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現代の日本人が使う箸が、古代中国では、食物をつまむ道具であると同時に、食物のある場に神を降ろすためのハシゴであったにちがいない、と気づいた時の驚き。神聖なハシゴであるなら、横におくものではなく、立てる形が正式であろう……。想像を進めてゆく楽しみを、熱く、面白く語る、魅力溢れる随筆集。
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気軽に読みやすい
宮城谷さんと言えば緻密な構成と歴史と漢字文化の厚さが魅力だと思います。それに対し、この作品は気軽で読みやすく、宮城谷さんとコーヒーブレイクしているような気分で読み進むことができます。
Posted by ブクログ
中国史のこと、漢字のことは勿論だが、ファンとしては今まで触れたことのなかった私的な部分を垣間見ることができて嬉しく読んだ覚えがある。今までこういった私生活や私的な来歴などを全く知らずに、作品の向こうに薄ぼんやりと見えていた作家の輪郭が、急にはっきりし始めるというのは面白い体験だった。
春秋時代や戦国時代に、少しだけ興味がある。 どうやって知るか、となると、研究書にしても、何を読んでいいかわからないし、読みこなせるとも思えない。 そこで、何か小説で、と宮城谷さんの本のお世話になる。 本書は、古代中国の文化や文献を素材にした随筆なのだけれど、同時に夏王朝の頃を描いた出世作、「天空の...続きを読む舟」などを書いた頃の話や、故郷蒲郡についてのエッセイもあった。 宮城谷さんは、英文学をやってきた人だったことも、本書で初めて知った。 また、立原正秋ら、大学の恩師たちとの関わりと修業時代のことも何度も出てきた。 正直、この世代の作家が、大学の文学誌(早稲田文学)で世に出ていくというコースがあるのかとは思っていなかったから、驚いた。 高校時代に作家になることを志し、大学時代外国語をマスターしつつ、文体を確立させ、そしてさらに数年かけて書くべき題材を見つけた。 こんな風に作家になっていく人は、今いるのだろうか。
裏表紙に書かれている、本の内容紹介から、古代中国や中国古典のトリビア的な本なのかと思った。 そのような内容も含まれているが、宮城谷氏自身の思い出や、書評なども収録されている。
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