オルガスマシン

オルガスマシン

1,100円 (税込)

5pt

3.7

わたしたちは、男のために造られた。

カスタムメイド・ガールたちは、コンクリートの島で造られる。
男たちの妄想と欲望が具現化された姿で。
箱に入れられ、ご主人のもとへと出荷されたカスタムメイド・ガールたちを待ち受けるのは、男による男のための世界の男たち……。
巨大な青い眼を持つジェイド。彼女は人肌を着てセックスさせられ、股間に伊勢海老を装着した醜悪な老人に迫られる。
六つの乳房があり、顎に乳首が付いているハナ。彼女が届けられた先は、ファック・イージー・バー。ウェイトレスとして働きつつ、コイン一枚でファックされる。
猫のような耳と毛皮を持つマリ。彼女のご主人は動物調教師。檻に入れられキャットフードを与えられ、鞭で獣として調教される。
乳房が引き出しになっている重役用娘のキャシィ。ボスの煙草入れとして、パーティで愛想を振りまきながら、乳房に詰められた葉巻を提供する。
人間(HUMAN)すなわち男(MAN)である世界で、苛烈な運命に翻弄され、心を失い、絶望の果てにカスタムメイド・ガールたちは手を握った。

いま、破壊する。


「ワトスンが活き活きと描写しているのは遠い未来であり、そこでは人間はある性的な仕様書に合わせて育てられている。(中略)われわれ読者は無垢を頽廃と戦わせる文学の偉大な伝統の一つへと接続されてゆく。闇の中を手探りで進んでゆくジェイドは、ポーリーヌ・レアジュの『O嬢の物語』で無名の愛具がたどる道をふたたびたどっているようでもある。そしてそのキャラクターを置く舞台を生出すにあたって、ワトスンはシュールレアリズムの家具を借り、カフカに比べても異常で信じられないものと私には感じられる未来の映像を作りだしている」
――ウィル・セルフ

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オルガスマシン のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    SF。ディストピア。
    著者の作品は『エンベディング』『スローバード』に続いて3作目だが、今作が1番好き。
    近未来を描いたディストピア小説だと思うが、自分には架空の物語とは思えなかった。
    今作における女性の立場を、労働者・子供・ペット・養殖されている生物などに置き換えたら、現実に同じようなことをしてい

    0
    2023年05月03日

    Posted by ブクログ

    人類(human)=男(man)である価値観の下、女は男の所有物である「モノ」としてしか生きることを許されない未来。とあるコンクリートの島において、顧客たる男の欲望に基づき遺伝子改変と肉体改造を経て「製造」されるカスタムメイド・ガールたちの体験を描く物語。常人の二倍以上の大きな青い目を持つ素直なジェ

    0
    2021年05月13日

    Posted by ブクログ

    2023-06-06 再読
    とてつもない物語ではある。しかしながらその想像力はあくまでプレイメイト的な健全?な性指向の延長線上にあるように思える。いや、そんなことはないんだけど。
    何より恐ろしいのは、そういった社会の仕組みよりも、その仕組みが自己保存を目的として歪んで行った様にあるように思える。奴隷

    0
    2023年06月06日

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