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三品明、24歳、美容師。職場で自分の居場所を見失っていた彼女が踏み出した新天地――それは海の上だった! クルーズ船の美容室のスタッフとして航海に出た明が出会う、プロフェッショナルでユニークな仲間たち。さらに、それぞれに事情を抱えたゲストたちとの温かな触れ合いが、明に自信と勇気を取り戻させてゆく。読めば元気をくれる爽快お仕事小説!
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Posted by ブクログ
憧れはするけど行ったことある人にもお目にかかったことのない長期クルーズ船の旅。美容師としてクルーズ船に乗る三品明。双子の小学生と船内かくれんぼ、親しくなった婦人と寄港地台湾で思い出巡りから思わぬ再会に涙、クルーズ船のゲスト歌手と船に住むマダムの思い出と絆。読んでると一生に一度はクルーズ船の旅を体験し...続きを読むてみたくなりました。
クルーズ船って言ったら、どーしてもコロナってイメージしかなくって… 自分が乗ったことのある船は、フェリーくらい。 豪華客船、いつか乗ってみたい! 職場が陸から海の上へと変わり、環境も変わって 仕事もうまくいく主人公がよかった。 乗客のそれぞれのストーリーで面白かった。
美容師の三品明(みしなあかり)は、職場で自分の居場所を失って自ら退職、その勢いで登録した求人サイトからの連絡で導かれた新しい職場は…クルーズ船。 横浜からベトナムまでを往復する〈ぎんが丸〉の美容室スタッフとして働き始めた明だが、これまでの職場とは勤務リズムも客の求めるメニューも、客たちとの距離も違っ...続きを読むていて…。 コロナ禍の今でなければもっと楽しく読めたとは思うのだけど…。 忙しい時もあるが、基本的にのんびりした勤務時間で、暇な時は美容室を閉めて船内を探険したり、他のスタッフが入れないパブリックスペースも割と自由に使える。かなり厚待遇だ。 美容室が暇というのも言われてみればそれもそうで、クルーズ船内で髪を切ろうという発想がない。ただパーティーやイベントがよく行われていてフォーマルスタイルでないと入れないパーティーもある。となれば、セットや着付けなどの需要が多い。また客だけでなく、イベントなどに出演する人々のセットもある。陸の美容室との違いは興味深い。 美容師は明一人だが、隣のエステスペースを切り盛りする吾郎は美容師免許と理容師免許両方を持っている強者で、着付けも早く正確で実に心強い。 看護師の夢やパーサーの美絵など、スタッフたちも親しみやすくすぐに仲良くなれている。 それまでの職場の行き詰まりからは一転、弛すぎる環境なのだが、第一話では何だか訳アリらしい家族と関わるうちに子どもたちが行方不明になるというスリリングな展開となる。 クルーズ船という閉鎖空間で半月も共に過ごしていれば、客とスタッフの仲にも距離が近付く場合がある。 第二話は戦時中台湾に住んでいたという老婦人と共に彼女がかつて過ごした地区を訪ねる中で出会った奇跡、第二話は〈ぎんが丸〉にずっと暮らしているマダムとエンターテイナーとの熟成した関係を明は見つめる。 それぞれ良い話だった。家族の話は子どもたちの健気な反抗がいじらしく、老婦人の話は戦時中や終戦直後にはこんな混乱と悲劇がたくさんあったのだろうと思ったし、マダムとエンターテイナーとの話は長い年月それぞれが抱えたものや人生があっての今の関係という感じで良かった。 ただ肝心の美容師としてのお仕事が脇に追いやられている感じで少し物足りなかった。 子どもたちを探したり老婦人の奇跡に一役買ったり、明の活躍もあるのだが、せっかく美容師という設定なのだから様々なトラブルや客たちの悩みを美容師としての腕を使って解決するという展開ならもっと良かった。
読み終わる前から、続編読みたいーっ!と思いながら。 高雄パートでは号泣。 続編続編! 待っています。
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