神戸・続神戸(新潮文庫)

神戸・続神戸(新潮文庫)

473円 (税込)

2pt

第二次大戦下、神戸トーアロードの奇妙なホテル。“東京の何もかも”から脱走した私はここに滞在した。エジプト人、白系ロシヤ人など、外国人たちが居据わり、ドイツ潜水艦の水兵が女性目当てに訪れる。死と隣り合わせながらも祝祭的だった日々。港町神戸にしか存在しなかったコスモポリタニズムが、新興俳句の鬼才の魂と化学反応を起こして生まれた、魔術のような二篇。(解説・森見登美彦)

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神戸・続神戸(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    『神戸・続神戸』は、新興俳句運動の中心人物のひとりであった俳人・西東三鬼が物した随筆である。太平洋戦争末期、三鬼が下宿していた神戸のホテルにおいて、住人たちが繰り広げていた狂騒的な日常を描いたものだ。

    三鬼自身も戦時下で反戦的な俳句を詠んだとして検挙された経験もある人物だが、『神戸・続神戸』に出て

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    2019年09月07日

    Posted by ブクログ

    第二次世界大戦中の神戸、アパートを兼ねたホテルに主人公は住む。そのまわりには日本人だけでなくエジプト、ロシア、台湾、朝鮮、ドイツなど様々な出自の怪しい人々が蠢く。
    戦時中だけに物資や食べ物は不足し、住むところに困ったり、体を売ったり、病気で死んだり、という悲惨な状況である。にも関わらず、生々しさがな

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    2024年01月04日

    Posted by ブクログ

    何の情報で知ったのだったか、私の好きな作家さんが何人も絶賛してたので、読んでみることにしました。

    西東三鬼は俳人で、新興俳句系の句誌を創刊したりしてた。
    でも、俳人になる前は歯科医師、その後貿易会社役員など経歴が面白い。
    戦時中、京大俳句事件で執筆活動停止処分され、妻子を東京に置いて単身神戸に移住

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    2022年07月23日

    Posted by ブクログ

    古い写真を見ながら読むと当時の風景が浮かび上がります。
    戦時中でも人はたくましくそれぞれの人生を生きていたんだと。

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    2021年08月01日

    Posted by ブクログ

    これはよかった。生きるというのは参ってしまうようなことの連続で、戦時下にあってはそれも如何許りならんやという感じですが、登場人物たちは眉根を寄せながらもじつに自由に人間らしく生きてみせるのですね、その日々を。
    ユーモアとかペーソスとかジャジーとか、そういう分かるようで分からないカタカナ語が、カタカナ

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    2020年09月17日

    Posted by ブクログ

    戦中戦後の神戸の猥雑な空気や人間模様が、淡々とした距離感と味わいで描かれ素晴らしい。私にとってこんな文章が書きたいと思うお手本のよう。場所柄時代柄の各国の人の交錯が梨木香歩の「村田エフェンデイ滞土録」を思わせる。一人一人の無名の人の持つ大きなドラマをさらりと書くセンスと腕前に感嘆。神戸の民衆史として

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    2020年08月28日

    Posted by ブクログ

    戦中、戦後を強かに生きた人々の喜怒哀楽が描かれているが、ちょっと不思議な読後感がある。コスモポリタンや自由を愛した人々というと何かが違う。国家の庇護を受けないが、その代わり国家の命令にも従わない。望むと望まざるとに関わらずそういう境涯へと至った人々が力強く生きていく様を、ほとんど心理描写を交えずに断

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    2020年05月11日

    Posted by ブクログ

    戦時中の神戸のある一軒のホテルで繰り広げられる日常。
    戦争から自由を求めて、だけど逃れられない人々の生きざまが、日々が、鮮やかに描かれた作品。
    リアルな残酷さばかりではなく、細やかなことに穏やかな時間が流れたり、呆れたり、笑ったり。
    人々が生きていたことを残した一冊。

    0
    2019年07月19日

    Posted by ブクログ

    戦前戦後の日本人、特に女性はほんとにたくましい。生命力がすごい。パワーがページから溢れてくるようです。神戸の雰囲気も、いかにもな感じ。いろんなことがあったんだなあ、としみじみ感じました。今よりずっとダイバーシティが身近で、グローバリズムも相当。こんな社会で生きてた人は強かっただろうな。

    0
    2023年03月08日

    Posted by ブクログ

    こんなタイトルだけど、観光案内ではありませぬ。

    「まったくよくいうよ」私が友だちならそんな風にツッコミたくなるような語り口。
    サラリと、時に厳しさや悲しみさえ、ユーモラスな空気で運んでくる。
    彩り豊かな人々と世界。
    あの困難な時代が、なんとおおらかで「生き生き」と描かれていることか。
    そして、そこ

    0
    2022年05月20日

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