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倒幕の機運が高まる鎌倉末期。新田義貞は、壱岐に流されていた後醍醐天皇方として挙兵し、大塔宮護良親王、楠木正成、足利尊氏らとともに、ついに鎌倉幕府を滅ぼした。しかし、天皇新政もつかの間、反旗を翻し始めた足利氏の追討のため、義貞は自らの義に従って出陣するが…。帝に忠節を尽くし続けた義貞。歴史の表舞台を駆け抜けた太平記の雄の劇的な生涯を描ききった安部版「太平記」第2弾。
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Posted by ブクログ
南北朝時代の新田義貞を主人公とした歴史小説。本書の義貞は爽快感があり、物語の主人公らしさがる。義貞は六波羅探題によって冤罪で投獄される。冤罪が明らかになると「探題さま、検断さま、それに俺を連行した石見彦三郎という方にわびを入れてもらいましょう」「人の言い分を何ひとつ聞かずにこんな仕打ちをされて、黙っ...続きを読むて引き下がれるか」と主張する(94頁)。冤罪を有耶無耶にしがちな日本社会で義貞の台詞は輝いている。 私は義貞にはパッとしないイメージを持っていた。皇国史観では忠臣・ヒーローと持て囃されたが、逆に皇国史観が否定されて久しい。吉川英治『私本太平記』のイメージが強い。同じ源氏一門の足利氏に対抗意識を抱いているが、足利氏は歯牙にもかけていないほど差がある。同じ南朝の忠臣とされる楠木正成は後醍醐天皇の政治に批判的視点も持つように描かれることが多い。これに対して義貞がそのように描かれることは乏しい。
私には新しい義貞
義貞の生き様を安部先生が生き生きと描かれており、時代背景のなかで義貞の存在感が今までになく輝き出した。 ただ、太平記では犬死とされている義貞の死を先生なりの解釈で読んでみたかった。いづれにしても、私の義貞に対するこれまでの評価とはまったく異る姿は大変興味深く読めた。
新しい新田義貞像の提案だった。鎌倉幕府倒幕の立役者なのに、楠木正成に比べいつも扱いが悪い。 自分の義に忠実な義貞だ。
群馬県太田市に縁があったので、その出身者である新田義貞について読んでみた。 太平記物では、主要な登場人物だが、楠木正成や足利尊氏とは違って主人公にはならない人物。それを主人公に据えた作品とあってどのような内容かと読み進めていったが、やはり新田義貞を主人公にストーリーを進めるのは、やや展開に物足りなさ...続きを読むを感じてしまう。 解説にあるような快男児として描くより、悲劇のヒーローとして描く方が小説的には面白くなるのかもしれない。
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士道太平記 義貞の旗
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