海の乙女の惜しみなさ

海の乙女の惜しみなさ

2,112円 (税込)

10pt

3.7

2017年に没した著者が死の直前に脱稿した、26年ぶりの短篇集。『ジーザス・サン』の流れを汲みつつ、どん底から救済を夢見る人々の姿を通して、アメリカ的精神のゆくえを冷徹に見つめる5篇を収録。
「海の乙女の惜しみなさ」
広告代理店に長年勤務した60代前半のビル・ウィットマンの人生の瞬間をめぐる断片的な物語。老境に差しかかった語り手にのしかかる「老い」と「死」という主題が全体を貫く。
「首絞めボブ」
1967年、主人公はささいな非行により刑務所に収監される。そこで目にしたのは、無秩序の寸前で保たれている秩序、それぞれの受刑者が語る虚構すれすれの体験談だった。
「ドッペルゲンガー、ポルターガイスト」
詩人である大学教師ケヴィンが、才能豊かな教え子マークのエルヴィス・プレスリーに対する強迫観念を振り返る。マークはエルヴィスに関する陰謀説を証明しようとしていた。
「老い」と「死」という主題と、老いつつある「アメリカ」そのものを視野に入れた描写が、どの短篇にも色濃く現われている。生前、「現在においてもっとも影響力のある作家」と呼ばれた著者の集大成と呼ぶにふさわしい作品。

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海の乙女の惜しみなさ のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    表題作「海の乙女の惜しみなさ」を筆頭に「アイダホのスターライト」、「首絞めボブ」、「墓に対する勝利」、「ドッペルゲンガー、ポルターガイスト」の五篇からなる短篇集。「私、俺、僕」と作品によって異なる人称に訳されてはいるが、英語ならすべて<I>。一人称視点による語りで全篇統一されている。もっとも、内一篇

    0
    2019年05月29日

    Posted by ブクログ

    タイトルにひかれて読んだけど、重苦しい印象が強い。ヘミングウェイっぽいなと思ったら訳者のあとがきでもそういうふうに書かれていたので納得。
    麻薬の更生施設にいる男がいろんな人に宛てた手紙(実際に書いているかは不明)で構成される「アイダホのスターライト」は、こんなに書いているのにインクが減らないだとか、

    0
    2020年04月03日

    Posted by ブクログ

    5篇を収めた短篇集だが、まあ、よく人が死ぬ。別に暴力的な描写があるわけではなく、淡々と語られる中で自然に。それが人生というわけか。どれも独特な世界観をもっていて甲乙つけがたいが、最後を飾る「ドッペルゲンガー、ポルターガイスト」が一番好きかも。プレスリーに関する驚愕の陰謀を扱った作品で、ほかの作品とは

    0
    2019年10月05日

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