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2007年夏、「闇サイト」に金目的で集まった3人の男達に惨殺された、大切な一人娘――。残された母は、交際を始めたばかりの恋人や、大切な友人を残して逝った娘の無念を晴らすため、2019年7月の死刑確定まで戦い続けた。初めて明かされる獄中から届いた犯人の驚愕の手紙とは? 12年間の深い悲しみと、戦いの記録。
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Posted by ブクログ
やっぱり死刑は必要だね。生い立ちや環境でそうなったのではなく、生まれつきの悪人っているんだと思う。そんな奴らに更生なんて必要ない。
いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件 著者:大崎善生 KADOKAWA 2016年11月30日発行 いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件 著者:大崎善生 KADOKAWA 2016年11月30日発行 2007年に起きた件の事件は、インターネットで犯罪を呼びかけ、呼びかけられた知らない者同士3人(...続きを読む当初は4人だった)が、通りすがりの被害者を拉致監禁し、まるでビジネスをするかのように平然と強盗殺人を犯したという、今という時代の新しい犯罪パターンだったという点で注目を集めたが、もう一つ忘れられないのは、報道された被害者の最期の言葉「(暗証番号を教えたら)殺さないって約束したじゃない」により、被害女性の悔しさ、悲しさ、無念さが多くの人々に伝わった点だ。 この本を読むと、彼女の殺され方は本当に悲惨、残酷きわまりないことが分かり、それは1988-89年に東京で起きた女子高生コンクリート詰め殺人事件にも匹敵するほどの酷たらしさだ。被害者の母親は、その悲惨な殺され方を全国を回って多くの人に隠さず話し、こうした事件が再発しないように訴えている。 彼女は手錠をかけられたまま、刃物で脅され、キャッシュカードの暗証番号を何度も聞かれたがなかなか言わなかった。強姦も仕掛けられたが、はねのけた。体は犯人から「マグニチュード10か」とからかわれるほどガクガクと震えたが、逆にそれが幸いして、嘘の暗証番号を言ったにもかかわらず、犯人にそれを信じこませた。 しかし、必要なものを聞き出した三人は、冷酷にも彼女の首を絞め、殺そうとする。彼女は失神寸前までいったが頑張った。腕がしびれた犯人は、コンクリートを砕く重いハンマーを彼女の頭に打ち付けた。それで意識がはっきりした彼女は言う。「殺さないって言ったじゃない」。さらに2度、ハンマーを打ちつける。「殺さないって約束したじゃない」「お願いします。殺さないで」・・・ その後、ロープで首を絞められ、頭にレジ袋をかぶせられてさらに打たれる。その数40。死因は窒息だった。 2960 これが嘘の暗証番号だった。名古屋大学の大学院で数学博士の学位を目指していた年下の恋人は、その数字が「にくむわ」を意味すると解読した。彼女は、最後の最後まで抵抗し、必死で生きようとし、かつ矜持を忘れなかった。 2歳の時に父親を亡くし、育ててくれた母親にマイホーム買うのを目標にためた800万円。それを命がけで守った。母親のために死ぬわけにはいかない、と思っていたとも推測される。 370ページの内、前半200ページは彼女の生い立ちから事件当日までの話。見てきたように生い立ちを書いているが、ほんまかいな、と疑いたくなった。そして、なんでこんなことを長々と書くのかと感じた。しかし、最期の彼女の頑張りようはその200ページがあればこそ理解できるものだった。ただし、著者が終盤の裁判記録あたりから犯人への憎しみをあらわにし、ノンフィクション作家らしからぬ面を見せているのが気になった。なお、著者は、「聖の青春」などのノンフィクション作品も書いているが、小説もたくさん出している。
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娘を奪われたあの日から―名古屋闇サイト殺人事件・遺族の12年―
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