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中2になり、担任は読書活動に熱心。冊数を班で競うのに、ひすいは本を読むことが難しい。クラスには書字が困難な子もいて──。さまざまな、見えにくい困難を抱える子どもたち。どうしたらいいか、彼らは葛藤し、何かをつかんでいく。
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Posted by ブクログ
結論 いろんな人がいて いろんな考え方があるってこと。 印象が良くない人でも 話してみれば意外といい人かもしれない。 様々な視点から その人を見てみることが大切。 見た目や行動で 判断してはいけない。
あなたは、「きみ」の存在を意識しているだろうか 読むのが苦手なひすい。書くことが苦手な心桜。女にも男にも分られたくない理幹。養育里親の養子となった拓真。過食ぎみの小晴。化学物質過敏症の留美名……。周囲から理解されにくい困りごとを抱えた中学生たちの苦しみと希望を描く連作短編集。あなた自身の中にも、あ...続きを読むなたの周囲の人の中にも、彼らと似た部分があるかもしれない。「怠けている」「わがままだ」と決めつけず、「きみ」の存在を意識し合えたら、どんな世界になるだろう。 「あの子がそんなふうに困っていたなんて、全然気づかなかった。なんていう大人にはならないよ。」 ーーーーー ある6年生の2学期ベスト本。この本の中では、中学2年生たちが深く深く悩んでいる姿が描かれていて、読んでいると辛くなるシーンが多い。しかし、さまざまな困りごとや苦しみを抱えた人がいるということに、共感しながら気づくことができる。6年生になると、こうした本をベスト本に選ぶ子がいるんだなと驚いた。気軽には勧められない作品だけど、こうした作品を必要としていたり、知れてよかったと思ったりする子もいるんだな。読んでみてよかった。 お話ごとに語り手が変わることで、それぞれの子の抱える苦しみも、その苦しみが周囲に理解されないもどかしさもよく伝わってくる。「困りごと」を抱えている「きみ」の存在を意識することが、「双方向の配慮」への第一歩なんだなというメッセージを受け取ったように思う。 困っている様子のリアルな描写がすごいな、勉強になるなあと思いながら読んだが、あとがきで、作者自身がひすいでもあり、心桜でもあり、留美名でもあると知り、納得した。
スクールカースト、過敏症、ディスグラフィア、里親制度、性同一性障害、様々な問題が詰め込まれた1冊だった。学校は、多様な中学生が、同じ時間を過ごす一番人間関係が難しい場所。この本を読んで共感できる登場人物がいれば、孤独が少しラクになるかも。
読んでいて自分の心にも刺さる台詞や状況が描写されていて、もっと多くの人に読んでほしい作品だと感じた。 人と違うと、自分は間違っているのかと不安になるけど、時には自分の考えを貫くことも大切だと思った。 自分の価値観だけで物事や人を判断してしまいがちだが、相手の話をしっかりと聞くべきだと思った。 ...続きを読む みんな違ってみんないい
自分の感覚や考え方だけだといろんなことが見えなくなるんだな。 生きにくさや、困りごと…。 一人ひとりが何かの困りごとがあるのかもしれない。 私自身も、この中の登場人物と重なる部分を持っている。 読みたい本がなかなか読めなくて、 気持ちや集中が散り散りになって、 漢字もなかなか覚えられないし、 時間...続きを読むをなかなか守れなくて… そんな自分が好きになれなくて、一つ失敗をするたびに自分を心の中で責めていたあの頃。 その時の自分の気持ちも思い出しながら読み進めた。 発達障害、心の性、里子、過食。 こうして言葉にすると枠にはまってしまって、本書の魅力を伝えられないけれど、 この作品の登場人物の持っている困りごとは、そばにいる誰かの困りごとなのかも知れないと思えるくらいの微妙なもの。 「そんなことで悩んでいるの?」「努力が足りないんじゃない?」「もっとこうすればいいのに」 そんな周囲の考え方で苦しむ人の気持ちに立つことができた。 同じようにできない焦りが、伝わってきた。 そして決して綺麗事や理想で終わらせないところにも好感が持てた。 解決したからよかったというのではなく、自分がどれくらい困っていたかを知って欲しい、ということが本書にも書かれている。 きっと、作者の梨屋さんも、それぞれの立場からの困りごとを読者に伝えることを一番に考えているのだろう。 配慮したからいいだろうというのではなく、その一人ひとりの困りごとや生きにくさに目を向けること。 まさしく「君の存在を意識する」ことがテーマなのだろう。 みんないい方向に向かったというスッキリ感はないのかもしれないけれど、一人ひとりが自分に向き合う中で「気付いていく」過程がとても丁寧に描かれている。 大きな事件もなく淡々と日常生活が進んでいくのに、心情描写の機微に惹きつけられた。 たくさんの人に読んで欲しい作品。
