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最近の学説では「浮世絵の祖」といわれ、また「奇想の絵師」のひとりとして江戸絵画で注目の絵師・岩佐又兵衛を正面から描く、力作長編。
母のお葉とともに暮らす又兵衛は、寺の下働きをしていたが、生来、吃音が激しく、ままならぬ日常を送っていた。そんなある日、寺の襖絵を描きに来た絵師・土佐光信と出会い、絵を描く喜びを知る。
その後、自分の出自を知らぬ又兵衛は何者かに追われ京に移るが、新たに狩野派で学ぶ機会を得て、兄弟子でもあり師ともいえる狩野内膳と出会い、更なる絵の研鑽を積む。しかしある日、何者かに母を殺される。
その後もなんとか絵の道で生きていた又兵衛だったが、じつは自分の父は荒木村重であること、母だと思っていたお葉はもともと乳母で、しかも彼女を殺した首謀者が村重だったことを知る。
母を想い、父を恨み、人と関わることも不得手な又兵衛にあるのは、絵だけだった――。
Posted by ブクログ 2021年11月14日
海の見える寺に住み込み幼いながらも働く又兵衛は、吃音で生きづらい日々を送っていた。
そんな又兵衛が絵師と出会い、絵を描くことの喜びを知る。
絵の道を進みながら、自分の生まれを知り、母を殺された怒りや恨みを心に抱きつつ歩む、又兵衛の人生を描いた作品。
吃音とその生い立ちで苦労をする又兵衛なのだが、実...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月09日
米澤穂信さんの「黒牢城」を読んだ後なので、その息子の物語がより感慨を持って入って来た。
この作品で描かれる荒木村重は「黒牢城」の彼とは違うのだが、代わりに息子・又兵衛をずっと見守るのが母代わりとなった乳母・お葉と遠い記憶の中にぼんやりといる実母・だし。そして彼の一生を支えた絵。
彼は吃音により言葉で...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年02月16日
絵師の話が好きで、何冊か読んでいますが、今回も引き込まれました。
又兵衛とは何者なのか、という謎を秘めたまま、物語は進みます。狩野派の内膳、長谷川等伯、時の絵師に出会いながら、父親の結城秀康の義に応えるため、部下や家族といろいろな問題を起こしている松平忠直にも、忠義を尽くそうとします。
そして又兵衛...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年01月13日
「絵」は好きである
自分で描くことも好きであり、
観ることも好きである、
いわゆる有名どころの画家たちには
あまり興味はないけれとど、
少し外れたところ(?)に位置づけられている
画家たち
ニコ・ピロスマニ
フリーダ・カーロ
小川芋銭
モード・ルイス
グランマ・モーゼス
大道あや
…
辺りになってく...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月10日
谷津矢車の歴史小説。主人公絵師岩佐又兵衛は実在の絵師で荒木村重の子供というのも史実らしい。てっきり架空の人物架空の設定かと思ったのだが…。
物語は天賦の画描才能を有しつつも、将来の吃癖と不器用な生きざまの主人公又兵衛が、器用な立ち回りが生き残る必須の術ともいえる織田豊臣徳川の時代変遷の中に生きてい...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年10月16日
絵師の作品が谷津矢車氏の著作の中でひときわ際立っていることは誰もが認めることだと思う。
創作に携わるということは小説家も同じであると思うのだけれども、創作へ何かをささげるということと同義だと思うのですよ。
戦国時代に生まれて、様々なものを背負うことになってしまった又兵衛の絵に対する想いや他の絵師に...続きを読む
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