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数学は、適切な教え方さえすれば、すべての子どもに理解できるはずのものである。こうした観点に立って、明治以来の数学教育の欠陥を指摘し、数学の土台と思われる量、数、集合と論理、空間と図形、変数と関数について、ていねいに説明する。父母、教師ならびに日本の教育の現状を憂慮するすべての人びとに贈る。
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Posted by ブクログ
小学校で習う算数は、当然、易しいものから難しいものへ、順序よく並べられているはずのものです。しかし、それがどういう理論で体系づけられ整理されているのか、あまり深く意識したことはありませんでした。 今から実に35年前に書かれたこの本では、その理論と体系を、水道方式の生みの親である遠山先生が、ずば...続きを読むり分かりやすく解説しています。 序 章 第1章 量 第2章 数 第3章 集合と論理 第4章 空間と図形 第5章 変数と関数 序章では算数の特性に触れながら、黒表紙、緑表紙、水色表紙と呼ばれた古い教科書の話題などが出てきます。残念ながら当時の教科書は見たことがないのですが、今とどのように違っているのか、興味深い内容です。それにしても、今はカラフルなイラストを用いた表紙の教科書ばかりですが、当時は単色の表紙だったのでしょうか? 私が一番興味深く読んだのは1章と2章です。量と数の関係がよく分かると同時に、新しい発見がいっぱいありました。また、今の教科書で学習する順序にも、ずいぶん反映されているように思いました。大学生の頃、外延量と内包量の話はいまいちピンと来なかったのですが、今読むとよく分かりました。 第3章の集合の話は、当時算数教育に持ち込まれたばかりで、いわば旬の話題だったのだと思います。現在も集合の考え方が残っていないわけではありませんが、小学校算数の表舞台からは姿を消してしまいました。やはり難しすぎたのでしょう。私も読み進めるうちに頭が痛くなりました。 第4章の空間と図形は、今の図形教育と大きく考え方が違って興味深いです。遠山先生の考え方で教科書を作るとすれば、どんな教科書になるのか、見てみたい気がします。 最後は関数です。今の小学校では、関数についての学習が大幅に減らされてしまっているので、ぜひ今後の復活を期待したいと思います。 全体的に見て、小学校の算数教育について多くの示唆を与えてくれます。今の流れとは違う部分も多いのですが、算数に興味がある小学校の教員であれば、ぜひ一読する価値のある本だと思います。かといって、教員以外には価値のない本という意味ではありません。算数の体系の全体像を眺め直すことで、新しい発見がきっとあると思います。チャンスがあれば、ぜひ手にとって眺めてみてください。
量、数、集合、論理、図形、空間、変数、関数の考え方と教え方を述べる。教え方については、量と数にページをかなり割いている。これは小学校での算数の教育について筆者はかなり批判があるからだろう。水道方式の考案者の数学教育についての考え方を述べたもの。
数を量として捉える部分が面白い。 小学生にタイルと数と数詞を常に参照させながら関連づけて教える必要があるという点で私はこの部分が良くできていないから数自体が苦手なのだと分かった。 前半の連続量・分離量のあたりが良い。
数学の分かっているつもりで 分かっていなかったことを理解出来る本。 分数の割り算をひっくり返すというなど そういうものだと思ってきたことを タイルなど分かりやすく説明してくれる。 関数や変数、アルゴリズムという言葉の 本来の意味も説明されているので、 文系のプログラマーは読んだ方が良い。
量の体系と四則演算の考え方 数学の中で量の体系と四則演算の考え方が参考になった。 外延量・内包量と掛け算割り算の関係が特に参考になった。 外延量:広がりを表す量。加算可能。体積,長さ,質量,時間など 内包量:内容内に包んだ性質を表す量。密度,濃度など。加算不可。 かけ算は足し算の繰り返しと考える...続きを読むと分数や0の演算で説明がつかなくなる。 「1あたり」の量に容れ物の広さをかけて中身の量を出すと考える。 2×3だと,2は1あたりの量。3はいれものの広さ。 参考文献はなくて著者の勝手な解釈にとどまったのが残念だった。
数学の基礎的な考え方を、いくつかの単元・章に分けて説明。 数学教育の問題点を挙げ、 どのような教え方が良いか、ということも考える。 古典なので、 この本だけを読んで全体像が分かるようなことはないが、 歴史・流れを知るという意味で新しい観点を与えてくれる。
古い本ですが、子どもたちに算数・数学を教えようと思ったときに参考になるところがたくさんありました。塾の先生、学校の先生はもちろんお父さん、お母さんも参考になると思います。
全体としては勉強になった。 ただし、出版時期が1972年とだいぶ古い。古いが、未だ増版されていることから、需要がいまだにあると言える。現代にも通ずるとこがほとんどで、教育の課題はいまだに解決されていないことがうかがえる。 理系にありがちな言葉遣い(使用する言葉・表現など)が良くないと感じた。読み...続きを読むづらく、理解しにくい部分が多数ある。 また、教育方法に正解が一つであるかのような気が感じられる。しかし、数学を解く上では感性的な部分もあり、解法は多数あるので、教育においてもいくつものバリエーション(個別の対応)が必要に感じた。 さらに、数学教育を学問として系統分類して、理解しやすくすることは重要であるが、教育する上で子供たちが理解しやすくするための分類とは異なると思った。
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