〈正義〉の生物学 トキやパンダを絶滅から守るべきか

〈正義〉の生物学 トキやパンダを絶滅から守るべきか

2,420円 (税込)

12pt

3.7

偽善か? 使命か?

私たち人間は、地球に「六度目の大量絶滅時代」をもたらしてしまった。生物多様性を守るための学問、「保全生物(生態)学」の重要性がかつてなく高まっている。

それにしても、生物多様性を守らなければいけない理由とはなんだろうか? パンダやトキが絶滅すると、何か不都合があるのだろうか? じつのところ、生物学はこれまで「保全の理由」をうやむやにしていた。いまあらためて、「命」との向き合い方の話をしよう!

【おもな内容】
序章 生物の保全は必要か?
第1章 保全不要論――絶滅は自然の摂理か?
1-1 今と昔の生物多様性
1-2 第六の大量絶滅は自然のプロセスか?
第2章 ヒトがもたらした絶滅の歴史
2-1 ヒトの起源と世界進出
2-2 ヒトは悪気のない死神か?
2-3 未来の技術で環境問題は解決可能か?
第3章 強い種が弱い種を絶滅させるのは自然の摂理か?――〈弱肉強食論〉を考える
3-1 弱肉強食は自然の摂理か?
3-2 生存競争は大量絶滅を擁護するか?
3-3 社会ダーウィニズム――弱肉強食の誤解がはびこった歴史
第4章 トキやパンダは役に立つ?――脆弱な〈役に立つから守る論〉
4-1 役に立つ種
4-2 論理的にアウト――〈役に立つから守る論〉の問題点
第5章 〈正義〉の生物学――保全は人の宿命か?
5-1 人間非中心主義
5-2 そもそも種は存在するのか?
5-3 〈正義〉の生物学

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〈正義〉の生物学 トキやパンダを絶滅から守るべきか のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2020年09月06日

    なんで生物が絶滅する事が悪いの?

    この疑問に対するひとつの解答を提示する本。

    環境保全の理由としてよく挙げられるのが、「生物多様性を守るため」というもの。しかし、生物多様性を守る理由、すなわち「生物の絶滅は悪だ」と考える理由はあまり考えられていない。本書においては、この生物を絶滅する理由を倫理的...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月19日

    生物学の本のようで、歴史や倫理や哲学の本。
    答えがあるわけではなく、この本読んで自分で考える事が大事かと。
    言葉の定義や仮説検証の仕方に、筆者の研究者としての真摯な態度が見えて良い。

    0

    Posted by ブクログ 2022年01月10日

    「トキやパンダを絶滅から守るべきか」を念頭に、これでもかこれでもかと、仮説を説いていく内容だ。途中、苦しくなってくるが、読み終わった時には、納得感で満たされることになる。

    0

    Posted by ブクログ 2020年08月16日

    同じ疑問を抱いていた時にちょうど本書に出会った。動物を何故守らなければいけないのか、明確な結論を求めていた自分にとって、あらゆる方向から検証し自分なりの答えを考え続けることが重要であると突きつけられた印象。生物学の根本にして永遠のテーマになるのだろうか。

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    Posted by ブクログ 2022年12月01日

    答えの出ない問題という印象。著者の意見に納得できる部分もあれば、できない部分もあり、自分で考えることが大事なのかなと。

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    Posted by ブクログ 2022年02月03日

    ①生き物の保全はおこなうべきことなのだろうか?、②もしおこなうべきだとするならば、その理由はどこにあるのだろうか?という問いについて、保全不要論や弱肉強食論、役に立つから守る論などを論駁しながら考察し、どの生き物の命も尊重すべきであり、生き物を保全するのは正義に適うので、生き物の保全をおこなうべきと...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年06月06日

    生物学における倫理。倫理的に正しい直感が遺伝形質からくるのかもって話は面白かった。ITにおける倫理がちっぽけに思えるテーマだなあと思った。

    0

    Posted by ブクログ 2020年09月21日

    生物の絶滅を防ぐという一見当たり前のように思えることを、生物学だけでなく倫理学等含めて幅広く徹底的に検証しようとする姿勢が面白い。

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2021年01月12日

     表紙裏の言葉には

    過去の地球で起きた五度の
    “大量絶滅”をはるかに凌ぐ勢いで
    生物多様性が失われつつあることがわかってきた。
    この第六の大量絶滅期を生きる私たちは,
    生き物の保全をおこなうべきだろうか?
    もしおこなうべきだとすれば,
    その理由はどこにあるのだろうか?

    と書かれている。本書には,...続きを読む

    0

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