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何ものにも依らないユニークな「手摺なき思考」が注目されたアーレント。本書は、全体主義が勃興して消えて行った激動の現代史を考察し続けた彼女の思索の最深部に迫る一書である。哲学、政治、思想という三つの補助線を駆使しながら主要な各作品を詳細に読みとき、時代を超えて屹立する思考の全貌を把握する。悪の問題、世界疎外、経験と思考、……人間の現実を徹底して追究した問題群を、いま改めて問いなおす。
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Posted by ブクログ
アーレントの主要著作について、全体主義との関連から解説した本で、難解なアーレントを歯切れよく論じている。
今アーレントの『人間の条件』と『イェルサレムのアイヒマン』を読んでいるが、全く理解が進まないので、それぞれの著書の解説を含んだ新書を読むことにしたが、それでも正直なところあまりものにできなかった。 ただ序盤に書いてあった「アーレントを形容するのに「手摺なき思考」が用いられることがある」の意味はだい...続きを読むぶ分かってきた(気がする)。西洋哲学から出発するも独自の理論を展開したり、アイヒマン裁判以降の一貫した姿勢を踏まえると、このような表現に着地するのだろう。 ハイデッカーやヤスパースの著書も読んで理解を深めたいところだが、全く進まない。なぜアーレントはここまで分かりにくくものを書けるのだろうと思ってしまうくらい、、
記述が詳細で、その分「入門」としてはふさわしくないが、しっかり読めばアーレントへの理解が深まる著作。
アーレントの主要作品を読み解きながら、彼女の思想を理解していく構成で、文章も読みやすい。これはいけるかもと思ったけど『全体主義の起源』『人間の条件』の2作品がやっぱり分からない。明らかに読み手の力量不足だ。『エルサレムのアイヒマン』はすごく腑に落ちたのにね。もう一度勉強し直さなくちゃ。
難解ながら、なんか気になってしょうがない思想家。 わからないなりに主著的なものを読んでみて、自分なりに、こんな感じというのはあるのだが、具体的にどうしてそんな議論になるのかはあまりわかっていない。 でも、気になり続けるのは、多分、アーレントが問題にしているテーマをわたしも考え続けているから。 ...続きを読むそして、思考の癖のようなものに、なんとなく自分と近い感じがある、と同時に、全く別の角度からやってくることもあって、その辺が面白いんだろうな〜? というわけで、アーレント関係の本は、ときどき読む。新書でも、難解なアーレントをうまく紹介している本も結構多い。 そういうなかでのこの本は、アーレントのいわゆる主著をダイジェストしつつ、全体を通じたテーマ、一貫性、発展性を辿っていく感じ。 本と本の間の気づかないリンクがたくさんあって、参考になった。 一方、これはアーレントの本をある程度読んだ人が、その内容を確認しながら、アーレントの思想の繋がり、全体性をみるための本だな〜、とも思う。 多分、最初に読む入門書としては、難しいかな? 入門書のようで、そうではない。専門書としては、もうちょっとなにかがほしい。そんな感じでした。
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ハンナ・アーレント ──屹立する思考の全貌
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森分大輔
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