もうひとつの曲がり角

もうひとつの曲がり角

1,265円 (税込)

6pt

3.8

野間児童文芸賞、小学館文学賞、産経児童出版文化賞大賞、IBBYオナーリスト賞など数々の賞を受賞する岩瀬成子氏の最新長編作品。

柵には半開きになった木の扉がついていて、その扉に「どうぞお入りください」と青色のマジックで書かれた板がぶらさがっていた。
「いやだ。あたしはそんなところへは、ぜったいに入らないから」ときこえた。
えっ。どきんとした。
庭木のむこうからだった。わたしにむかっていったんだろうか。
わたしは耳をすまして、木々にさえぎられて見えない庭のようすをうかがった。
しんとしていた。
だれがいるんだろう。
わたしはぶらさがっている板をもう一度見た。
それから足音を立てないようにして、そっと扉のあいだから庭に入っていった。しかられたら、すぐににげだすつもりだった。ちょっとだけ、のぞいてみたかった。──本文より。

小学五年のわたしと中一の兄は二ヶ月前、母の理想の新しい家、市の西側から東側へ引っ越してきた。この町で通い出した英会話スクールが休講だったので、わたしはふと通ったことのない道へ行ってみたくなる。道のずっと先には道路にまで木の枝が伸びている家があり、白い花がちらほらと咲いて・・・・・・。

日本絵本賞、講談社出版文化賞、ブラチスラバ世界絵本原画展金牌、オランダ銀の石筆賞など受賞の酒井駒子氏による美しい装画にも注目!

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もうひとつの曲がり角 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    岩瀬成子さん、好きなのだけど、子どもの心情を描くのが上手すぎて、辛くなってしまうことも度々ある。
    これは『マルの背中』や『ぼくが弟にしたこと』みたいに、明らかに問題のある家庭の話ではないのだが、どこにでもある普通の家庭の息苦しさが伝わってくる。
    第1子が中学生になる時期に、賃貸マンションから一戸建て

    0
    2019年11月17日

    Posted by ブクログ

    英語教室になんとなく行きたくない朋は、近くの路地に入ってみた。細い路地を進むと、不思議なお話を朗読しているおばあさんに出会い、庭に招き入れられる。次の週、同じ道に入ったはずなのに、道の様子が違い、少し昔風の服を着た女の子と出会う。
    現在と過去を行き来しながら、「したいこと、したくないこと」を考えるよ

    0
    2019年11月11日

    Posted by ブクログ

    久しぶりに日本人が共感できるような、子供心にモヤモヤした感覚を思い出す、児童書を読んだ。

    親の、子供の将来を自分のことのように心配する気持ちと、子供自身の気持ちを信じたいことを両天秤にかけての葛藤は辛いことだと思うが、子供自身も辛いことを我が身のように感じられることができない理由は、何なのだろうか

    0
    2022年03月12日

    Posted by ブクログ

    小学校5年生のわたし。転校して慣れない学校と英会話の塾。そんな毎日にある日道を違えて知った少し異なった世界。子供の自我の目覚めと友情の始まりの予感を丁寧に描いている。表紙の酒井駒子さんの絵がまた素敵でした。

    0
    2021年05月10日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ


    『そのぬくもりは消えない』
    『マルの背中』
    どちらも大好きだったけど、
    これはまたすごく面白い!!
    ちょっと不思議な女の子、不思議な物語なら、
    駒子さんの繊細な表紙がすーっとそこに連れていってくれるんですよねぇ。

    お兄ちゃんの中学進学に合わせて、市の東側のちいさなマンションから、西側の中古住宅に

    0
    2021年10月09日

もうひとつの曲がり角 の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    児童書 / よみもの
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    256ページ
  • 電子版発売日
    2019年09月25日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    4MB

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
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