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「イスラム女性に教育を受ける権利を」と主張し、イスラム過激派の銃撃を受けたマララ・ユースフザイさん。彼女は屈することなく訴えを続け、史上最年少でノーベル平和賞を受賞しました。しかし、マララさんと同じパキスタンの少女、ナビラ・レフマンさんの名前を知っていますか? 「対テロ戦争」の犠牲となった二人の少女。現代イスラム研究の第一人者が、彼女たちの背景とともに、「対テロ戦争」が起きた理由を解説します。
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Posted by ブクログ
平和への道筋は、教育と本の中にある。 イスラエルは、一時期エジプトまで支配していたのか。1967年頃。 この本は中東の歴史についても、かいつまみつつ詳しく解説してる。 知らないことばかりだ。 「ナビラはドローンによる悲劇に巻き込まれ、それから二年間、どこのコミュニティにも属していなかった。つまり...続きを読む広く社会と接触してこなかったために、多くのことを失ってきました」 p.150 コミュニティに属せないだけで、失うことも多いのか。 「語学の習得は、他の生徒や教師たちとのコミュニケーションが円滑になるだけでなく、彼女にとって、メディアを通じて自分の体験や思いを発信する時に役立ちます。彼女は心の中に閉じ込めていることがまだまだたくさんあります。それを表現してほしいと思うのです。彼女自身の表現力を高めることも私たちの重要な教育目標です。まだ内気なところもありますが、ナビラはとても賢い子どもですので、いずれ十分に話ができるようになるでしょう。彼女が日ごとに前進することを、私たちは期待しているんです」 p.152 現代の世界で普遍的に通用する価値観や知識、テクノロジーを学ぶとともに、それらが発達してきた歴史も学ぶ必要がある。どこかからメールで送られてきたのではないのだから。
「1人の子ども、1人の教師、1冊の本、そして1本のペン、それで世界 を変えられます。教育こそがただ一つの解決策です。エデュケーショ ン・ファースト(教育を第一に)」 女子教育を否定するパキスタン・タリバン運動に襲撃されながらも、 奇跡的な回復をしたマララ・ユスフザイさんが、2013年に国連...続きを読む本部で 行ったスピーチの一部だ。 マララさんはアメリカでオバマ大統領(当時)と会談した際に、ドローン を使用した対テロ戦争を止めるよう求めた。 ノーベル平和賞を受賞したマララさんと同じ、パキスタンで生まれ育ち、 対テロ戦争の犠牲になり、アメリカで被害を訴えた少女がいた。 ナビラ・レフマンさんだ。マララさんの国連での演説には多くの人々が 集まったのに、ナビラさんの話に耳を傾けるアメリカ下院議員はほと んどいなかった。 なぜなら、ナビラさんと家族を襲ったのは、イスラム過激派ではなく アメリカ・CIAが運用する無人殺人機ドローンだったからだ。 本書は2015年にドローン被害と教育の必要性を訴える為に来日した ナビラさんの話を中心に、イスラム教のこと、中東の情勢、テロ戦争 がなぜ起きて継続しているのか等を、小学校高学年向けに書かれ たノンフィクションだ。 本当に申し訳なく思う。日本に来ているのに、私はナビラさんのニュー スを完全に見逃していた。マララさんの国連演説などはきちんと見て いたのに。 インターネットどころか、テレビさえもないパキスタンの部族支配地域 で、豊かとはいえない暮らしをしているところに突然、ドローンから爆撃 される。その場に居合わせたナビラさんも、彼女のお兄さんも、そして ナビラさんから30メールしか離れていない菜園でオクラを摘んでいた おばあさんも、テロリストではない。それなに、ドローンの攻撃を受けた。 おばあさんは亡くなり、ナビラさんも怪我を負った。でも、誰も何もして くれない。パキスタン政府は「アメリカの責任だ」と言い、アメリカは誤爆 の事実を認めない。 アメリカの敵であるイスラム過激派に襲撃されたマララさんへの対応と、 なんという違いだろう。加害者が誰なのか?アメリカの敵か、アメリカ自 身かで被害者のその後の環境は真逆の位置になってしまう。 ナビラさんもマララさんも、自分たちにまったく関係ないところで始まった 対テロ戦争の犠牲者なのにね。