下級国民A

下級国民A

1,650円 (税込)

8pt

住所不定、無職。マンガ喫茶で書き上げた作品が大藪春彦新人賞を受賞し、衝撃のデビューを果たした鬼才による初の随筆。東京で住所不定に陥るまでの被災地での経験を書く。

美しい国? 日本が? ―― この話、すべて真実。
石巻で、南相馬で福島で。
土木作業員の、除染作業員の、無数の「A」の、憎悪が渦巻く。
2020年度大藪春彦賞受賞作家、初の随筆。

バブル期は125名の社員を抱え、2400万円の年収があった「私」は、会社を破綻させたのち、兵庫県でコンサルティング業を営んでいた。 仕事は先細り、不安を覚えていた矢先、小さな土木会社を営む社長から、東北に仕事を探しにいってくれないかと持ち掛けられる。 東日本大震災が起きてから約半年。男性週刊誌に「狂乱の復興バブル」などという見出しが踊る時期だった。 月給40万、仕事が軌道に乗り儲けが出れば、それはきれいに折半しよう。 悪くない条件に乗って、私は仙台に入る。 しかし、女川町で最初の仕事を得たあたりから、雲行きが怪しくなる。 あくまで営業部長として東北に入った「私」まで、作業員の頭数として現場に出ることになったのだ。 そこには想像を絶する醜悪な現実があった。 住所不定、無職。 大藪春彦新人賞でデビューし、2020年に大藪春彦賞を受賞した注目の鬼才が書く初の随筆。

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下級国民A のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    赤松さんの作家デビュー前の壮絶な被災地生活。
    逃げれば良いのに抜け出せない、そんな状況がしかと伝わってきます。凄い本でした。
    私の同級生も派遣会社に就職後、未経験にも拘らず即、現場監督就任。入れ墨の入った方々をビビりながら指揮していたようで、ホント滅茶苦茶な状況だったようです。

    0
    2022年07月13日

    Posted by ブクログ

    人というものはいろんな重み付けで測られるものではあるが、その場のハッタリや腕力だけが物をいう世界があって、本書は間違ってそんなところに中年を過ぎてから入り込んでしまった男の悲喜劇。無論やられっぱなしではなく、筆者なりの打算や世渡りも描かれるが、読者からするとどうにも「取らぬ狸の〜」と感じてしまい、救

    0
    2023年08月31日

    Posted by ブクログ

    ショッキングな現実。作者の経験は特殊ではなく、時代を先行しただけ。これから日本はこんないきあたりばったりな現場だらけの国になるんだろうな。

    0
    2020年03月16日

    Posted by ブクログ

     東日本震災後の復興特需に群がる人間が描かれた「藻屑蟹」「ボダ子」は、あくまで小説だった。
     本書は、復興特需に乗っかろうとして、乗り損ねて住所不定無職となった筆者の随筆である。

     かつてバブル時代にはゴルフコースのコンサルタントとして120人の従業員を率いていたが、バブルとともに会社は弾けた。

    0
    2020年03月09日

    Posted by ブクログ

    著者の土木建設会社勤務時代を中心に自身の体験を率直にかつ平易な文で記した自伝的作品。
    まず、震災の復興作業に集まった作業員達の粗暴さと無教養さに驚くと同時に、土木作業の技術と適性なコミュニケーション能力の両方を備えていなければまともな職場で働くことはできないのだなと感じた。また、国の除染事業も美味し

    0
    2023年05月17日

    Posted by ブクログ

    著者の経歴が書いてあった
    ゴルフ場の管理、アメリカやイギリスではそんなに優遇されるのかとびっくりした。
    寄せ集めの作業員、底辺の人はそのレベルなのかと思った。まぁ私も底辺で下級国民だけれども
    六文銭の男が気になった

    0
    2022年09月08日

    Posted by ブクログ

    03月-09。3.0点。
    赤松利市本人の半生記。
    「鯖」を読んだとき「ナンじゃこりゃ」と思ってから、全て読んでいる。凄い人生を歩んでいたんだな。
    ある著作にも、同様の内容があった。モデルは著者本人だったんだなと再認識。

    0
    2021年03月09日

    Posted by ブクログ

    変わった雰囲気の文章です。
    除染作業まですることになった現場の雰囲気、仲間となる人たちの育ちを感じさせる描写など、なかなか壮絶なことが淡々と書かれています。

    0
    2020年09月15日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    赤松ワールド入門編に最適。将来、赤松研究書が出た日には初期必読書となるだろう。これまでに出版された「藻屑蟹」「鯖」「ボダ子」「らんちう」の原型的な出来事がそこかしこに簡潔に描写される。そして描写「されなかった」であろう詳細がこれからの作品で展開されることを思う。おそるべし。

    0
    2020年03月12日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    もともと会社経営で羽振りがよかった著者が食い扶持を失って福島へ、土方に混じって働くことになる。土方たちの単細胞ぶり、そのくせ競争心が高いのでみんなでスマホゲームに熱中する、スマホゲームやらないと怒るなど。性格的におかしいのもいて、いじめられるが耐える、家族に仕送りするためのカネが必要なので。
    最後は

    0
    2021年01月22日

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