書かれていることが、出てくる子たちが、とてもリアル。中学生って自分のことがだんだんわかってくる時期だと思う。でも狭い世界にいると、人と違うことは「変」だって、「普通」じゃないって思われる。 違うことを受け入れること、理解することは難しいかもしれないけれど、そうできる人になれたらいい。
多様化大切‼️ 大人が子供の事を少しでも、理解をしてくれれば、悩みも減るんだろうなーと思う 男でも、女でも性別やもろもろで否定する義務は、ナイト思うなぁー
配慮の必要な子供たち。 理解しようと思わなければ、 寄り添う事は難しい。 学校の対応は、いつも保守的で、 考えさせられる。
5人の中学2年生の目を通して描く連作短編集。 たぶんディスレクシアで、読むことがとても苦手な、でもそれを正面切って認めたり、周囲に配慮を求めたりするのはいやな、ひすい。そのひすいと同じクラスで、女子だけれど体が大きくさばさばしていて男子と間違えられがちな理幹(りき)。字を書くことが極端に苦手で、ひす...続きを読むいとは対照的に自分でその原因を調べ、周囲を説得して「合理的配慮」を求める心桜(こはる)。ひすいの弟――両親を事故で亡くしてひすいの親に養子としてひきとられた――で、高い知性と繊細な感性を持つ拓真。そして大人のいうことを聞く「いいこ」であろうとするあまり自縄自縛になり、過食症になってしまう小春。 だれもが問題をかかえていて、「中二病」という言葉でくくったらそれでおしまいになってしまうけれど、そんなものじゃない。だって、中二が終わったら終了するというようなものではなく、ほうっておけば大人になっても同じ問題を抱え続けることになるだろうから。実際、この作品に登場する大人たちもみな問題のある人ばかりで、児童文学にちょいちょい登場する、聡明な導き手はだれもいない。ひすいたちの担任の角野先生なんてひどいものだけど、“親には評価が高いが、世間体を保つのがうまいだけで、子どものことがさっぱりわかっていない”という先生って、実際いるからね。読んでいてむかむかするほどだった(^_^;; 周りの大人がちゃんと機能していない場合、子どもはなんとか生きのびて自分で知恵をつけて解決するしかない。だからこそ、心桜(こはる)が、苦手な書字で絞り出すように書いたメッセージ「生きてようね。みんな、死なないで、生きていてね」が、痛切にひびくのだろう。 でも、この作品にはもうひとつ大切なメッセージがあった。それは、ひとりで悩まないで「困ってる」と声をあげようということ。そうすれば、誰かしら手を差しのべてくれる人や助けてくれる人が出てくるかもしれない。 それが凝縮されているのが最後の1編。日本では往々にして、声をあげた人が、平和をかき乱すわがままな人と捉えられがちで、学校などはまさにその縮図なのだけど、それをどうやって必死に突き崩していくか。 そういう意味でも、大人子どもを問わず、今読まれてほしい本だと感じた。
読字障害の疑いがあるひすい、性別に分けられることに違和感を感じている理幹、漢字を書くのが苦手な心桜、両親と死別しひすいの両親の養子となった拓真、大人の期待に応えたい過食気味の賀川、化学物質過敏症で教室に行けなくなった留美名。 この本には、彼らのような生きづらさを抱えた中学生達が登場する。 その中...続きを読むでも一番印象に残ったのは、性別に分けられることに違和感を感じている理幹だ。彼女は、体は女性でも、心は女でも男でもない、いわばXジェンダー、無性愛者である。 多様性を求める社会となった今でも尚、この社会は「男」か「女」に分けたがっている。 例えば、学校の模試や入学試験の願書、パスポートなど、私たちは様々な場面で、性別を問われている。 かくいう私の学校では毎月一度、頭髪服装検査が行われる。 特に髪型については厳しく指導される。 男子は目、耳、襟に髪の毛がかかってはいけない。 これまで約15年の間に育まれてきた私たちの個性は、大人達の手によって、大人達のものさしで測られ、切りそろえられていく。 もしも、性同一性障害で、体は男性でも心は女性という人が髪を伸ばしたら、私の学校の大人達はどのように対応してくれるのだろうか。 それでも彼らは彼らなりの「普通」を押し付けてくるのだろうか。 この本に登場する中学生達は皆悩みを持っている。それでいて、彼らは人から「個性的で変わった人」というふうに見られてしまう。 私の目には、食事中でも電車の中でも歩いていても、薄っぺらに光る四角い端末を飽きることなく凝視している彼らの方が、よっぽど変わっているように見えるのは、単なる視力の問題なのだろうか。
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