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終戦からほどなく、東京の真ん中に827戸を擁する米軍家族住宅エリアが出現した。その名も「ワシントンハイツ」。「日本の中のアメリカ」の華やかで近代的な生活は、焼け野原の日本人にアメリカ的豊かさへの憧れを強烈に植え付けた。現代日本の「原点」ともいうべき占領期を、日米双方の新資料と貴重な証言から洗いなおした傑作ノンフィクション。日本エッセイスト・クラブ賞受賞。
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Posted by ブクログ
戦後にアメリカの中位の軍人とその家族のための団地であるワシントンハイツを中心に、色々とその時代についての内容に触れていて、ためになりました。
実際に日本家屋を建て消防能力まで考慮された空襲計画、芸能娯楽も必要不可欠とする軍組織。 すでに大きかった日本との考え方・文化の違いや差は、戦後、占領軍を通して一般の人々も目の当たりにすることとなる。 検証されたのであろう膨大な資料、それを退屈でなく身近な感覚に引っ張ってくるのが多くの証言、「人の声」...続きを読むである。東京裁判の備品に「戦犯を裁くのに最高品は要らないのでは」の答えには思わずニヤリとしてしまった。 時代の流れを知るのにもよさそうである。
なぜ日本がここまで親米国になったのかについて、終戦後の占領から読み解くもの。主に現在の六本木、青山、原宿、渋谷、代々木あたりに存在した占領軍(=米軍)の様々な施設とその関係者を丁寧に取材し、米国式の生活や文化がいかにその後の日本人に影響を与えたかがよくわかる。本のタイトルにもなっている「ワシントンハ...続きを読むイツ」とは、米軍の将校らが住んだ団地(というより「町」)で、そこから発信される庭付き住宅、休日のレジャー、スポーツ、ジャズやダンス、生野菜を食べる習慣、大量生産大量消費を美徳とする考え方などが、自由な生活に飢えていた日本人にあっという間に広まった様子がよくわかる。実はかなり政治的・軍事的な意味合いも合ったようで、綺麗なことばかりではないことも。また、白洋舎やkinokuniya、ジャニーズなど、新しい商売が生まれたきっかけにもなっていて、興味深い。ただ、新しいもの、欧米のものを無条件に良いものと有り難がる傾向、古き良きもの、日本独自のものを軽んじる傾向は、ここから始まったのかと思うと、現代の私たちはそれほど賢くなっていないのかとも思う。
六年に及ぶ取材で戦後の原風景を描いた文庫500ページ超の力作。 タイトルは『ワシントンハイツ』となっているが、それに触れているのは一部に過ぎず、むしろサブタイトルの『GHQが東京に刻んだ戦後』の方が本書の内容をよく表している。「洗浄野菜販売店」第一号として紀ノ国屋に触れたのはまだ予想の範囲内だったが...続きを読む、白洋舎、ジャニーズが出てくるとは…。東京大空襲直後の表参道の様子、アイゼンハワー大統領来日中止の背後にいた諜報部員など、どれも豊富で丹念な取材に裏打ちされていて読む手を止められなかった。 著者は米国による占領を是と考えたのか非と考えたのかという観点で考えると、その軸は少しぶれている印象がある。でも、そのぶれがこの本の価値を下げることには全くならない。
アメリカとの関係って切っても切れないんだけど、そのベースになるのは第二次大戦の戦勝国と敗戦国というものであること案外忘れているよね。サンフランシスコ講話条約を締結するまでは日本はアメリカの占領下であったわけだけど、そのアイコンたるワシントンハイツの成り立ちを詳しく述べた本。アメリカとの関係を考えるに...続きを読む当たってこういう俯瞰的な視点って必要だよね。目の前のことだけ見てるのではなく。
杏のおすすめ本。 彼女のオススメの背景には、多分に青山で育った環境に影響を受けているのでは? 私にとっては、青山・表参道は特別な場所ではない事もあって、一戦争の記録としての読み方しか出来ないが、やはり色々あったんだな〜と思わされる。 ジャニー喜多川さんの話は、へぇ〜って感じですね…それぞれ色々...続きを読むな生活経験の中で道を見つけていってるのですね。