アメリカが行っているドローン攻撃で、 ナビラさんのように犠牲になった人たちはたくさんいるんだよね。 「なぜ戦争をするのですか?なぜ教育のことを考えないのですか? なぜたくさんのお金を戦争に使って、教育に使わないのですか? 戦争で何が解決できるのですか?」 ナビラさんの心の叫びだろう。でも、きっとアメリカでは中東やアジアの 人々の命は軽いのだろうと思う。2004年生まれの少女に与えた恐怖に、 誰も真剣に取り合おうとしないのだから。 児童書なので分かりやすく書かれており、これまで一般向けの中東問 題を扱った作品を読んでもいまひとつ理解しにくかった部分も補える。 小学生だけではなく、多くの人に読んで考えて欲しいと思った。そして、 イスラエルとドローンの共同開発をしようとしている我が国を、心より 申し訳ないと思う。 そのドローンがパレスチナで使われない保証はないのだもの。
マララと違い、ドローンによって、アメリカ軍から攻撃を受け、なんの謝罪もなく、マララとの比較により、 今後のドローンの在り方を考えさせられる、決して他人事ではない内容です。
アメリカによる対テロ戦争の大義名分のアイコンとして、聖人君子のように祭り上げられているマララ。 かたや、イスラム過激派ではなくアメリカ・CIAが運用する無人殺人機ドローンに家族を殺されたナビラ。 中東の泥沼化は遡ればアメリカが発端。 世界の正義面した大国が、裏でいかにむこの市民を犠牲にしているのか...続きを読む。生の少女の声が胸に痛む。
マララさんはノーベル賞をもらうなど大きく報道されているが、 この本ではアメリカのドローンによって祖母を殺され、自身も怪我をしたナビラさんのことについて書かれている。 彼女のような子供達がまだまだたくさんいるということを私達は知らなければならないと思った。 イスラム世界がなぜ今のような情勢になって...続きを読むいるのかについて、基本的な部分ではあるが子供向けらしくわかりやすく書かれているので、非常に勉強になる一冊であった。
どう考えても ドローンで攻撃する それも 沢山の民間人が犠牲になっていて アメリカ人の犠牲を出さないため ゲームのように人を殺すって どうかしてますよね ドローンを選択した オバマさんにびっくりですよ イメージって恐ろしいな・・
同じパキスタンでうまれ、対テロ戦争に巻き込まれ負傷した二人の少女、しかしその二人のその後はあまりにも大きな違いが… かたやノーベル平和賞受賞、かたやアメリカ議会公聴会で講演、しかし出席した議員はたったの5人… なぜか?それはナビラさんと祖母を襲撃したのがアメリカCIAのドローンだったからだ。 オバマ...続きを読む前大統領は、アメリカの学校で銃撃事件が起きた時涙を流していたが、その裏では400回以上のドローンによる攻撃で子どもを含む一般市民が千人も犠牲になっていた。 ナビラさんもマララさんも訴えは同じ。戦争に大金を使うなら、それを教育に使うべきという事。 まずはこの本を子どもたちへ紹介、勧めたいと思う。小学生には途中中東の領土、宗教、民族、情勢などかなり難しい部分もあるが、子どもたちの知る機会を、知った人が手渡さなければ。
テロに巻き込まれた少女たち。アフガニスタンの状況は、正確な情報をえたりきちんと理解することは難しいかもしれませんが、刻一刻と世界の情勢が変わりつつあります。 まずは知ることから始めませんか。
銃撃されたマララさん。マララさんと大きく違うのは、銃撃したのがアメリカのCIAだということ。この本では、そこを切り口に報道のあり方やイスラムについて考えていく。 ドローンによる攻撃をアメリカ政府の人はbug splatと呼ぶのだそうです。人を攻撃しているのに。日本軍が戦時中、人体実験をするときに人間...続きを読むを丸太と呼んだことを思い出します。 報道の使命は「一番小さな声を聞くこと」(『殺人犯はそこにいる』著・清水潔より引用)、その大切さをこの本でも感じます。
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ナビラとマララ 「対テロ戦争」に巻き込まれた二人の少女
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宮田律
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