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Posted by ブクログ
六カ国協議の日本代表をとりまとめたアジア大洋州局長であり,最終的には外務事務次官であった藪中氏。
その外交の実質トップが退任してすぐに書く外交の本なのだから,おもしろくないはずがない。
普段,「外務省は・・・」と否定的に捉えることが多かったが,その外務省が実はどのように活躍していたか,活躍していなかったかがわかった。国際政治のバランスのようなものも感じ取ることができる。おもしろい。
日本的外交は非常に敏感。例えば,オバマ大統領の一般教書演説に日本の名前が出るかどうかなどは,本来,日本としてはそれほど気にする必要がない事項。にもかかわらず,とくにマスコミが先導して,相手の反応を過大に感じ取りすぎ,自ら不利な方向に動くよう働きかけてしまうという点には納得。
Posted by ブクログ
元外務事務次官の藪中さんの実録。
外交、という交渉事の最上級ステージをどのようにとりしきるか、については自信の経験をもとに非常に示唆にとんだ解説だった。国家を背負っている立場から、最初は高めのたまを投げる。その上で各省の実情を把握して振り幅を決めて、最終的に60vs40になるように交渉をすすめる。このへんのノウハウは日常にも活かせるものだろう。
それと、非常に共感したのが日本における最大の問題はデモグラフィー(人口動態)であるということ。少子高齢化、というが高齢化はよい、世界に誇って良い。少子化、がまずい。労働力人口の減少は、どんなすばらしい経済成長にも変えられない。これを止めるためには、出生率をあげるか、移民を受け入れるかしかない。薮中さんは割りと後者を推している感があったが、個人的には前者に注力すべきだと考えている。
いずれにしろ、今後の日本というマクロの視点でも、日々の交渉ごとというミクロな視点でも、とてもためになる本だった。
Posted by ブクログ
小泉政権時に外務省の事務次官を担当した薮中氏の著書。元官僚が政治や現役官僚をバッシングするような今はやりの内容ではなく、外交交渉における交渉のポイントを平易な言葉で現実の案件を例示しながら記している。非常に読みやすい。
元事務次官ということで外交関係の秘密や暴露は一切なし。ポイントも外交交渉において求められる人間と人間の関係とは、ということを中心に書かれているので具体的な事案の内容を知りたい読者には物足りないと思う。その意味で記録ではなく、ビジネススキルに近い内容である。
しかし、本書を読むと、外交とは国のエゴのぶつかりあいだとか、政治家のパフォーマンスだとか昨今いわれるが、そうではなく、自国の課題や現状をしっかり踏まえて、言うべきことは論理的にしっかり伝え、そして相手と信頼関係をしっかり作ってお互いに妥協点を探っていく、そういう当たり前のことが必要であるということが改めて理解できた。
今の日本を考えると、信頼関係という意味では総理も外相もコロコロ変わり、言うべきこと、伝えるべきこともコロコロ変わるは、言うことは言わずに国内で騒いでいるだけだし、日々国益を損なっているのではないかと危惧してしまう。
これは民主党や今の外務官僚のせいではなくて、一部の国民が、非常に一面的に自己の利益ばかり主張し、それを誇張して報道するマスコミがあり、そして何の責任もとらないその他の一般国民が評論家的に政治・行政を批判し、そして政治・行政がそのポピュリズムに負けてしまい何も決められない・・そんなことの繰り返しであると今更ながら考えた。
Posted by ブクログ
良く言われる話であるが、日本は欧米という目標に追いついた後、方向性を見失った。著者の言葉「日本人は、戦後、何はともわれアメリカの言うとおりにしよう。それが間違いの無い道だ。という単純な思考パターンになったのではないか。」 外交の交渉担当のトップでもあった氏は、日本の政治家/官僚は米国の要求をいかに応えるか、のみに神経と思考を巡らし、どのように相手を攻撃(オフェンス)するかの思考が欠けている述べている。
外交に限らず、仕事でも顧客様の要求に如何に応えるかが大事なポイントであることが多い。しかし、この思考パターンは、極めて日本的であるのだろう。ビジネスであれ、外交であれ相互依存関係が必ず成立する。その関係においては、相手を攻撃したところで簡単に関係は崩れるはずはない。交渉の現場では、如何に相手に過大な要求をつきつけ、如何に相手の弱みを攻撃し、どのように味方の強み/功績をアピールするか。 氏の経験談も交えて分かりやすく説明している。
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ビジネス・実用
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