最後の社主 朝日新聞が秘封した「御影の令嬢」へのレクイエム
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最後の社主 朝日新聞が秘封した「御影の令嬢」へのレクイエム

1,815円 (税込)
1,270円 (税込) 6月6日まで

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日本のクオリティ・ペーパーを自任する朝日新聞社。その朝日株の6割を握っていたのが、創業者・村山龍平と村山家である。
そのため、朝日新聞は村山家を「社主」として手厚く処遇しつづけた。
その「最後の社主」となった村山美知子は、1920年、新聞王と呼ばれた村山龍平の孫として生まれた。母・於藤は龍平の孫、父・長挙は子爵・岡部家から婿入りした旧華族だった。
朝日新聞が生み出す巨大な利益と、華麗なる血脈――美知子は、妹・富美子とともに、神戸・御影の邸宅と有馬温泉の別邸を行き来しながら育った。日本舞踊、古式泳法、スキー、茶道、ピアノなどを学ぶ、日本有数の「深窓の令嬢」――それが村山美知子だった。
戦後、海軍大将の長男を婿に迎えるが、朝日新聞の経営に興味を示さず、離縁してしまう。傷心の美知子は、音楽の世界で活躍することになった。
朝日新聞が後援する日本を代表する音楽祭「大阪国際フェスティバル」の専務理事として、世界各国から有名指揮者、オーケストラ、将来有望な若手を招聘した。小沢征爾、カラヤン、ルービンシュタイン、ワイセンベルクらが美知子に深い信頼を寄せた。
一方、朝日新聞の経営陣は、株を握る村山美知子の機嫌を取ろうと奔走する。専任の「秘書役」をつけ、お気に入りの高級パンを届け、記者出身の役員は慣れない茶道に挑戦し足がしびれて昏倒した。
誕生会や村山家の祭礼には編集幹部がこぞって参加し、お祝いの言葉を述べた。
しかし、子どものいない美知子社主が高齢になるにつれ、朝日株の行方が焦点になる。朝日経営陣は、あの手この手を使い、美知子社主から株を奪おうと画策した――。
その最晩年に「秘書役」となった元事件記者が、朝日新聞最大のタブーを赤裸々に明かす。
朝日経営陣は、どうやって村山家から株を奪ったのか。
巨額の税金をどのように処理したのか。
朝日新聞株が外部に流出する可能性もあった、最大の危機とは。
新聞、メディア経営の深奥に迫る、驚愕の書。

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最後の社主 朝日新聞が秘封した「御影の令嬢」へのレクイエム のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    津田大介さんのポリタスTV で樋田さんのお話を聞いて大変感銘を受け本書を知った。
    ものすごいルポルタージュだ。ルポルタージュの意味は本来のフランス語で探訪と聞いたことがある。
    ニホンというクニの近現代史、ジャーナリズム、メディアのみならず文化という観点からもまさに社主美知子さんその父母や祖父母が、生

    0
    2022年09月04日

    Posted by ブクログ

    【まるで奇跡のような、素敵なおばあちゃんだった、と何度も思い返している】(文中より引用)

    朝日新聞創業者の孫にして最後の「社主」となった村山美知子。芸術活動にも身を捧げた数奇な人生を追いながら、経営陣との長年にわたる複雑な関係を描いた一冊です。著者は、自身も朝日新聞社で活躍した樋田毅。

    村山美知

    0
    2021年08月05日

    Posted by ブクログ

    色々考えさせられる1冊。
    以下自分メモ。

    男社会サラリーマン社長と、家と名誉を背負う前提がある生まれながらの金持ちオーナー一家では、前提とする価値観も利害も違うがために、どこかでもめるのは必然だったんだなーと。モメそうなポイント全てでもめていて、誰かなんとかできなかったのか?とさえ思いました。でも

    0
    2021年03月05日

    Posted by ブクログ

    よくぞここまで赤裸々に書き連ねたものだと感嘆した。

    朝日新聞の歴代経営陣を実名を挙げて批判しているが、
    おそらく躊躇う気持ちもあったであろうに、
    そこはボカさずに、ストレートに書いている。

    肝心の、最後の社主が保有していた株がどこにゆくのかが気がかりだが、
    それは朝日新聞が心配すべき話であり、私

    0
    2020年06月19日

    Posted by ブクログ

    本当ならクラシック音楽に関心のある人が読むとよいのだけど。
    3代目の社主が日本のクラシック音楽にもたらした功績が描かれている。朝日新聞社の社主だからできたことだと思われていたようだが、欧米の音楽家を日本に招いて満足のいく演奏をしてもらうのは、目利きと経営能力と愛がなければできなかったことのようだ。

    0
    2022年11月23日

    Posted by ブクログ

    運命に逆らえないが信念を貫く村山美知子さんは周囲からの翻弄に対峙していく。資本と経営の問題は、朝日新聞者の創業者から筆頭株主へと移りゆく村山家に様々な苦難を強いられていく。その渦中に美知子さんは大阪国際フェスティバルをスタートさせて世界からの喝采を浴びる功績を残したことは偉大である。どこぞの連中がす

    0
    2022年09月27日

    Posted by ブクログ

    元朝日新聞記者で、阪神支局襲撃事件を長年取材している著者。社主担当の「大阪秘書役」で、最後の社主、村山美知子さんの側で見聞きしていたことを記録したのが本書だ。神戸の高級住宅地、御影に香雪美術館を抱える大邸宅に一人暮らし。著者が「最後の令嬢」と称する通り、有馬や麻布などに別荘も抱え、昭和初期の上流階級

    0
    2021年05月21日

    Posted by ブクログ

    ★消えた日本の貴族★上野家を上回り朝日新聞の最大の社主であった村山家。貴族のような育ちをした最後の社主、村山美知子氏の晩年に仕えた元朝日新聞記者の記録。

    朝日にとって、目の上のたんこぶであった社主をいかに排斥するかは長年の課題だったろう。著者から見ると、その対応は特に亡くなるタイミングで礼を欠いて

    0
    2020年09月24日

    Posted by ブクログ

    前半は主人公のクラシック音楽の取り組み、後半は朝日新聞と創業家の攻防という内容。細かい話は知らなかったが、大きな組織は大変と感じた。
    暴露本というよりも、深窓の令嬢がどのような人生を送ったかを知る本と感じた。

    0
    2020年08月12日

    Posted by ブクログ

    他の企業ではあまり聞かないけれど、新聞社では経営者とは別に社主という存在を耳にします。海外では、ワシントンポストではジェフ・ベソスがその役を担うようになってから猛然とデジタル化を推進しているし、ニューヨークタイムスでは創業一族のA.G.サルツバーカーに代替わりしてから、同様にDXが進んでいます。やっ

    0
    2020年06月21日

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