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ドイツの町ルーレッテンブルグ。賭博に魅入られた人々が今日もカジノに集まる。「ぼく」は将軍の義理の娘ポリーナに恋心を抱いている。彼女の縁戚、大金持ちの「おばあさん」の訃報を、一同はなぜか心待ちにしていて……。金に群がり、偶然に賭け、運命に嘲笑される人間の末路は?
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Posted by ブクログ
テーマがギャンブルであり、普段隠れている人間の欲望がお尻丸出しぷるんぷるんである。そこをただの下世話なだけでなく、何に幾らいつかける、という人生そのものの縮図のように表現され、皆が共感できる作品となっている。こういう人生の苦悩的な作品はポールニューマンが映画でやると似合うな。→金持ちの老婦人が親戚連...続きを読む中の所にやってくる。遺産目当てのおためごかしをバサバサ斬ってゆくのが爽快。ギャンブルとは自分という人間を過信することとの戦いを表している。こういう人は戦国時代に生まれろ。
明らかにエンターテイメントの小説ではないことは確かでした。主人公であるアレクセイを通してドストエフスキーの思考および嗜好を伝えようとしているのは理解できました。 全てを理解することは難しかったが、訳者あとがきの定められた運命=ルーレットとする解釈など視点が穿っており、大変刺激的だった。
カネ、恋愛、名誉は改めて言うまでもなく、人間の欲望の根源である。そうした欲望を満たすために、程度の差こそあれ、誰でも無謀な賭けをした経験、したくなる衝動を感じるものであろう。ルーレットにハマる主人公を通して、そうした根源的な心理を追体験できる。 ただ、カラマーゾフの兄弟や罪と罰で感じたような、ここ...続きを読むろの奥底が揺さぶられるような刺激までは受けなかった。自分のギャンブラー的な側面を客観視し、ふと我に帰らせてくれるような、軽い快感を得られるくらいである。
▼「賭博者」ドストエフスキー。初出1866年ロシア。亀山郁夫訳、光文社古典新訳文庫。 ▼ドストエフスキーさんの未読の小説だったんで、いつか読もうと思っていました。電子書籍が割引セールしていたので購入。ドストさんはここ数年の間に「罪と罰」「カラマーゾフ」を再読して超絶にオモシロかった。10代の頃に多...続きを読む分ほかに「貧しき人々」「虐げられた人々」「白痴」「悪霊」は読んだんですね。どれも忘れているのでいつでも再読したいと思っています。それにしても題名だけ読むとどれもこれも陰鬱ですね…。 ▼罪と罰の後に書かれたものだそうで、中編です。総論、「なんだか設定がわかりにくかったんだけど、後半オモシロかった」ですね。 ▼1866年前後の現代劇でしょう。多分、ドイツかどこかの保養地に、ロシア貴族ととりまき一行が泊っていて、そこはカジノが有名。主人公は、多分全然金持ちではなくて、貴族一家の家庭教師の青年。で、とにかくちょっと初期設定がわかりづらくて、でもそのままどんどん読んじゃったんですが、 ・実はご主人様もそんな金はなく、親戚の遺産を当てにしている ・取り巻きの一人であるロシア娘に主人公は恋をしているが ・ロシア娘は弄ぶタイプではっきりしない。 ・そこにみんなが遺産を当てにしている、瀕死のはずのロシア老女が全快で登場して ・制止を振り切ってカジノで遊んでひと財産すってしまう。 ・主人公が惚れている相手はフランス人とくっついて ・主人公はカジノで大フィーバーで一気に大金持ちになり、別の女とパリに去るが ・やがて無一文に戻ってギャンブル中毒、カジノで下働きまで身を落とし、生きていく。 みたいなお話でした。 ▼で、なんだか基本的な前提がよくわかんないんですけれど(笑)、とにかくギャンブル場面が、アツい。ものすごい濃度です。カラマーゾフで、長男ミーチャの放蕩場面もすごかったんですが、こういうのドストさんすごいですね。体の奥から、精神から焼かれるようなギャンブルの魅力と怖さが、なんと言ってもハイライトでした。
326ページの中編。 とてもドストエフスキーらしいと感じた。 亀山先生言うところの「カーニバル的な」熱狂的な部分だけでできているので一気に駆け抜けるといった印象で読みやすいのでは。 解説によると『未成年』の中に、「金は、あらゆる不平等を平等にする」という一節があるらしく、まさにロシア人の金銭感覚を...続きを読む端的に言い表していて、金は労働から得るものではなく、贈与か、せがんで手に入れる、もしくは強奪するものらしい。 知ってたけど…ロシア人おかしいよ!
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