福袋

福袋

858円 (税込)

4pt

今、いちばん勢いのある時代小説作家・朝井まかてが、こよなく愛する江戸の町を舞台に、歌舞伎役者や職人、商売人など様々な生業の人々の姿を、中身の詰まった8編の人情話に仕立てた傑作短編集。

1編目の「ぞっこん」では、「筆」が語り手になる。看板書きだったあるじと「筆」との出会いや情の深まりを、緩急をつけた落語調の文体で読ませる。2編目の「千両役者」は、ぱっとしない歌舞伎役者に千載一遇のチャンスが巡ってくる。もう後がない役者の焦りと、破滅と背中合わせの功名心が生々しく伝わる。3編目の「晴れ湯」は、湯屋(銭湯)を営む家に生まれた少女が主人公。客の戯作者や長屋のおかみさんたちのふるまい、子どもなりの家業への意気込み、江戸で恐れられた火事……。少女は大小のドラマに遭遇しながら、道楽者の父と働きづめの母という夫婦を、一つの男女の形として受け入れていく。続いて、自分のやりたいことを見つけた古着屋の少女が巻き込まれた揉め事に、愉快なオチを付けた4編目「莫連あやめ」。離縁された大喰らいの姉と、彼女を馬鹿にしながら利用する弟の、それぞれの顛末を活写した5編目「福袋」。さらに、女絵師が描いた枕絵が、昔の恋を照らす6編目「暮れ花火」。堅物の家主が、神田祭のお祭掛になってしまった7編目「後の祭」。その日暮らしの遊び人、卯吉と寅次の二人が助けた男からお礼にもらった品で商売を始める8編目「ひってん」。と、まさに福袋のように、何が入っているかわからないワクワク感とお得感。直木賞作家・朝井まかて初の短編集にして、第11回舟橋聖一文学賞を受賞した傑作!

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福袋 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    可愛くてしみじみする江戸情緒あふれる短編集
    銭湯の女の子の話が一番好きかな
    ラストの両親の会話で心がぐっともっていかれた

    0
    2022年09月07日

    Posted by ブクログ

    ぞっこん/千両役者/晴れ湯/莫連あやめ/福袋/暮れ花火/後の祭り/ひってん

    それぞれが暮らす町でそれぞれの事が起きる。辛かったり苦しかったりしてもしまいには何とかなるのが嬉しい。
    ひってんもそれなりにね

    0
    2019年08月11日

    Posted by ブクログ

    面白かった!
    特に「福袋」「暮れ花火」同じ女の話 なのに、全く違うのに、どうしてこんなに哀しいのだろう。
    やはりすごい才の持ち主だ。

    0
    2019年07月16日

    Posted by ブクログ

    久々に昨年末本屋さんに行って、お正月に読もうと思って買った「福袋」。
    朝井まかてさんは贔屓の作家なので、タイトルだけで...
    庶民の暮らしは切ないね、笑いのなかにも哀しさが溢れてる。

    0
    2024年01月13日

    Posted by ブクログ

    時代小説短編集。暗い話はない。

    ① ぞっこん
     付喪神の話
    ②千両役者
     なかなか売れない役者と贔屓の唐辛子屋の話。
     これから…!って時に話終わっちゃう。
     なんかちょっと物足りない。
    ③晴れ湯
     目まぐるしく働く湯屋の一人娘の話。
     店の切り盛りと事件と家族関係と、みたいな
     朝ドラ的な話。綺

    0
    2023年07月28日

    Posted by ブクログ

    江戸を舞台の、人情溢れる庶民の生活を描く、8つの短編。
    ぞっこん・・・お互いがぞっこんになった“筆”と文字職人の歩み。
       お上の動向に左右されながらも強かに生きる、人々の姿。
    千両役者・・・大部屋役者の花六と、贔屓で通う辛子屋の太之助。
       迎えるのは大どんでん返し。そして、一か八かの大博奕へ

    0
    2021年12月17日

    Posted by ブクログ

    売れない役者、湯屋の娘、絵描き・・・等々
    江戸の市井に生きる人々を描いた短編集

    どの登場人物も懸命に生きていて
    その懸命さが可笑しみを誘う

    じみじみと楽しい1冊

    0
    2021年06月24日

    Posted by ブクログ

    ラジオ深夜便 ラジオ文芸館
    暮れ花火
    ガッテンの小野さん朗読(^_^;)
    なんか変だなぁって思ったのは一瞬
    たちまち登場人物が生きて語り出します

    以前に読んだ「百日紅」を思い出す
    北斎の娘も絵師だったもんね
    カッコいいですね
    江戸の人々って魅力的です


    2022/4
    前回は朗読で一部を↑今回は改

    0
    2022年04月24日

    Posted by ブクログ

    面白かった。時代小説をこんなに身近に感じて読んだのは初めて。まるで自分もその場にいて、事の成り行きを見ているような感覚に…。
    特に、暮れ花火は切なくて泣けました。眩を読んで間もなかったせいなのか、主人公がお栄と重なって、もう1人のお栄を見ている気がした。

    0
    2020年03月29日

    Posted by ブクログ

    Tさんのお勧め。

    江戸を舞台としていても、
    どったんばったん捕り物だったり、
    おどろおどろした、またひょろひょろした妖し物だったり。
    それはそれで良い話だったりするのだが、
    やはり人情物を忘れるわけにはいかない。

    ちょっと大人の江戸物。
    貧乏くさいお贔屓がついた役者、
    神田祭を差配することになっ

    0
    2020年01月28日

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