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夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。環菜は就職活動の最中で、その面接の帰りに凶行に及んだのだった。環菜の美貌も相まって、この事件はマスコミで大きく取り上げられた。なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか?
臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、環菜やその周辺の人々と面会を重ねることになる。そこから浮かび上がってくる、環菜の過去とは? 「家族」という名の迷宮を描く傑作長篇。
第159回直木賞受賞作。
※この電子書籍は2018年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
Posted by ブクログ 2024年03月22日
物語の完成度が高すぎてびっくり。
本筋や伏線以外の細かなエピソードも全てどこかに繋がっていて全く隙がない。
被告人の人生を考えるとやるせないしセンシティブな内容なのに、最後は明るい気持ちで読み終えられた。
無駄が一切ない構成と、この内容でタイトルをファーストラブにするセンス、すごすぎるƪ(˘⌣˘)...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月14日
以前に映画を観たことがあったので大まかな内容は覚えていたけど原作は今回初めて読んだ。
幼少の沈黙を強いられ不健全な家庭環境から自分の気持ちを主張することなど思い付くことも出来なかった環菜。家族にすら抱えている苦悩や葛藤を理解してもらえなかった。むしろ環菜自身がおかしいのだと感じさせるように仕向けられ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月07日
物語の語り手である臨床心理士が過去に弁護士と知り合ったときの話、弁護士の兄である夫との出会いの話をもう一度読み返したいと思う。話の中心には画家の父親を刺した女子大生がいて、彼女の殺害動機を仕事を通して探り、言葉を拾いあげるうちに、臨床心理士と弁護士の過去のわだかまりが自然となくなり、夫も安心している...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月29日
映画を昔見たことがあり、この小説を読んだ上で再度映画を見た。キャストが、登場人物のイメージとピッタリ合っていて素晴らしいキャスティングだな‥と感じた。特に我聞さん!
当初考えていた事件?の内容が、ひっくり返されていき驚きだった。
こんな風に検事さんたちが環菜の心のうちに寄り添わなければ、裁判の結果...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月18日
2024/03/16
父親を殺害した容疑で逮捕された女子大生。
その事件を追う臨床心理士の主人公のお話。
義理の弟で弁護士である迦葉(かしょう)との関係性が初めから気になっていたんだけれど、2人の過去の話はなぜか泣けて泣けてしかたなかった。
お互いにしかわからない孤独があったはずなのに、その孤独ゆ...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月12日
島本理生さんの作品は初めて読みました。「ファーストラヴ」は、2018年の第159回直木賞受賞作品で、2021年には北川景子さん主演で映画化もされてますね。
父親の刺殺容疑で逮捕されたアナウンサー志望の女子大生と、その事件を題材に書籍化を依頼された女性臨床心理士、容疑者を弁護する義弟の弁護士らが真...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月02日
直木賞受賞作品とは知らずに読み始め、引き込まれてあっという間に読み切ってしまった。後味もスッキリしてて、好きな作品。
由紀と迦葉の過去と我聞の伏線回収もきちんと解決してくれて、読者を裏切らなくて素敵。
父親基準、母親基準で自らの意思を封印し、すべて自分の責任で収めないといけない、家庭環境に依存して、...続きを読む
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