20歳をいくつか過ぎた頃に勤めていた事務所は青山にあった。通勤 途中で前を通る店舗が気になっていた。ある日、勇気を出して店内 に足を踏み入れてみた。 カルチャーショックだった。スーパーマーケット「紀ノ国屋」は、それまで 知っていた大手スーパーとは何もかもが異なっていた。なんだ?この 品揃...続きを読むえは?こんな野菜、見たことないぞ。この果物はなんだ? 面白くて、珍しくて、商品を次々とカートに放り込んで行ったら会計が 1万円を超えていたのを覚えている。ただ、その金額を「もったいない」 と思えないくらいに、店内は私にとってワンダーランドだった。 このスーパー「紀ノ国屋」も太平洋戦争敗戦後に日本に進駐して来た アメリカ軍の要望を満たす為に生まれたのだと、後日知った。 1945年8月15日正午の玉音放送、そして敗戦。進駐軍を受け入れること によって、日本にはアメリカ文化の波が押し寄せて来た。 都心の主な建物を次々と接収した進駐軍は、軍人とその家族の為の 住宅建設を要望する。目をつけられたのは代々木練兵場だった。 明治神宮北参道の辺りから現在のNHKが建つ場所まで。涙型に広 がる場所に「アメリカ」が出現した。その名も「ワシントンハイツ」。 本書はその「ワシントンハイツ」を中心に据え、5月の「山の手空襲」 を体験した日本人、「ワシントンハイツ」に暮らした元アメリカ兵、終戦 後に進駐軍と日本政府との懸け橋になった日系二世、日本国憲法の 作製に係わった人等の証言を集め、東京の戦後史を綴っている。 占領期を知らぬ私が「紀ノ国屋」店内でカルチャーショックを受けたの だから、「贅沢は敵」だの「欲しがりません勝つまでは」なんてスローガン の下で暮らして来た戦中の人たちが、なにもかもが豊富にあるアメリカ の文化に触れたこは価値観が大きく変わったことだろうと思う。 だって、真冬なのにワシントンハイツのなかではTシャツ1枚で暮らせる のだものな。どこにいようとも「本国にいるのと同じ生活を」が基本になっ ているアメリカらしいと言えばそうなんだろうけれどね。 玩具店の「キディランド」、土産物屋の「オリエンタルバザー」なんかも 「紀ノ国屋」同様、ワシントンハイツに住むアメリカ人の需要を満たした。 だから、表参道や青山周辺には似たような店が今もあるのかもな。 1964年の東京オリンピック開催を機にワシントンハイツは日本に返還 され、選手村として利用された。その準備過程でクリエイターの多くが 表参道周辺に事務所を構えるようになった。これは今も同じような感じ だね。デザイン事務所だとか、編集事務所が多いもの。 戦後の東京と、アメリカに対する日本人の気持ちの変遷を知るには いいのだが、登場する人物の多さと多岐にわたるテーマでまとまりの なさを感じるのが残念。出来れば副題をタイトルにした方がよかった のではないかと思う。 ワシントンハイツは既になくなったけれど、東京には今でも「アメリカ」 が存在する。日本人お断りのニュー山王ホテルと、六本木ヘリポートを 擁する赤坂プレスセンターだ。 他の在日米軍基地ほど話題に上らないけれど、こういうのを考える と未だ日本は占領期って感じだわ。
いくつか興味深いエピソードもあったけど、東京の地理がわからない人間には、知っている人にはわかったであろうことが朧げにしか理解できず残念に感じます。
今の職場にまつわる、今まで知らなかった歴史を知ることができた。日本再生の鍵が鎮守の森にあるという結論で良いのか?
日本の占領期の様子がよくわかった。米軍が今なお沖縄を中心に基地を保持していることも理解できるような気がした。
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ワシントンハイツ―GHQが東京に刻んだ戦後―(新潮文庫)
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秋尾沙戸子
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