大学教授が、「研究だけ」していると思ったら、大間違いだ! 「不人気学科教授」奮闘記

大学教授が、「研究だけ」していると思ったら、大間違いだ! 「不人気学科教授」奮闘記

1,540円 (税込)

7pt

“大学崩壊”なんて嘆いている暇はない!
高校から「模擬講義」を依頼されれば、PRのためにと馳せ参じる。研究室を維持するためには、学生指導と予算確保が欠かせない。組織の一員として働く限り、重たい役職が降ってくる。……教授は水面下で、こんなにも努力している。


【内容紹介】

東京大学工学部で助教、助教授、そして千葉大学工学部で教授を歴任した斎藤恭一氏。しかし、その所属学科は、放っておいても学生が志望して入ってくるような「人気学科」では決してなかった。
少子化と大学間競争が激しくなるなかで、高校や予備校に赴いては、学科、学部、ひいては大学の魅力をPRするために「模擬講義」を行う。さらには「理科離れ」を防ごうと、「市民講座」で熱弁をふるう。大学内においては、講義に対して迫りくる学生からの「授業評価アンケート」にもひるまずに、見事に「ベストティーチャー賞」を受賞。ときに学生生活を充実させてあげようと、新入生や学部生を、合宿や工場見学に引率して盛り上げる。大学組織、研究室の運営を円滑に進めるためには、重荷であっても役職に就き、ゼミ生の論文を添削指導する。研究費の確保、研究の実用化を目指して、科研費を確保し、産学連携に務める。
千葉大学名誉教授が、37年間の研究者、教育者生活のなかで日夜奮闘してきた汗と涙の記録!


【本文より】

「研究」は一人で成し遂げられるものではない!

「あなたの研究の目的とは?」と尋ねられたときに、「発見と発明」、すなわち「『これまでわからなかったことを解明する』『これまでなかったものを発明する』ことをめざして、研究を続けてきました」と言うのが、大学教授として立派な答えかもしれない。
私の場合は、研究とはそんなものではなく、よいときも、そうでないときも、学生との格闘であった。しかし、学生がいたからこそ、研究を続けることができたのは確かである。〈――終章より抜粋〉


【目次】
序章 「大学崩壊」と嘆いても始まらない
第一章 未来ある高校生に必死でPR
第二章 市民にも「理科」に馴染んでもらおう
第三章 「学生指導」はテンヤワンヤ
第四章 大学という「組織」の経営は悲喜こもごも
終章 「研究」は一人では成し遂げられない

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大学教授が、「研究だけ」していると思ったら、大間違いだ! 「不人気学科教授」奮闘記 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    大学教員の仕事を様々に挙げている。特に高校での出張授業や予備校での講演についてはいままで記載した本がないので参考になろう。
     さらに卒論を書いている学生及び修士課程に進んだ学生にとっては、自分の研究生活の参考になると思われる。工学部だけでなく理系の全ての学部で考えらえるであろう。
     さらに数学や理科

    0
    2021年08月05日

    Posted by ブクログ

    大学教授が、「研究だけ」していると思ったら、大間違いだ! 。斎藤恭一先生の著書。斎藤恭一先生が研究者としても教育者としても広報担当者としても誠心誠意全力で奮闘されていることがわかる良書。大学教授というと高学歴で上から目線で偉そうな態度で研究や研究生活に没頭している世間知らず人間というイメージを持って

    0
    2020年09月26日

    Posted by ブクログ

    全然知らない世界の話で面白かった。
    大学の教授といったら、イメージ授業して研究して、時に執筆してと言うイメージだったがこんなにあっちいったりこっちいったりして生徒を集め資金を確保し、講演会を持ち回りや義理でしなきゃならないのかと思った。

    0
    2020年08月25日

    Posted by ブクログ

    大学教員の仕事は多岐に渡るからこそ、若いうちに研究に打ち込めないと研究者としての柱ができないものだと思った。大学パーマネント職に就けたら研究できると思ったら大間違いだ。全く逆だ。

    0
    2022年08月08日

    Posted by ブクログ

    大分珍しいタイプの教授のようで。大学院は縁の無い世界だったから、その辺は興味深く読ませて戴きました。

    0
    2020年12月28日

    Posted by ブクログ

    オープンキャンパスに高校への出前講義など、大学教員の仕事は増える一方。しかし、逆に、広報活動で外に出してはマイナス広報になる大学教員が居るのも事実。が、その点については、さすがに触れられていない。

    0
    2020年11月02日

    Posted by ブクログ

    理系離れ。学生集めに奮闘する工学部教授。ダジャレ満載の中、実は熱い教育論。

    志願者を増やすべく高校での出前授業や市民講座。その中で教授の元で学びたいと入学した学生は1万人中のわずか3人だったという。それでも貴重な出会い。筆者は呼ばれればどんな高校へも出張する。

    高校生で進路を決めるのは難しい。筆

    0
    2020年10月06日

    Posted by ブクログ

    千葉大学工学部を定年退職された斎藤先生が,自身の大学教員生活を振り返った一冊。斎藤先生の工学部での研究・教育体験が述べられているだけであるが,一昔前の大学教授とは違って,最近の大学教員はこんなこともしてるのか,と言うことがよく分かるでしょう。これから大学教員生活を始める若手の先生にも役立つかもしれま

    0
    2020年08月22日

    Posted by ブクログ

    大学教授の裏話。
    ありそうでなかったぶっちゃけ話。
    国立大学とはいえ、
    今は競争社会に飲み込まれて大変だよなぁ。

    学生の質もさまざまだろうし。

    でも、こういうことがオープンにできる時代がきたってのはいいなぁ。
    なかなか興味深い内容だった。

    0
    2020年07月20日

    Posted by ブクログ

    タイトルにある通り「大学の教授は研究ばかりをしているわけではない、他にも様々な仕事があるんだ。」ということを著者のエピソードをもとに紹介しています。


    例えば、高校へ出向いての模擬授業、市民講座での広報活動、大学での講義、学生の研究・論文指導、学内の委員会運営、研究費獲得のための書類作成、企業との

    0
    2024年01月28日

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