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『古事記』のなかに「日本」はない。『日本書紀』には、ある。これはいったい、どういうことなのか? そもそも「日本」という言葉は、古代中国において、日の昇る木・扶桑のもとにある地をさした。中国の世界像のなかで生まれたのだ。それが、「倭国」を「日本国」と改めるというかたちで承認された。以来、近代日本に至るまでの国号の歴史をあとづける力作!
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Posted by ブクログ
古代にその後の時代で言うような「日の本(ひのもと)」という訓みと理解があったのか?という疑問からのスタートでしたが正直色々それどころじゃない目からウロコがいっぱいありました。 まず古代ってやはり漢籍や漢文の理解があるのとないのとでは全然視野が違ってくるんだろうなと思いました。平安時代に日本書紀の講書...続きを読むが度々行われてますが(長くて数年かけて行われる)この当時に日本書紀に対する意欲すげえなと。矢田部公望なにものなの…おれもその講義受けたかったわ… ″「日出る処」って言うけど中国から見たら確かに日の出る方向だけど日本から見て国の中から日が出るわけじゃないのに「日出る」とかいう???(意訳)″って質問した某参議、私ちょっと日出る処表現のイメージ固まり過ぎててその発想無かったわ…って感動した。 概ね中華思想におけるあくまで配置的な「日本」という表現からきてるという印象で、自主的に「日本」を国号として名乗り始めたわけではないという感じでした。もちろん制度化して正式に倭から日本になるわけですけども。あと王朝名として見るべきという話もなるほどでした。
「日本」という語が「日本天皇」と詔書の中で用いられ『日本書紀』も唐や朝鮮半島を対象とした対外的呼称として使われだしたが、もとは中国の文献に現れる扶桑などと関連する地理的用語から派生したものだった。その後平安時代の日本書紀の注釈読解で東海姫氏国などの称とともに中国古典を元にして様々に議論されるも自国の...続きを読むアイデンティティを表す語として「やまと」への関心へシフトしていき、「日本」の語釈はアマテラスや大日如来を絡めた解釈へと変わっていく。そして近代、天皇のしろしめす我が国の「国体」についてはあれほど熱心に国民に説いていた政府も、日本という国号に関してはほとんど触れることができなかったという。 新出の「祢軍墓誌」に関する考察も著者の考えを補強する。
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「日本」 国号の由来と歴史
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神野志隆光
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