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沖縄の夜間中学で化学を教えることになった著者。生徒の多くは戦争で学校へ行けなかった、おばあたちだった。化学式や計算ではなく、料理から化学変化とは何かを学び、石けんづくりから酸とアルカリの性質を知る――おばあたちの昔話も飛び出して、化学の世界が実体験と重なってゆく。楽しい授業へ、めんそーれ(いらっしゃい)!
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Posted by ブクログ
化学が嫌になる理由のひとつに、現実とは離れた感じで、しかも目に見えないようなことを学ぶから(イメージするのも楽しいが)というのが個人的にはあるのだが、この本では「日常のこと」を切り口に化学を説明しているので、とっつきやすくおもしろかった。特に、糖分は入っていないのに甘くなるカロリーゼロのコーラは、人...続きを読む工甘味料を分解できる消化酵素が体内にないので取り込めない→カロリーを摂取できない、というのを知って感銘を受けた(言い過ぎ?)。教科書にとらわれず、他人事ではなくこういった自分事として受け止められる、ある意味生徒も受身になるような?感じの授業をしてくれる先生が増えてくれたらいいなぁ〜と思う。
こんな理科の授業だったら理科も好きになれただろうなぁと思う。ゲッチョ先生の身近なものから理解しやすく見せてくれるやり方もいいし、夜間学校の生徒さんの戦前から生きてきた生活の濃い話が絡んでくるのもおもしろい。生活のなかに、実際に経験したりよく見てきたことでないと、教科書だけでは頭に入ってもほんとうの理...続きを読む解と繋がることはできないんだなと思った。
学生時代、化学は暗記が多いし、楽しさを見いだすきっかけが見つからなかったから苦手で何かと回避してました。 それが、生活のあれこれと結びつくものだと実感できるとこんなにも面白く感じられるものとは! ただ、もしかしたら学生時代にこの本を読んでもそこまでではなかったかも。 主婦として家事を日々やるようにな...続きを読むったからこそ、おばあ達と共鳴(?)できるのかもしれないです。 今なら自分も1つの実験から日常に即した興味関心がどんどん派生していけそうです。 おばあ達の体験談には戦中戦後の話が多く、生活史としても貴重な話が多いように感じました。
ゲッチョ先生の本は生物(植物、菌類、昆虫、動物など)ばかりだったので(多分。私が読んだ・見たところでは)、理科の先生だと知っていても「化学」は意外な感じがした。 が、読んでみると、さすがゲッチョ先生、化学でも切り口が面白い。 沖縄の夜間中学で「おばあ」たちに化学を教えた体験から書かれた本で、おばあた...続きを読むちは正式に化学を学んだことは今までなかったわけだが、アメリカ統治時代を生き抜いてきた人たちだから、人生経験、生活体験が豊富で、ゲッチョ先生の問いかけに具体的な反応をしてくれるのがいい。ある意味、おばあたちも先生なのである。おばあたちの経験にゲッチョ先生が化学的裏付けをしてくれる。 『ロウソクの科学』に書かれていたような実験もあり、『ロウソクの科学』より読みやすい。 ゲッチョ先生がいい先生だな、と思うのは、謙虚であること(おばあたちの経験を敬意をもって聞いている様子がわかる)、とにかく生活に根差していること。理科の授業が面白くないのは、「これ勉強して何の役に立つの・何の意味があるの」と思うから。二酸化マンガンに過酸化水素水をかけて水上置換で酸素を取り出すことに何の意味があるのかが全くわからなかった。 ゲッチョ先生の授業は、化学がどのように生活の中で生きているかをきちんと教えてくれる。 「濁っている」もの(例えば水溶き片栗粉)と「溶けている」もの(例えば砂糖水)と「濁ったままでいる」もの(例えば牛乳)はどう違うのか初めて知った。 あとこの世には「金属」と「非金属」と「金属と非金属がくっついたもの」でできている、とか金属の3大性質は「みがくと光る」「電気を通す」「たたくと延びる」である、とか、すっきりしてわかりやすい。私の人生でこんなにすっきりと教えてくれた理科の先生はいなかった。単に運が悪かったのか?いや、やっぱり、教え方が下手な先生が多いんだと思う。だから理科が嫌いになる子どもが多い。 小学校高学年以上の児童生徒に読んでほしいが、化学を教える先生にもぜひ読んでほしい。学習指導要領とか縛りはいろいろあると思うけど、魅力のある授業をしてほしい。私も子どもの頃にゲッチョ先生に教えてらってたら、人生変わったかもしれないな。
「ほぼ日」で紹介されていて読みたいと思った本。 すごくおもしろかったです。 著者が沖縄の夜間中学校で実際におこなった理科の授業を文字に起こしたもので、この時の生徒の多くは戦争で学校に行けなかったおばあさんたち。 その日の授業のトピックに導かれて、連想ゲームのように生徒たちから飛び出す昔話がびっくり...続きを読むするくらいおもしろい。ただの「化学についての読み物」というだけじゃない、不思議な魅力にあふれた本です。 本のテーマはあくまでも「化学」だから、生徒たち一人一人の顔までは詳しく見えてこないのですが、それでいて、ときどき、戦争による大混乱の沖縄で懸命に生きている人々の姿がふっと目に浮かびます。 え?っと思っても、話はすぐまた授業に戻って化学のお話。 まるで魔法の力でほんの一瞬だけ過去に時間を遡り、チラっと昔をのぞいたらすぐまた戻る、ということを繰り返しているような、そんな本でした。 「自分は学校に通いたいと思って60年待ちかねていました。ようやく、私が通える学校ができました」という言葉に見られるような、いくつになっても学びたいという姿にはとても心動かされます。でもこの本を読んでいると、それ以上に、彼らが生きてきた長い道のり自体に自然な尊敬の気持ちを抱いてしまいました。
学校に通えなかった沖縄のおばあに夜間中学で化学を教える作者。化学はものの学問。「へぇー」ではなく、「あぁ」と思わせる。生活や身近な物の学問である化学に魅力を感じるとともに、人に物を伝えたり教えたりする難しさと面白さを感じた。 ジュニア新書であり、これから化学を学ぶ学生やいま勉強している学生、教員を目...続きを読む指す学生はもちろん、我々おっさんも、あれって化学のこのことだったのか、とか、共感するつたえかたとか、学ぶところは多い。
普段自分がやっていたり目にしたりする作業や活動の中にはサイエンスがたくさん詰まっていて、そのほとんどをサイエンスで説明できる。 それらは深堀していくと結構難しかったりするのだけど、そういった知見を沢山持っていると生きてる上で絶対楽しいし日々の生活に役に立つから、(いまからですが)生涯学び続けていきた...続きを読むいなあと思った!
身近なものから化学を学ぶ沖縄の夜間中学での授業を基本に書かれた本 化学に興味がある人はよんで実験してみたり 子供と一緒に実験したら面白いんじゃないかな
日常と化学をつなぐ授業。それは簡単なようでそれほど簡単ではなさそうです。聞き手が新しい若い生徒ならともかく、人生経験も年齢も違う「生徒」が相手ならなおさら。いろいろと学ぶことの多い一冊。
沖縄に移住したゲッチョ先生、夜間中学で化学を教えます。そこでの生徒は、沖縄のオバアやオジイたちと外国人。実生活に沿った実験と授業で大いに盛り上がった様子。生活での体験を科学的に説明し、生徒たちも楽しく理解できているようだ。 ゲッチョ先生は、埼玉での中高での授業も楽しくわかりやすかったのだろうなあ。
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