただいた本です。うんうん、とうなずけて、ニヤリとしながら、ちょっと「イテッ」と思う内容でした☆ 「ぼくは子どもをとらえるときに『新人』『ルーキー』という言葉でとらえるのが好きです」 という一言には、ハッとしました。 誰もが子どもでもなく大人でもな...続きを読むく「人間」なんですよね。「大人」でも「子ども」でもなく、「人間」でいいじゃん!と感じる方に、ぜひおすすめの本です♪
絵本の五味太郎を想像して読んだら全くいい意味で全く裏切られた。 世の「常識的な大人」に対する皮肉と毒舌のオンパレード。 かなり極端な意見も多く全てに納得できるわけではないが、違った視点、複眼的思考を与えてくれる本だと思います。 毒が多いので読後感は爽やかとは言えませんが。
わにさんどきっ、はいしゃさんどきっ という、かなりナイスな著者の絵本に出会ったことをきっかけに出会った一冊。 学校や家族との付き合い、さらに芸術との接し方等について、コドモが迎える色んな場面で、いかにして大人は「コドモが受ける素直な刺激を邪魔しない」か。 著者との意外な共通点で、抹茶を飲むというのが...続きを読むあった。これは、単に抹茶を茶筅で点てて飲む訳で、正座しないし和室じゃないし流派も和菓子も無くて。 禅寺のお住持さんが、ポットのお湯で点てて、ハイどーぞって、ちゃぶ台に出して下さった時、アッ!お茶は、正座したり茶杓を使ったり、このように飲まなければならないという思い込みが自分の中で育ってた…という危機感を持った時のことを思い出しました。 出来ることならコドモに嫌われない大人になりたいと、強く感じました。
子どもたちの居場所づくりをしてるとほんと思います。 問題なのは子どもではなく、大人なのだと。 大人は問題。 大人が問題。 大人の問題。 ほんとにそうです。 子育て支援をやっている大人にとって、目から鱗の一冊です。 もし、この本を読んでも鱗が落ちなかったら、子育て支援に取り組むのをちょっ...続きを読むと考え直したほうがいいかもしれません…。
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