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フランスの田舎町でゲストハウスを営んでいるアレックス。あるとき、宿泊客としてやってきたゴンクール賞作家のシャルル・ベリエに襲われ、彼を殺してしまう。彼女は夫にも事情を隠してパリへ行き、殺人の隠ぺい工作を始める……スピード感あふれるサスペンス
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Posted by ブクログ
著名な作家を殺害してしまった女が、罪から逃れるため作家のアシスタントを装いながら、自分以外のもっともらしい犯人と動機を探すために調査する話。着想が斬新で、また主人公の追われる者としての心理にも重きをおいたサスペンスとしても魅力的だった。あとがきによると続編を執筆中らしいので楽しみです。
かなりな周到さで、アレックスもれっきとしたソシオパスですね。どうなるんだろうと思いましたが、うまくいくもんなんですね。本当のレオが現れたら一気に崩れ落ちるような気はするのですが。
設定は面白い。ただ無理があるなあと随所で感じました。指紋認証ってそんな感じ?とか。実際その通りなのかもしれないけどそういう細かいところもなりすましの面白さ・リアリティをだすところかなと。フランス人の名前は男女が分かりにくかったです。
プロットは面白い。襲われ男を殺してしまったが、過去の犯歴でいくら正当防衛とはいえ情状酌量は望めないと判断した主婦。そんな彼女は作家崩れの知恵を働かせてその罪を他者に負わせようと奮闘する。結末が気になり一気に読んだ。 そんな都合よくいくか!な場面もあるが、昨今の人類総SNS時代、起こり得る話でもあると...続きを読む思った。
フランスのミステリ。 興味を引くタイトル通り、着想が面白い。 フランスの田舎町に住むアレックスは、家族とは睦まじく暮らしているが、人中に出ることのない内気な女性。 小説家を目指していたが、今はほぼ諦めていました。 家族と営む民宿に、思いがけなく有名作家のシャルル・ベリエが滞在することに。 お忍びで...続きを読む作品を完成させたいというのだ。 気さくで話し上手なベリエは家族を魅了するが、アレックスは次第に圧迫感を覚える。 ある晩、ベリエに襲われて、抵抗した勢いで殺してしまったアレックスは‥ この宿に来ることを誰にも教えていなかったベリエ。 複雑な性格で、勝手な行動も多かったため、隠蔽できるのではないかとアレックスは思い立つ。 変身してパリに出て、アシスタントと名乗って行動し始めるのです。 ある意味ファンタジックな興味深い展開。 ‥しかし捜査したら、こんなのバレるよね?! と思うと、感情移入はしきれず、はて? 作家らしいややこしさや身勝手さを隠蔽に生かしたり、ある程度才能ある女性だからこそベリエの作品や周辺のことを理解し、出来る立ち回りなど、フランスらしいエスプリは感じられます。 続編があるらしいのだが、えええ?それって~…
着想のフレンチミステリ。まさに。 アレックス一家の営むペンションに訪れた有名作家ベリエ。 その屈託のなさで家族にあっという間に馴染み溶け込んでいたかと思えば、その裏では自身の新作の題材に家族のイメージを勝手に使ってしまうあざとい男。 あげくの果てに、アレックスのサプライズ誕生日パーティーの夜にア...続きを読むレックスに言い寄り襲い掛かる。 アレックスは抵抗する中でベリエを殺してしまう。 そこからが真骨頂。 単純な隠ぺい、逃避、しら切りではなく、他の誰かに罪をなすりつけようとベリエのアシスタントに成りすまし、関係者から候補者探し。 いかにも素人めいた手口や無理のある偽装工作、結末への舵切りには改良の余地ありだが、コンテキストの斬新さに推されてページが進む。
いつ、どこから破綻するのかとハラハラしながら読んだ。意外な展開な気もするし、でも予定調和な気もするという不思議な感じ。 にしても斬新な設定というかアイデアだなと思いながら読んだあと、訳者あとがきで、それがフランス文学の特徴みたいなことが書かれていて得心した。
小説家になる夢を叶えられなかった主婦がひょんなきっかけから高名な作家に成り代わる過程で新たな人格を表出させて完全犯罪が遂に成就するのだが、主人公は何事もなかったかのように元の生活に戻れるものだろうかという疑問を持たせたまま物語は終わる‥‥ と思いきや、作者は続編を用意しているらしい。生まれ変わったこ...続きを読むこから先の主人公の運命の 方がより興味深い物語になるのではないかと期待してしまう。
題名に惹かれて読んだが、他人の人生を送る女性、というなんとなくありがちな話だったし、結末というか問題の解決策も尻すぼみな感じがする。 本国ではシリーズ化されるというが。
書評家筋で評価が良さそうだったので読んでみたが、珍しくぼくの予想は裏切られ、惨憺たる読後感に終わった一冊。 出だしこそ、小説家志望の女性とその家族、そこにお忍びで訪れる有名作家という、文学の香りを散りばめたシチュエーションが素敵であり、本好きの読者は即刻物語の重厚さに引き込まれると思う。 ...続きを読むしかし、いざ事件が起こり、その結果をノワール風に展開する段になると、あまりの力技的プロットにその時点からついてゆきにくくなってしまった。文学的な手段を用いてゆくにしても、スタート時ほど表現として入れ込んでくれないのが残念である。 次にヒロイン造形について難があり過ぎるとも思える。いくら追い詰められたヒロインとは言え、夫と二人の子供たちへの思いやりをほとんど見せず、保身のための計画を構築し、思い切った行動に出ること自体、ストーリーとしては意外だし、それ自体が本書のエンターテインメント部分であるとは言え、あまりに不自然過ぎる。 ヒロインの無茶や軽薄な行動は、いくつもの幸運で救われるが、先の見えない不安が強いて言えばノワール的でありながら、あまりにも展開に無理がかかり過ぎているような気がする。彼女の行方をどうやってか探り当ててしまう夫の行動についても、両親不在の子供たちの世話についても、説明はされない。 とことんヒロインの視点でしか物語られないゆえに、謎に謎を積み重ねてゆくばかりで、しかもヒロインがあまり好きになれないばかりか、読者も家族も裏切るような軽率な行動をとることで、もはやぼくはヒロインを許せなくなった。 女性によるノワールは珍しいように思うが、エンターテイメント性を重視して、しかも結果が結果なのでノワールというより、ブラックだったのか、との印象。わかりにくいかもしれないが、ジャンルはノワールとは異なると思う。 作家は同じヒロインによる次作を準備中らしいが、そこで本書の欠点をフォローできるかどうかも注目しておきたい。もしかして大逆転があるかもしれない、とわずかに期待したいが、今の時点ではどうにも……。
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