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野生時代のものとは全く違った存在となってしまった今日のムギやイネは、私たちの祖先の手で何千年もかかって改良に改良を重ねられてきた。イネをはじめ、ムギ、イモ、バナナ、雑穀、マメ、茶など人間生活と切り離すことのできない栽培植物の起源を追求して、アジアの奥地やヒマラヤ地域、南太平洋の全域を探査した貴重な記録。
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Posted by ブクログ
宮崎駿さんと鈴木敏夫さんが、この本を読んだと見て読んでみた。 50年以上前の本で、今は新しい知見が出てきているのかもしれないが、 古代文明発生以前からの植物と人の文化を描いていて、とてもワクワクしながら読み進めることが出来た。 身の回りにある植物の背景や歴史を感じることが出来、日常の楽しみが増えた
農耕からホモサピエンスの文明が大きく発展したことはよく知られている。しかしながら、どのようにして主食となる作物を作ってきたかは知らなかった。 さまざまな試行錯誤と努力と観察があって初めてこれらのことは成し遂げられたのだろうと思う。そう思うと、いくつかの農耕の起源が実に尊いことに気がつく。 小麦などを...続きを読む主食とする人以外が多いということにも驚いた。
バナナやサトウキビは食べやすいように品種改良をされてきた。 農耕の方法についても工夫がされてきて今に至っている。 米は小麦よりも人類には受け入れられやすい。 マコモはワイルドライス。
「イネ作」など、出版年相当に言葉遣いが古いのは致し方ない。イネの移植栽培についてなど、自分がごく当たり前と思っていること、勝手に思い込んでいることが、他の文化と照らし合わせることで実は違っていたことに気付かされた。一度読み終わっても、また読みたくなる。
農学部生たるもの、中尾佐助大先生の著作ぐらいは読んどかなきゃ、ということで大学3回生のときに読みました。 イネ、ムギ、マメ、イモ、その他雑穀、茶などの私たちの食生活に欠かせない栽培植物について、現地調査や遺伝学的な解析から民俗学、文化的な考察を交えながらその起源を追求した傑作。 中学や高校の地...続きを読む図帳に載っている、根菜農耕文化(南アジア熱帯;イモ、バナナ)、サバンナ農耕文化(アフリカ・北部インド;雑穀、ゴマ、マメ)、地中海農耕文化(トルコ東部;ムギ、えんどう豆等)、新大陸農耕文化(メキシコ;トウモロコシ、カボチャ、ジャガイモ)という4つの独立した起源から農耕が伝わっていく中で形成されたそれぞれの文化(農耕文化複合)があるという説を初めて説いた本です。 そして、根菜、サバンナ、地中海の3つの農耕文化複合とイネ(稲作)や茶といったアジア特有の作物と風土がフレンドされて「照葉樹林文化」(東アジア;イネ、茶、桑(絹))が形成されていると説明しています。 単に農耕の起源を追うのではなく、栽培作物を栽培したり利用する中で衣食住の文化的な面にも多く触れられてるのでいろんな視点から楽しめます。生物学的な部分は、出版されてから技術が進歩しているので専門的な方には不満かもしれません。また、生物学に疎い人でも、その部分を読み飛ばせば十分読めます。 意外にも栄養バランスがいいのはサバンナ農耕文化だったり、日本などの照葉樹林文化に人々はイネが伝わるまでは山岳民族だったなどが面白い発見でした。
本書は我々が日頃食べている穀物などのルーツがどこか?ということを探るという内容である。日頃我々は、意識せず、米を食べ、バナナを食べたりするわけだ が、今、口にしている植物で野生種はないということ。ほとんどが数千年の歳月をかけて人類が選抜し、育ててきた栽培種であることにまず驚く。生活の知恵が 栽培植物...続きを読むには詰まっているのである。こうした育種の伝統は当然、その遺伝子に蓄積されており、この種を保存するということにももちろん意味がある。出版が古いため、昨今の話題の遺伝子改良食品には触れられていない。
しばらく前に金曜ロードショーの『もののけ姫』を観て、改めてその世界観やら今に通じるところとかをいろいろと考えさせられて、もののけ姫の考察的なサイトを読み漁っていたところで辿り着いた本。もののけ姫やトトロは照葉樹林文化論に基づいているとかで、そういう太古の森の話かなと思って読み始めてみると全然違った。...続きを読む野生植物から良い品種を選び出し、それをどのように栽培植物化して改良していったか、それがどれだけ文明発展の重要な基礎になったかということがエリア別・品種別に述べられている。読み進める中で、昔感じた素朴な疑問も思い出した。中1の歴史の授業では、「弥生時代に大陸から稲作が伝来した」と習ったけど、あんな水田なんていう複雑なものを最初に考え出した人すごすぎるだろと思った記憶がある。当然いきなり水田で栽培したわけではなく、湿地に自生する野生の稲を採集し、良い品種を選んで栽培・改良した結果が日本に伝来したと言われる稲作の姿ということらしい。読んでみると当たり前のようにも感じるけど、そこには長い年月をかけた数え切れない試行錯誤があったことだろう。そこには人類の歴史の基礎となる劇的な進歩があったのだと思い知らされる一冊だった。
文化(カルチャー)はその名前の通り、耕す事というのが、この本を読むと実感します。人類の英知をかけて、いかに人間が栽培しやすく、より多くの収穫が得られるように長い年月をかけて品種改良をしてきたかが良く分かります。
文化"culture"の元の意味は耕す"cultivate"から来ているという指摘は言われてみれば目から鱗。なるほど、農業"agriculture"はまさにカルチャーそのものってわけだ。マクニールの『世界史』が紀元前における農耕文化の発展に...続きを読む対してやたらとページを割いていたのも今となってはよくわかる。農耕文化とは技術や儀礼だけでなく、栽培植物の品種それ自体も含まれるというのはその通りだと思う。僕らが日々食べているご飯も何万年もの改良の跡が刻まれているわけで、美味しく食べられるってのは一つの歴史的行為なんだ。
歴史上での記述と近代までの農耕の世界分布を、農耕文化複合の概念によって合理的に説明している。 世界の農耕文化の時代を超えた全体像や、文明の初期段階における農業の発展が原始国家の形成に対し果たした役割などを具体的にイメージできるようになった。 少し読み難い日本語で書かれていることと、新大陸原産の作物が...続きを読む殆どおまけ程度にしか触れられていなかったのが残念。発行が1966年なので現在の定説とは違う点もあるかもしれない。
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栽培植物と農耕の起源
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中尾佐助
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